セルヒオ・アグエロが10シーズンを過ごしたマンチェスター・シティから遂に去る
“プレミアリーグ史上最も劇的なゴール”をはじめ、クラブ最多ゴール記録を持つレジェンドストライカーが退団
今でこそイングランド・プレミアリーグ屈指の強豪クラブに成長したものの、2011-12シーズンまで長らくリーグ制覇から縁の遠かったマンチェスター・シティ。そんな同クラブに44シーズンぶりのリーグタイトルをもたらすなど、10年間にわたり絶対的なストライカーとして君臨したアルゼンチン代表FW Sergio Aguero(セルヒオ・アグエロ)が、今シーズン限りでクラブを退団することが発表された。
現在32歳のAgueroは、2011年夏にスペインのアトレティコ・マドリードから移籍。在籍した10シーズンで公式戦390試合に出場し、奪った260ゴールはクラブ最多記録。また、“プレミアリーグで最も多くの得点を記録した外国人選手”でもあり、常人離れした身体能力から数々のブリリアントゴールを魅せてきたが、やはり彼のキャリアを語る上で2011-12シーズンの最終節で決めた“プレミアリーグ史上最も劇的なゴール”は外せない。ご存知ない方のために説明すると、このシーズンは同じ街のライバル マンチェスター・ユナイテッドと優勝争いを繰り広げており、シティは本拠地『Etihad Stadium(エディハド・スタジアム)』での最終節 QPR戦に勝てば文句なしのリーグ制覇という状況だった。しかし、対するQPRも熾烈な残留争いから勝利が絶対条件という背水の陣の戦いで、試合は後半90分までQPRが1-2でリード。シティは引き分けでも優勝を逃すことからスタジアムでは悔しさから椅子を破壊したり号泣するサポーターが現れたが、なんとアディショナルタイムで2ゴールを奪い、3-2の劇的逆転勝利で44シーズンぶりのリーグ制覇を達成。何を隠そう、この3点目を奪ったのがAgueroなのである(下記動画の19:00〜。試合終了と同時にサポーターがピッチに雪崩れ込むのも必見)。
だが今シーズンは怪我の影響などから5試合の出場にとどまり、Agueroは契約延長を望んでいたものの、クラブは契約を延長しないことを決断。10シーズン目の節目にクラブを離れることとなってしまったAgueroは、自身の『Twitter』で以下のようなコメントを発表している。
今の時代、プロ選手としては異例の10シーズンをマンチェスター・シティでプレーできたことに、大きな満足感と誇りを感じています。10シーズンの間に大きな功績を残し、歴史的な得点王になり、クラブを愛する全ての人たちと不滅の絆を築くことができました。
私は2011年にチームを再建するべく加入しましたが、オーナーたちの努力と多くの選手の貢献により、(マンチェスター・シティは)世界で最も偉大なクラブの1つに数えられるようになりました。私自身は、より多くのタイトルを獲得し、より多くのよろこびをサポーターの皆様にお届けできるよう、残りのシーズンも全力を尽くします。
なお、マンチェスター・シティはAgueroの功績を讃えた銅像を『Etihad Stadium』に設置し、今シーズンのホーム最終戦で大規模な退団セレモニーを実施する予定だという。現在プレミアリーグでは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のために無観客試合が続いているが、セレモニーまでに感染が落ち着きを見せ、大勢のサポーターがレジェンドストライカーを見送ってほしいものである。