突如としてプレミアリーグのニューカッスル・ユナイテッドが“世界で最も裕福なクラブ”になる
これまでプレミアリーグでトップを誇っていたマンチェスター・シティの約15倍という桁違いの資金力
イングランド・ニューカッスルをホームタウンとし、1893年に創設されたニューカッスル・ユナイテッド。プレミアリーグ好きの方々にとっては元日本代表・武藤嘉紀が2018〜2021年に所属していたことでおなじみだが、そうでない方々にとっては聞き慣れないクラブ名だろう。そんな同クラブがこのたび、突如として“世界で最も裕福なクラブ”となった。
というのもニューカッスルは昨年から、サウジアラビア政府系ファンド「Public Investment Fund(PIF、パブリック・インヴェストメント・ファンド)」が主体となる共同事業体の買収対象となっていた。しかし、世界最大の人権侵害国と言われる同国政府が抱える人権問題およびプレミアリーグにもたらす影響が懸念され、リーグオーナー取締役会などが抗議し保留に。ところがここ数日で協議が急進し、10月7日(現地時間)にプレミアリーグが「サウジアラビア政府がニューカッスル・ユナイテッドを支配することがない法的拘束力のある保証を確認しました」と声明を発表。3億ポンド(約456億円)での買収が完了したことが明らかとなった。
同共同事業体の推定資産は3,200億ポンド(約49兆9,200億円)で、これはプレミアリーグでトップの資金力を誇っていたマンチェスター・シティの約15倍という桁違いのレベル。これによりニューカッスルは一夜にして“世界で最も裕福なクラブ”となったのである。まずはその手始めとして、今季7試合未勝利のクラブを率いる監督を解任し、その後は即戦力となる選手の獲得よりも、長期目線で練習場やアカデミーといった環境に投資するという。
ニューカッスルは情熱的なサポーターを抱えているものの、残念ながら2011-12シーズンを最後にプレミアリーグのトップハーフ(20位中10位以内)にすら入れていない。果たして新オーナーの介入によって順位を上げることはできるのだろうか。
なお、これまでクラブを保有していたのはイングランドのスポーツメーカー「Sports Direct(スポーツ・ダイレクト)」のCEO Mike Ashley(マイク・アシュリー)。彼は2007年から14年間オーナーを務めていたのだが、選手補強を渋るだけでなくクラブの歴史を踏み躙るような改革、そして2度も降格させていたことから、長年サポーターの多くが退任を要求。このため今回の買収が決まった際には、大勢のサポーターたちがホームスタジアムに詰めかけ発煙筒を焚くお祭り騒ぎとなっていたようだ。その様子をぜひ下記からチェックしてほしい。
More from St James’, seconds after the news came through pic.twitter.com/j2XxG0eJVP
— Josh Halliday (@JoshHalliday) October 7, 2021
Kids too young to know the pre-Ashley era, let alone Sir Bobby, are getting swept up in the celebrations pic.twitter.com/SvEaCPezAH
— Josh Halliday (@JoshHalliday) October 7, 2021
Mayhem pic.twitter.com/qcDwFuUR0U
— Josh Halliday (@JoshHalliday) October 7, 2021