バスキアの幻とも言える作品 “Hardware Store” が初めて市場に出回る
描かれた当時から長らく匿名の人物が所蔵し、展示されたのもわずか2回という超貴重な作品
先日、Beyoncé(ビヨンセ)とJAY-Z(ジェイ・Z)夫妻が起用された〈Tiffany & Co.(ティファニー)〉の最新キャンペーンで、1982年に描かれた作品 “Equals Pi”が初めて公にされたことでも話題のグラフィティ・アーティスト Jean-Michel Basquiat(ジャン=ミシェル・バスキア)。そんな彼の幻とも言える別の作品 “Hardware Store”が、このたびスイスで開催されている世界的アートフェア「Art Basel(アート・バーゼル)」に現れた。
“Hardware Store”は1983年に描かれた黄と青の2枚のキャンバスを組み合わせた作品で、高さ約213cm x 幅約335cmというBasquiat作品では最大級のサイズ。1983年当時から長らく匿名の人物が所蔵しており、1992〜1993年にニューヨークで、2018〜2019年にパリで開催された展覧会では展示されていたものの、1度も市場に出回ることがなかった超貴重な作品だ。出品したのはニューヨークのギャラリー『Van de Weghe』で、ギャラリーのオーナーが友人でもある作品の所有者を説得したことから販売に至り、価格は驚愕の4,000万ドル(約44億1,700万円)となっている。
昨今のアートシーンではBasquiat再評価の機運が高まっていることから、4,000万ドル超えとなる可能性も高いが果たして。