Interviews: Run-D.M.C. ジャム・マスター・ジェイの息子、TJ・ミゼルが Gap の最新キャンペーンに登場
〈Gap〉の“The ‘90s Archive Re-Issue”で90年代のアイテムが復刻
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1969年にサンフランシスコでスタートして以来、アメリカンカジュアルのアイコニックなブランドの一つとして愛され続ける〈Gap(ギャップ)〉。そんな〈Gap〉が2017年最初に行うのは、「I am GAP」グローバルキャンペーンだ。そしてこのキャンペーンの第一弾として、“The ‘90s Archive Re-Issue(ザ ナインティース アーカイブ リイシュー)”と題したカプセルコレクションが展開される。2月7日(火)より、全国の〈Gap〉ストア8店舗とオンラインでローンチとなり、原宿と銀座では、キャンペーンに合わせた“I am GAP CONCEPT STORE”がオープンする。同コレクションは、〈Gap〉がアメカジの代名詞としての地位を確立した90年代に思いを馳せたコレクション。世界的スターや文化人を起用した広告やテレビCMなどに懐かしさを感じる人々も多いハズ。そんな90年代当時に発売された人気アイテムの数々が今回復刻し、新鮮さを併せ持つクラシックなスタイルとして2017年に蘇えった。
そして今回のコレクションの広告塔に選ばれたのは、Naomi Campbell(ナオミ キャンベル)と、彼女同様当時のキャンペーンに登場したスターの2世たちだ。メンバーは、Aerosmith(エアロスミス)のSteven Tyler(スティーヴン・タイラー)の娘・Chelsea Tyler(チェルシー・タイラー)、Sonic Youth(ソニック ユース)のKim Gordon(キム・ゴードン)の娘・Coco Gordon(ココ・ゴードン)、Run-D.M.C.(ランDMC)のJam Master Jay (ジャム・マスター・ジェイ)の息子・TJ Mizell (TJ・ミゼル)、Demi Moore(デミ・ムーア)の娘・Rumer Willis(ルーマー・ウィリス)、Diana Ross(ダイアナ・ロス)の息子・Evan Ross(エバン・ロス)、Jerry Hall(ジェリー・ホール)の娘・Lizzie Jagger(リジー・ジャガー)という豪華な顔ぶれ。今回のコレクションアイテムなどを着用し、“Generation Gap”というキャンペーンムービーに登場している。
今回『HYPEBEAST』は、1999年の〈Gap〉のテレビコマーシャルに出演したRun-D.M.C.、Jam Master Jayの息子であるTJ Mizellに電話インタビューを敢行。A$AP Ferg(エイサップ・ファーグ)のDJとして活躍しながら、兄弟たちとミュージックレーベルを運営するTJは、当時CM内でRun-D.M.C.がフィーチャーしていたフーディの復刻版を着てキャンペーンに参加。感想や近況などを語ってくれた。
- 今回のキャンペーンに参加したことで、改めて当時のRun-D.M.C.の〈Gap〉コマーシャルを思い起こしたと思うけど、やっぱり感慨深い?
そうだね。当時まだ7歳くらいだったけどCMはよく覚えてる。当時のアイコニックなヒップホップグループが〈Gap〉のアイコニックなロゴを着てる、すごく象徴的なCMだったよ。だから当時父さんが広告をやったブランドのキャンペーンに、15年以上経った今自分が参加できたっていうのはもちろんすごくうれしい。父さんが亡くなったのは10年以上前だけど、今また父さんをより近くに感じられる素晴らしい経験だった。
- では当時から〈Gap〉は親しみやすいブランドだった?
うん。その頃から少なくとも4〜5年間は、ずーっと〈Gap〉を着てたよ。フーディとかキャップとかデニムとか、シンプルなTシャツもあるから、小さい頃から何かしら〈Gap〉アイテムを着ているって日がほとんどだった気がするよ。
- 〈Gap〉の服同様、もちろん小さい頃から音楽もすごく身近な存在だったと思うけど、どうやって音楽をはじめたの?
幼稚園の頃はバイオリンを習っていて、小学校の頃ドラムも教わったんだ。高校生くらいまでドラムを叩いてたよ。そのあと父さんがニューヨークのマンハッタンに作った「Scratch DJ Academy」で音楽のプロダクションを学んだんだ。そこでDJのスキルを磨いていくうちに、人に教えたり、パーティーで回すようになったよ。
- A$AP FergのツアーDJもやっているし、自分のレコードレーベルもスタートさせているけど、今後のキャリアの展望などを聞かせてもらえる? どんな音楽を作りたいとか、プレイしたいっていう希望はある?
まずFergとの簡単な経緯を話すと、A$APのリミックスを作っているうちにそれが本人たちに届き、Fergともパーティーで会ったりしているうちに仲良くなって、DJに誘われたっていう流れなんだ。そこから彼と仕事するのはすごく楽しいよ。だた、たくさんの人はまだ僕の音楽スタイルを知らないと思うんだ。それか、父さんの影響でオールドスクールなヒップホップばかりだと思う人もいるかもしれない。でも昔の作品に敬意を払うと同時に新しいことにも挑戦したい。僕のレーベルは『Dope Roots』っていうんだけど、そこで色々なアーティストに音楽を作っていくよ。
- 1月末にはJam Master JayへのトリビュートとしてB to Bクリップも作っていたし、さらに前にはニューヨークの地下鉄に乗ってゲリラJDプレイもしていたけけど、そういう実験的なことが好きなの?
そうだね。それも含めてクラシックな音楽の中に新鮮さを生み出せるしね。
- A$AP Fergはアートもやるけど、TJ自身は音楽以外にやってみたいことは? ファインアートとかファッションデザインとか?
僕絵は下手なんだよ(笑)。でもファッションは大好きだから、レーベルのマーチャンダイズで関われたら嬉しいね。小さい頃からスケートカルチャーやストリートカルチャーを見て育ってきたから、今それがすごく流行っているのも不思議だけど、自分のバックグラウンドに基づいたファッションアイテムを作れたらいいなと思う。
- 〈Gap〉のビデオにもちらっと映っていたけど、スケートもよくするの?
スケートはほぼ毎日するよ。昔から、スケートカンパニーが作るアパレルアイテムに夢中だったし自分でもやりたいと憧れてたんだ。残念ながら絵が描けないからアーティストになるのは難しいけど、音楽とファッションをリンクさせてこれから活動出来たらいいなと思ってる。もちろんアートも大好きだし、タトゥーも好きでたくさん入ってるけどね。
- 一番気に入ってるタトゥーは?
腕に入ってる父さんのポートレートだよ。Kaves(ケイヴス)っていうグラフィティアーティストが、Ricky Powell(リッキー・パウエル)が撮影した父さんの写真を絵にした作品があるんだけど、Kavesはタトゥーアーティストでもあって、彼本人がその絵を彫ってくれたんだ。だから父さんとRicky PowellとKavesのコラボレーションみたいなタトゥーだと思ってる。すごく気に入ってるよ。
- 今回の〈Gap〉のキャンペーンも、時を超えた親子のコラボレーションという形になったと思うけど、今回の撮影で登場したアイテムの中で気に入ったもの、もしくは昔からの自分の〈Gap〉定番アイテムを教えてくれる?
今回の撮影で見たデニムも欲しいと思ったし、やっぱりあの大きい“GAP”のロゴが入ったアイテムはフーディもTシャツも前からずっと好きだよ。世界中の人たちが着てトレンドにもなったし、アメリカを象徴するアイコンみたいな存在でもあり、万人に愛されるステープルアイテムだと思うんだ。僕も父さんとの個人的な思い入れがあるように、世界中たくさんの人それぞれに、あのロゴアイテムが象徴する思い出があるんじゃないかと思う。