BIRKENSTOCK が LVMH 系列の投資会社に過半数株式を売却
約250年の歴史を誇るドイツの老舗ブランドの大きな決断
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約250年の歴史を誇るドイツの老舗コンフォートシューズブランド〈BIRKENSTOCK(ビルケンシュトック)〉が、ファッション業界最大手企業「LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)」系列の投資会社「L Catterton(Lキャタルトン)」と、「LVMH」の会長であるBernard Arnault(ベルナール・アルノー)の一族の投資会社「Financière Agache(フィナンシエール アガシュ)」の2社に株式の過半数を売却したことが発表された。取引額は明かされていないが40億ユーロ(約5,144億円)の価値があるとされ、売却後も創業家一族のChristian Birkenstock(クリスチャン・ビルケンシュトック)とAlex Birkenstock(アレックス・ビルケンシュトック)は少数株を保有し〈BIRKENSTOCK〉にとどまるという。
〈BIRKENSTOCK〉は多くのブランドおよびメーカーがコロナ禍で苦しむ中、ステイホーム期間中にホームスリッパが爆売れしたことから2019年の売上高が過去最高を記録。加えて近年は〈Valentino(ヴァレンティノ)〉や〈Rick Owens(リック・オウエンス)〉といったラグジュアリーブランドとのコラボにも積極的であることから、世界的に人気が加熱。売却の噂もしきりに流れるようになり、「LVMH」は今が買い時だと考えたのだろう。〈BIRKENSTOCK〉は今回の売却について、「単なる株主ではなく、当社のグローバルな成長の野望を達成するためのパートナー」とコメントしており、既に世界100カ国以上で展開されているが、中国やインドといったアジア市場のさらなる開拓を予定しているそうだ。
今後、〈Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)〉や〈DIOR(ディオール)〉といった「LVMH」系列のブランドとのコラボが実現する可能性も高く、〈BIRKENSTOCK〉の動きには注視しておこう。