Sole-Searching : Air Jordan 1 Retro 2001年復刻モデル特集
Kanye Westらラッパー勢も好んで履いていたAJ1 2001年モデルをご紹介
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Sole-Searching : Air Jordan 1 Retro 2001年復刻モデル特集
Kanye Westらラッパー勢も好んで履いていたAJ1 2001年モデルをご紹介
毎月1足、歴代の名作スニーカーの歴史を紐解く企画 “Sole-Searching”。今月は、みんな大好きAir Jordan 1を2001年モデル括りでご紹介する。1985年に初登場したAir Jordan 1は、1994年に初復刻、その後2001年に3度目の復刻リリースが行われている。同じスニーカーでも販売された年代によって仕様が異なるのが復刻版の常。「あの時代の復刻はいいけど、この時代はダメ」など、愛好家たちの意見交換が盛んになるが、AJ1ともなれば、その傾向が一際顕著になる。スニーカーヘッズやファッショニスタの間でもファンの多い2001年モデルの誕生20周年を記念して、その特徴やヒストリーなどを振り返ってみよう。
まずはOGカラーから。2001年9月に今でいうところの“Bred”が、同年10月に“Royal”がそれぞれリリースされている。当時、日本での定価は12,600円。しかもスニーカーブームが落ち着きを見せていた時期だったので、手に入れようと思えば比較的容易に入手できたのである(良い時代ですね)。踵周りのライナーにはパットがかなり厚めに入っており、ホールド感は良いが、足が前に押し出される形になるので、現在販売されているAJ1を履き慣れている人によっては、少しサイズが小さく感じるかもしれない。シューズの高さも当時のトレンドを反映してか、オリジナルと比べるとややミッド気味。実際同年には、シューホールの数を減らしたAir Jordan 1 Retro+というモデル(現在のAJ1 Mid)が誕生している。また、スウッシュにヌバックを使用しているのも、2001年モデルのみに見られるポイント。スニーカーといえばソールの加水分解が有名だが、このスウッシュ部分も劣化するとボロボロと剥がれ落ち、色も抜けたように薄くなる。シュータンのタグ裏にはシリアルナンバーが記載されているが、どうやら分母の数字が複数パターンしていたようだ。そして、Jumpmanのキーチェーンが付属するのも2001年モデルならでは。
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Bennett Raglin/Bet/Getty Images For Bet
リリース時期が前後するが、2001年1月1日に、ジェラルミンケースに入ったメタリックシルバーの“Air Jordan 1 2001”が、わずか2001足のみ販売されている。〈Jordan Brand(ジョーダン ブランド)〉では初の日本限定展開となる同モデルは、2020年7月にAir Jordan 1 HIGH OG CO.JP “TOKYO”として復刻されているので、記憶に新しい方も多いだろう。その後、同年6〜8月にかけて、“2001 Addition”シリーズとして3カラーウェイがそれぞれ3,000足限定で発売。そのうちのネイビー/ホワイトも、Air Jordan 1 CO.JP “Midnight Navy”として、2020年に復刻リリースされている。
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Nike
スニーカーも人間と同じで、見える部分も見えない部分も劣化していくわけだが、いわゆるハイテクスニーカーと比較すると年月が経ったものでも、“まだなんとか”履けるのがAJ1など1980年代までに登場したモデルの強みでもある(Jordan 1は加水分解しないという誤情報が流布されているが、実際はソール内部のAIRはグシャグシャに崩壊していることが多いのだ)。そのような理由もあって、『StockX(ストックエックス)』でも2001年モデルの人気は高く、本稿執筆時点で“Bred”は80,000円台から50万円台で、“Royal”は70,000円台から30万円台で販売されている。この先もAir Jordan 1は続々とリリースされることが予想されるが、先述のCO.JPの存在も手伝って、2001年の復刻モデルは特別な存在感を放ち続けるだろう。
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Yuki Abe/Hypebeast