Shops: THE RERACS による “試着するためだけの路面店” THE RERACS FITTING HOUSE

国内外で人気を博す日本生まれのファッションブランド〈THE RERACS〉を手がける2人にショートインタビューも敢行

ファッション 
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人気ドメスティックブランド〈THE RERACS(ザ・リラクス)〉が、6月30日(金)に“試着するだけための路面店”として『THE RERACS FITTING HOUSE』を渋谷区神宮前にオープンする。

デザイナーの倉橋直実とディレクターの倉橋直行の2人が手がける〈THE RERACS〉は、縫製や生地素材、ボタンやアイコニックなイカリ型のピンバッジなどの付属品に至るまで一貫して “Made In Japan”に拘ったメンズ/ウィメンズウェアを展開する日本のアパレルブランド。デザイン自体はベーシックでありながらも現代のエッセンスが随所に落とし込まれ、抜群のクオリティと実用性に裏付けされた、着る人を引き立てる考え抜かれたシルエットが特徴的なウェアアイテムの数々を国内外にて展開している。

そんな〈THE RERACS〉が手がける『THE RERACS FITTING HOUSE』は、先述の通り試着のために生み出された空間であり、在庫を持たない所謂“ショールーミングストア”。その店頭にはメンズ/ウィメンズともに最新コレクションの全ラインアップが並び、訪れた客はその場で気になったアイテムを試着、購入すると決めたものを店頭もしくは自分のデバイスからネット上のECサイト経由でオーダー、もしくは取り扱い店舗の案内をするというシステム。店舗面積約150㎡を誇る広々とした店舗の内装デザインは「alpha.co.ltd」の代表を務める南貴之が手がけ、建物本来の質感や雰囲気を生かしながらもコンクリートや真鍮、石などの素材や円形の大きな鏡などでデザインにエッジを効かせたクリーンな店舗空間に仕上がっている。

そして今回『HYPEBEAST』では、今月末のオープンに先駆けてその『THE RERACS FITTING HOUSE』の様子を読者の皆様にお届け。〈THE RERACS〉を手がける先述の2人にその『THE RERACS FITTING HOUSE』についての話も聞いたので、そちらも上のフォトギャラリーと併せてチェックしてみてほしい。

- ブランド立ち上げの経緯は?
倉橋直行(以下直行):僕らは学生の頃は単純な服好きで、明確にこれがしたいっていうのがその頃からあった訳ではないんですよね。毎日カップラーメンで食費を浮かせてメゾンの服を買っていたりして。極論を言うとブランドを作った理由を聞かれても、特にこれっていう説明はできないのかもしれないです。自分たちがやりたい事をやろうと思っていたら、なんとなく結果としてこうなってしまっただけ、というか。自分たちでもうっかり立ち上げてしまった、みたいな感覚なんですよ。

- ブランドの特徴でもある圧倒的な質への拘りはどこから?
倉橋直実(以下直実):いつの間にか少しずつ妥協できないことが積み重なってブラッシュアップされ続けてきた結果だと思いますね。

直行:テキスタイルとか縫製の面で言うと、ハイクオリティにしたいっていう思いは凄くあります。学生の頃からメゾンの洋服に触れてきたということもあって。今でもそのメゾンのクオリティが何をもって裏付けされているのかは正直今でも良く分かってないのかも知れないですけど、僕らは僕らの方法でそれらに匹敵するものを作ろうとしてきた結果だと思いますね。

- 洋服をデザインする上で意識していることは?
直実:何かインスピレーションソースがあってそこからデザインを膨らましていくというよりは、私達が2人して納得出来るものものづくりを行うことを大切にしています。コレクションを重ねていくうちに何か新しいことにチャレンジしていくという思いもあるんですけど、私達が美しいと思うものや自分たちらしい美学、ある種変わらない軸を持ったものづくりを続けていきたいと思っていますね。

- この“試着するだけための路面店”を構える構想はいつごろから?
直行:こういう形のお店がいいなと思ったのはもう十何年も前になりますね。Eコマースをはじめとする様々なカタチの販売方法が台頭するこれからの時代の中で、確実に小売のマーケットは変わっていくだろうな、と感じていました。より買う側にとって合理的で、メリットのある形になっていいくだろうな、と。だけどアパレルで言えば、どこか自分で体感できる部分がそこに付随してないといけないなと僕は感じています。それはアパレルの欠点でもあるし利点でもある。そういった考えからこのビジネスモデルは常に頭の中にありましたね。

- 店舗の内装デザインに関して
直行:イメージはもちろんお伝えしましたけど、僕らはalphaの南(貴之)さんのことを信頼しきっているので基本的にはお任せしましたね。南さんとはもうバイヤーとして〈THE RERACS〉のアイテムを買い付けていただいたときからの付き合いで、私達のオフィスのデザインも彼にお願いしました。この東京オリンピックが開催された1964年にできたVILLA BIANCA内のこの空間を渡せば、素材やこの建物の一番いい部分を生かして、〈THE RERACS〉にフィットするだけではなく、この建物にもフィットする空間を生み出してくれるだろうな、と。もちろんこの空間全てが実験的なものだったので、南さんと一緒に修正は何回か行いましたけど、僕達からあまり何か提案はしなかったですね。

- 今後の展望やプロジェクトは?
直実:デザインの面で言うと変わらないということもとても重要な要素だと思うので、あとは今後もものづくりの上で精度を更に上げていきたいですね。更に安定したクオリティのものを生み出していくということ、生地屋さんや縫製工場さんと継続可能な関係性を築き上げるために、自分たちのマスターピースをアイテムとして更に確立させていきたいです。

直行:早く移り変わる楽しさっていうのもファッションの魅力だと思うんですけど、僕たちはひとつひとつのアイテムを生み出すためのに時間やお金をもっと増やして、僕達のブランドとしては出来るだけそういう動きや流れに逆らって、変わらないことを大切にしていきたいですね。例えそのことによって一部の人につまらないと思われても、変わらないことによって人々に認められるようなアイテムに作っていきたいなと思っています。

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