『TENET』のクリストファー・ノーラン監督が長年続いた Warner Bros. との契約に終止符を打つ?
年内公開予定の映画を劇場公開と同時に自社サービスで配信する決定を下したことが原因
『The Dark Knight(ダークナイト)』三部作や『Inception(インセプション)』『TENET(テネット)』などを手がけた現代映画界を代表する巨匠 Christopher Nolan(クリストファー・ノーラン)が、18年に及ぶ「Warner Bros.(ワーナー・ブラザース)」との契約に終止符を打つとのニュースが飛び込んできた。
情報筋によると、「Warner Bros.」は年内公開予定の映画17作を劇場公開と自社配信サービス『HBO Max(エイチビーオー マックス)』で同時配信する決定を下したそうで、これにNolanが納得していないことが背景にあるという。というのも日本ではあまり知られていないが、『TENET』は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で3回も公開が延期されたこともあり、『HBO Max』で配信されたのちアメリカなどの一部の国で劇場公開されたのである。この配給の動きがNolanには事前に通告されていなかったそうで、「業界のトップを牽引する映画監督や最も重要な映画スターたちは、そのニュースを聞かされる前日までは、なんて素晴らしい映画スタジオと働けたのかと誇りに思って眠りにつきました。しかし、翌朝最悪のストリーミング・サービスの元で働いていたことが明かされました」と「Warner Bros.」を強く批判。『Wall Street Journal』は「長年にわたりWarner Bros.の主要監督だったChristopher Nolanは、同社が掲げた2021年のハイブリッド配給戦略に失望し、次回作では同社とタッグを組まない意向であると関係者は明かしている」と報じている。Nolanであれば引く手数多だろうが、はたしてパートナーシップを締結してくれる企業を見つけられるのか……。