次代を担う韓国発のアパレルブランド 9 選
〈WE11DONE〉〈POST ARCHIVE FACTION〉など今後ますますの躍進が期待される韓国発のブランドをチェック

近年、圧巻の存在感を放つアバンギャルドなアイウェアブランド〈Gentle Monster(ジェントル モンスター)〉をはじめ、デザイナー BAJOWOO(バジョウ)率いる挑発的で大胆なパンク精神を掲げた気鋭ブランド〈99%IS-(ナインティナイン パーセント イズ)〉など、韓国発のブランドが世界中のセレブリティやインフルエンサーの間で絶大な支持を得ている。2019年は、〈Nike(ナイキ)〉とG-DRAGON(Gドラゴン)および〈PEACEMINUSONE(ピースマイナスワン)〉のコラボレーションによるAir Force 1 “Para-noise”が幅広い層から人気を博し、ファッションシーンにおけるK-POPの影響力が浮き彫りとなる形に。また、「LVMH Prize 2019」のセミファイナリストとして選出されたデザイナーデュオのKanghyuk Choi(カンヒョク・チョイ)とSanglak Shon(サンラク・ション)の手がける〈KANGHYUK(カンヒョク)〉は、誰しもが着目し得ない自動車用エアバッグをマテリアルとして採用。服飾という概念そのものをアップデートさせたような近未来的なスタイルは、高い評価を得た。同時に、人気ラッパーA$AP Rocky(エイサップ・ロッキー)がミュージックビデオで着用したことも話題となり、ヒップホップやストリートカルチャーシーンでも認知度が上昇。ただし、これらのブランドはいわば氷山の一角。既存の概念を覆すような、洗練されたデザインとシルエットに機能性を巧みに融合させた上質なデイリーウェアを展開するブランドは他にも多数存在する。本稿は、『HYPEBEAST』がグローバルチームが選出した9つの韓国ブランドを紹介する。ファッション感度の高い人であれば、すでに目をつけているブランドも含まれていると思うが、これを機に改めてチェックしてみよう。
EASTLOGUE
2011年にLee Dong-Ki(リー・ドンキ)が設立したソウル発のブランド〈EASTLOGUE(イーストローグ)〉。アウトドアギアの機能性を巧みに融合させた上質なカジュアルウェアは、海外のファッションシーンで高く評価されている。フィッシング、ハイキング、ミリタリー要素をディテールに落とし込んだカーゴポケット付きのベスト、フィッシュパーカー、ワークパンツなどのリュクス感を醸しだしたアイテムを多く展開。洗練されたカラーパレットを基調とした2020年春夏シーズンの最新コレクション“WATERCOURSE”で登場する〈Reebok(リーボック)〉とのコラボレーションフットウェアにも注目。
公式オンラインサイト: eastlogue.com
Youth Lab
〈Youth Lab(ユース ラボ)〉は、セレクトショップ『Obscura Store(オブスキュラ ストア)』のインハウスライン。 『Beaker(ビーカー)』『IAM-SHOP(アイアム-ショップ)』『29CM』など韓国の著名なセレクトショップでも取り扱われている。こだわりはベーシック。ワードローブの定番プロダクトを、洗練されたデザインとシルエットに再構築し、ニュートラルな色彩で統一している。トレンチコート、ドリズラージャケット、セーター、ジーンズなどは、全てソウルで製造されている。今シーズンは、裏地を表面に出したかのようなデザインが施されたオーバーサイズのストライプTシャツ、シワ加工を用いたポリエステル・ナイロン素材のスラックパンツ、フリンジが随所散りばめられたデザインのワークシャツなどがおすすめ。
公式オンラインサイト: youth-lab.kr
POST ARCHIVE FACTION (PAF)
2018年に誕生した韓国・ソウル発の新鋭ストリートレーベル〈POST ARCHIVE FACTION(ポスト アーカイブ ファクション/以下、PAF)〉。“脱構築”、“解体”をテーマとし、特有の反骨精神溢れる既存のアパレルとは全く異なる近未来的なデザインが印象的。過去から現在の“連続性”を、伝統的なデザインを基調とした“RIGHT”、“CENTER”、革新的な“LEFT”へと変化していく過程をガーメンツに反映している。ブランドを象徴するアシメトリックなテーラリング、スポーツウェアから着想を得た独自のアバンギャルドなスタイルは、海外でも高い評価を得ている。今後のブランドの展開も目が離せないだろう。
公式オンラインサイト: postarchivefaction.com
JOEGUSH
2014年にスタートしたソウルを拠点とする新興ストリートブランド〈JOEGUSH(ジョーガッシュ)〉。グランジ、グラムロック、パンク・ロックを中心に繰り広げられたサブカルチャー、ヒッピーカルチャーから着想を得ており、当時のアイコニックなシルエットやアイテムを独自のスタイルで細密に再現しいる。2020年秋冬シーズンのコレクション“Chaos Rest In Paradise” では、リメイク技術を駆使し、異素材を融合させ、気品と野暮ったさの同居する絶妙な表情に仕上げている。
公式オンラインサイト:joegush.com
JICHOI
ロンドンとソウルを拠点とするデザイナー Ji Choi(ジ・チョイ)の名を冠したブランド〈JICHOI(ジ チョイ)〉。2018年の”SKYWORLD”コレクションをはじめ、実用性を基調に、ロマンチシズムを探求し続けている。最新の2020年秋冬コレクション“Great Day”では、スポーツウェアとワークウェアのエッセンスを融合させ、ダークトーンをベースに、ミニマルでクリーンな気品漂う素材使いに注目。
公式オンラインサイト: jichoi.net
BLACKMERLE
デザイナー Terry Shin(テリー・シン)が牽引するソウル発のブランド〈BLACKMERLE(ブラックマール)〉。ブランド名はダークトーンの毛を纏った他と類似しない毛流を持つ多種の犬とい意味合いを持っており、反発精神の反動から生み出されたマキシマリズムに基づいたアバンギャルドなスタイルが特徴。SF映画から着想を得たかと思わせるような、斬新な素材使いと共に、滑稽さとシルエットの絶妙なバランスを捉えたスタイリングにも注目。〈BLACKMERLE〉を象徴するボンバージャケット、ミリタリーパーカー、トラックジャケット、カーゴパンツなどもおすすめ。
公式オンラインサイト: blackmerle.com
KUSIKOHC
韓国の気鋭フォトグラファー Cho Gi Seok(チョ・ギソク)が立ち上げたブランド〈KUSIKOHC(クシコック)〉。グラフィックデザイナー/アートディレクター/セットデザイナーという顔も持つCho Gi Seokが、鮮やかな色彩を用いて芸術の新たな側面をファッションを通じて追求している。コレクションは、“Showpiece”、“Ready-to-wear”、“Jewelry”という3つのカテゴリーに分けられ、“Showpiece”では、大胆にパッチワークが施されたパーカーやポンチョ、プリントをあしらったドレス、ジャカード柄のスーツなどを展開。また、“Ready-to-wear”では、ジャケット、ヴィヴィッドな配色のモックネックニットなどがラインアップ。“Jewelry”にはCho Gi Seokの独特の世界観を反映したオーバーサイズの血痕のついた角をイメージしたシルバーイヤリングが登場。現在、オンライン上での販売のみを行っているが、ソウルで第1号店に向けて始動しているという。
公式オンラインサイト: kusikohc.com
WE11DONE
韓国のセレクトショップ『RARE MARKET(レア マーケット)』のディレクター/バイヤーを務めるDami Kwon(ダミ・クォン)とJessica Jung(ジェシカ・チョン)が2015年にスタートしたブランド〈WE11DONE(ウェルダン)〉。1990年代から2000年初頭にかけてのファッションから着想を得た、ベーシックなアイテムをアップデートさせ、モードとストリートを兼ね合わせた気品のある洗礼されたシルエットが特徴的。オーバーサイズのカットのディテール、大胆なテーラードスタイル、斬新なトラウザーズのシルエットに注目。現在、『SSENSE(エッセンス)』『Farfetch(ファーフェッチ)』『Browns(ブラウンズ)』などのセレクトショップで取り扱われており、今後も展開を拡大させていくという。日本では『GR8(グレイト)』などでも販売されている。
公式オンラインサイト: we11-done.com
young n sang
Youngshin(ヤングシン)とSanglim(サングリム)率いる2017年に設立したハイエンドなサステイナブルメンズウェアブランド〈young n sang(ヤング・n・サング)〉。2015年の「CFDA Fashion Awards(CFDA ファッションアワード)」では、斬新で色彩豊かなパターンの組み合わせが高く評価された。『HYPEBEAST』の本国サイトでも、2020年春夏コレクションの野心的なアバンギャルドなデザインにスポットライトを当て、サステイナビリティが大きなテーマとなるファッション業界の中で、今後どのように展開していくか注目すべきブランドとして取り上げた。
公式インスタグラム:@youngnsang