米カリフォルニア州で毛皮製品の製造・販売の禁止法がついに施行
サンフランシスコ、ロサンゼルスに続き、州として初めて適用
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米サンフランシスコ、ロサンゼルスに続き、カリフォルニア州は、州として初めて毛皮製品の製造・販売の禁止法を1月1日(現地時間)より新たに施行。
2019年、動物の毛皮を使用した製品の製造・販売を禁止する法案を可決させたカリフォルニア州。本法は、新しい衣服やハンドバック、フットウェアなどに使用される毛皮全てを対象としており、中古の毛皮やはくせいの商品、レザー、牛革、シアリングは除外される。また、宗教目的や先住民が使う毛皮製品も対象外で、狩猟免許を使って合法的に毛皮を入手することは引き続き認められる。
この新しい法律の施行により、『Macy’s(メイシーズ)』『Bloomingdale(ブルーミングデールズ)』『Neiman Marcus(ニーマン・マーカス)』などの大手デパートは、毛皮製品の販売を禁止または毛皮を含む高級素材を専門に企画するファーサロンの営業を停止。〈Canada Goose(カナダグース)〉「Kering(ケリング)」『SAKS FIFTH AVENUE(サックス・フィフス・アベニュー)』〈Ermenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)〉グループなど、いくつかの高級ブランドやコングロマリッドは全て、2022年末までにファーフリー(毛皮廃止)ポリシーを実施することを取り決めている。
2017年の経済センサスによると、米国での毛皮衣料の売上高は5億7,400万ドル(約770億円)を突破。カリフォルニア州はその大部分を占め、毛皮の売上高は約1億2,900万ドル(約173億円)。それに次いでニューヨークが1億 1,500万ドル(約154億円)に達しており、その年のカリフォルニアとニューヨークの合計額は、米国の毛皮販売の43%となっていた。
「The Humane Society of the United States(米国人道協会)」のカリフォルニア州ディレクターであるJenny Bergは、「新しい毛皮製品の生産と販売を州全体で禁止することで、残酷な毛皮産業に立ち向かおうとしているカリフォルニア州に感謝している」と述べ、「実に人道的かつ環境的にも持続可能な代替手段が存在している中で、約1億頭の動物が未だに毛皮工場の農場で飼育され、コート、帽子、またはその他の製品のためだけに殺されているという事実は、とても時代遅れです」とコメント。 「私たちは、カリフォルニア州がファーフリーを主導し、ファッションのために動物が苦しんだり死んだりするべきではないという強力なメッセージを送ったことに拍手を送ります」と付け加えている。