Interviews: 浅野忠信が等身大で音楽を奏でる「SODA!」の魅力とは?
俳優だけでなく、自身が率いるバンド「SODA!」のボーカルとしても活躍する「浅野忠信」。2013年にベースの「松丸裕二」、ドラムの「村山尚也」、
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俳優だけでなく、自身が率いるバンド「SODA!」のボーカルとしても活躍する「浅野忠信」。2013年にベースの「松丸裕二」、ドラムの「村山尚也」、 そしてギターの「高松優」を迎え、4人組バンドとして結成された「SODA!」だが、彼らの楽曲はどこか陽気で楽しい、そして踊りたくなるようなリズムとサウンドがクセになる。そんな「SODA!」が、2014年のファーストアルバム『抱きしめたい!』の発売に続き、セカンドアルバム『SKYBLUES!』を来たる2015年6月24日(水)にリリース。それに先駆け、「SODA!」の魅力、そして音楽のベースになっているものを「浅野忠信」に伺った。
—まず、「SODA!」を結成したきっかけを教えてください。
「SODA!」を結成する前に、いくつかバンドをやっていたんですけれど、その時にファンクとかダンスができるような曲がやりたいと思って、さまざまなアイデアが浮かびました。ソロでライブ活動をしていたり、映画の撮影をしている間にも新しい音楽の出会いがたくさんあったんです。ニューオーリンズでストリートミュージシャンに触れ合う機会があったときに、「音楽ってこうやって楽しむものだ!」と感じたんですよね。というのも、自分がやっていたものがコピーだったり形でやっているものだと気付いたんです。彼らは、言語のように音楽をプレイする。つまり、音楽は彼らの生活に根付いているものなんですよね。そこから、自分の音楽について考え直しました。自分は簡単なパンク程度の曲しか作れないけれど、むしろそれでやるべき、楽しむべきだと思ったんです。それで、自分はループする音楽が好きだったので、もともとやっていたバンド「SAFARI」で作っていた音楽からファーストアルバムを作り始めたんです。グループ名は、分かりやすくて楽しい、そして弾けているのがいいなと思って「SODA!」にしました。
—音楽のモデルとしているものはありますか? インスピレーション源は?
ストリートミュージシャンがきっかけですね。音楽に対する見方も変わりましたし、ただかっこいいと思って見ていたものを、本質的な部分から見るようになりました。お客さんと対話しているような、自分と対話しているような、そんなライブが楽しい。だから、どのライブも楽しめるようになりました。それまでは意識していませんでしたが、「underworld」の「Karl Hyde」、「Femi Kuti」は好きですね。ある程度、年を重ねている人の方が面白いし、興味深い。自分で本当に音楽の楽しみ方をわかっていると思います。あとは、自分が何に喜びを感じているのか? ということを考えました。それで、いろんなスタイルでリズムを乗っけてみて、自分にわがままに作ってみていますね。
—ファーストアルバム『抱きしめたい!』に関して。聞いていてとても心地のいいサウンドですが、印象に残っているものを教えてください。
「夜明け!」、「GET POWER!」、「FUNK PUNK YEAH!」ですね。ファンキーなギターに対してパンキーなドラム。自分にとっても新鮮な組み合わせです。
—1分半くらいの短めの曲が多い印象だったのですが、長さにもこだわりが?
あくまでアイデアだったので、特に長さにはこだわりがありませんでした。あえてこれしかやっていない。「夜明け!」だとギターを弾きまくる。聴く人にイメージを膨らませて欲しい、でももう一回聞いてみよう、という気にさせるのが狙いだったりもするんです(笑)。僕たちはそれを「スーパーダンスセッション」と呼んでいるのですが、つまりルールなしでやろうっていうアイデアですね。
—浅野さんは幼少期にブレイクダンスをやっていたり、音楽に触れる機会が多かったと思いますが、当時から踊れるようなノリのいい音楽が好きでしたか?
母親が音楽好きで、「James Brown」や「Michael Jackson」などのダンスサウンドはよく聴いていました。ダンスは映画『ブレイクダンス』を小学5年生の時に見て、影響されましたね。いわゆる80年代のダンスミュージックはもともと好きでしたし、今だと30年代のジャズ、50年代のロックを聴き直したりしています。
—俳優業とミュージシャンで通ずるもの、ベースになっているもの、モットーは?
ベースは一緒です。自分自身であり、何かわからないその“何か”に応えようとする愛情、向き合おうとすることに、映画や音楽を通じて気づきました。さまざまな出会いがあって、そこで演じたり音楽をやったり。そこで、誰かが音楽を聴いてくれたら喜びにつながります。つまり、“自分の何かに応えようとする愛の力”ですね。
—まもなく2枚目のアルバム『SKYBLUES!』が発売されますが、その中で一番おすすめ、これは絶対に聴いて欲しいものを教えてください。
最後の「ポケット!」という曲は、サードアルバムの入り口でもあると思っているので、ぜひ聴いてもらいたいです。なんてことない曲なのですが、夢のある曲。意外と最後らしくないけど、最後にあえてすることで次につながる希望にもなっていて、締めくくりにあるだけの理由があるんです。あと、「ノンストップ!」はロックで引っ張ってダンスして……ファーストではないような音楽なので是非。テンポもファーストと変わっていますし、僕たちの「スーパーダンスセッション」から生まれた自由なスタイルが詰まったアルバムになっていると思います。
—「SODA!」の魅力を一言でお願いします。
「SODA!」の音楽が僕自身を豊かにしていて、毎日自分で聴いて気持ちが満たされています。誰よりも自分が必要としている音楽。そういうバンドは少ないと思うので、自分にとってもそういうバンドを作れたのは誇りに思っています。
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