Kanye West があの伝説的ミュージシャンに軽いノリのツイートでコラボを打診
「一緒になんかやろうぜ」by Kanye West
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スケートボードの技のひとつであるオーリーに挑戦した可愛らしい様子を捉えた映像が話題を集めたばかりのKanye West(カニエ・ウェスト)だが、今回はそんな彼のとあるツイートが賛否両論を集めている。
本タイトルにもある通り、Kanyeがツイートで行ったのはとあるミュージシャンへのコラボレーション打診。SNS全盛期の現在において、Twitter発でラッパーと他アーティストがコラボすること自体は大して珍しいことではないのだが、今回Kanyeがそのラブレター(ラブツイート)の宛名にその名を書いたのはなんとBob Dylan(ボブ・ディラン)。
現在77歳にして現役バリバリ。存命中のミュージシャンの中でも最重要人物とされる存在であり、彼の詩や音楽があらゆる歴史に与えた影響は計り知れず。2016年にはノーベル文学賞を受賞して世界を驚かせ、更には“先約がある”ことを理由にその授賞式を欠席。2018年7月にはフジロック出演のために来日し、その唯一無二のしわがれた歌声を苗場の夜に響かせたとも記憶に新しいあのBob Dylanだ。
そして今回、Kanye Westが今回そんな生ける伝説に投げかけたの話題のツイートは以下のようなもの。
Calling out to Bob Dylan Let’s get together
— ye (@kanyewest) 2018年12月12日
訳:ボブ・ディランへ。一緒になんかやろうぜ。
そのコラボ打診ツイートは、邦訳すると上記のようなニュアンスの凄まじく軽いノリのもの。単なるKanyeのおふざけツイートにも思えるこの投稿だが、実はボブ・ディランとヒップホップという、一見すると脈絡を持たない両者の関係は実はそこまで遠いものではないのである。
ノーベル賞受賞の所以ともなったBob Dylanの詩はしばしば難解と形容されるが、いくつかの楽曲は韻の踏み方や詩の内容がヒップホップっぽく聴こえることも知る人ぞ知る事実。例を挙げると、詩の韻の踏み方が分かりやすいのは1962年発表の“Hard Times In New York”などだ。さらに1986年にラッパーのKurtis Blow(カーティス・ブロウ)の楽曲“Street Rock”にフィーチャリングで参加し、楽曲の冒頭約10秒間で見事な“ヴァース”をアカペラでキックしている。またBob Dylanは過去に応えたインタビュー取材内にてRUN-DMC(ラン・ディーエムシー)やPublic Enemy(パブリック・エネミー)、更にはギャングスタラップの祖とも称されるN.W.A. (エヌ・ダブリュ・エー)のファンであることも明かしており、このことからもBob Dylanとヒップホップの間に少なからず関係性があったことは分かるだろう。
そしてそんな文脈を汲んだ(?)Kanye Westによってツイートされた今回のラブレター。SNS上ではKanyeの新プロジェクトにBob Dylanが参加か!?と早くも盛り上がりを見せているが、単なるKanyeの気まぐれおふざけである可能性も十分に考えられるのであまり期待せずに今後の動向を見守るとしよう。
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