人気スニーカーカスタマイザー ジョン・ガイガーが Nike を逆提訴
オリジナルスニーカー GF-01を巡る訴訟が今週末法廷で決着か
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〈Nike(ナイキ)〉と、同社の元社員であり、アメリカ・ペンシルベニア州ピッツバーグ出身の人気スニーカーカスタマイザー John Geiger(ジョン・ガイガー)によるオリジナルスニーカー GF-01を巡る一連の訴訟が、今週末に法廷に持ち込まれるようだ。
以前から『HYPEBEAST』で幾度となくお伝えしてきた本件について、ご存知ない方のために経緯を説明すると、昨年8月に〈Nike〉はGeigerの手掛けたオリジナルスニーカー GF-01が同社のAir Force 1に酷似しているとして、彼を商標権侵害で提訴。〈Nike〉はGeigerに対し「わが社の製品であるAF1のトレードドレスを侵害したシューズを販売することで、John Geigerは意図的に市場の混乱を引き起こし、NikeやAF1ブランドの評価や知名度を利用しています」と主張。一方のGeigerは〈Nike〉の訴えを不当であるとする旨の声明文を『Instagram』にて発表した。
同年11月、Geigerの弁護士は「AF1には製品そのもののデザインを保護するに値する十分な強度がない」と主張した上で両モデルの違いを指摘。消費者が2つのモデルを混同する可能性は低いと述べ、訴訟の取り下げを求めた。それを受けた〈Nike〉は、『Instagram』に寄せられた“GF-01の見た目がAF1に似ている”という指摘に対してGeigerが「そこがポイントだ」とコメントしたことを提示。類似性は故意的なものであったと異議を唱え、提訴を却下するよう求めるのは「手続き上不適切であり、法律の問題として根本的に間違っている」と説明した。さらに、弁護士はGF-01の製造元である「Lalaland Production」はGF-01のプロトタイプを販売目的ではなく、Geiger自身のために製造しただけであったと述べたものの、〈Nike〉は同メーカーが“GF-01を大量に生産した”ことを示す文書を入手したと公表していた。
両者の主張は噛み合わず、本件は悪化の一途をたどるかと思われたが、今週初めにGeigerが〈Nike〉を逆提訴し、彼らに対して長文の文書を提出した。Geigerは自身のブランドはGF-01の製造に関与しておらず、「Lalaland Production」は彼が提供したデザインをもとに(GF-01の)プロトタイプを作成したにすぎないと主張。また、両モデルの類似性に関しても、〈Nike〉はこれまでAF1の改良版を発表していることから、同社が指摘するデザインの商標権はあまりにも曖昧であるという見解を発表した。さらに、GF-01はAF1より高級なプレミアムレザーを使用していることから、高価な価格帯になっていることも付け加えている。また、GeigerはこれまでさまざまなブランドがAF1を模したスニーカーをリリースしていることを例に挙げ、〈Nike〉が彼らに対してまで訴訟を起こしていないことを指摘した。
本件の裁判は今週末にカリフォルニア州で行われるとのこと。果たしてこの騒動に決着は着くのか……続報が届き次第お伝えしたい。