エル・プリメロを搭載した ZENITH の新傑作
「Watches and Wonders 2023」現地レポート -〈ZENITH〉編
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“時計”にハマって四六時中時計の事ばかり考えている人は少なくないと思うが、そこからさらに“機械式時計”という抜け出せない沼にハマってしまった人のために、このブランドをリストアップしないわけにはいかない。〈ZENITH(ゼニス)〉である。1969年に開発した自動巻きクロノグラフムーブメント “El Primero(エル・プリメロ、スペイン語でNo.1の意味)”でその名を知られる〈ZENITH〉は、長年にわたって親しまれてきたPilot(パイロット)をはじめ、Defy(デファイ)などの新しいモデルを「Watches and Wonders 2023(ウォッチズ アンド ワンダーズ 2023)」で発表。『Hypebeast』編集部では、その黒のオーラが超絶クールだったPilot(パイロット)コレクションにフォーカスしてご紹介する。
今回発表されたPilotコレクションは、Automatic(オートマティック)とBig Date Flyback(ビッグデイト・フライバック)の2型で構成。ケースは、それぞれステンレススチールとマット仕上げのブラックセラミックという2タイプがある。両モデルに採用されたブラックのダイヤルには、ヴィンテージの航空機を思わせるグルーブパターンを模した溝が水平方向に施されている。
Pilot Automaticのムーブメントには、最大60時間のパワーリザーブを誇る“El Primero 3620”を搭載し、文字盤には、針と同様にスーパールミノバが塗布された大型のアラビア数字が、視認性の良い“Sans-serif(サンセリフ)”体で配置されている。
ちなみにPilot Big Date Flyback(パイロット ビッグデイト フライバック)は、新型の自動巻き高振動キャリバー “El Primero 3652”を搭載したクロノグラフ。42.5mmという比較的スリムなケースサイズに、60時間のパワーリザーブを備える。このモデルに関しては発表にあたり、機能をアップデートし、パテント申請をするなど〈ZENITH〉ならではの機械式時計のイノベーションを行っているという。そのパテントで特にユニークなのはビッグデイト機能で、やや中央寄りの6時位置にデイト表示がセットされており、日付が変わる瞬間にムーブメント内のディスクがジャンプ、その所要時間はわずか0.007秒。以下の〈ZENITH〉公式『Instagram』でその瞬間が確認できるので、ご覧いただきたい。
ストラップは、NATOベルトのようなテクスチャーを表現したコーデュラ・エフェクト・ラバーストラップと、ブラウンのカーフスキン・レザーストラップが付属。インターチェンジャブル機能によって容易に交換が可能となっている。
価格はPilot Automaticのスチールモデルが96万8,000円、ブラックセラミックモデルが121万円、そしてPilot Big Date Flybackのスチールモデルが146万3,000円、ブラックセラミックモデルが172万7,000円(全て税込)。“天頂”を意味する〈ZENITH〉が満を辞してデビューさせたPilotの新作は同ブランドの公式サイトにてすでに公開されている。この洗練されたタイムピースをじっくりと目に焼き付けながら入荷を待とう。