ヴァージル・アブローが“デザイン盗用疑惑”について口を開く

マルセル・デュシャンやアンディ・ウォーホル、そしてヒップホップを引き合いに出し自らのデザイン哲学を語る

ファッション

Virgil Abloh(ヴァージル・アブロー)が『The New Yorker』の最新インタビューにて、誰しもが気になっていたであろう“あの疑惑”について口を開いた。

2018年に彗星のごとくSNS上に登場した『Diet_Prada』。あらゆる一流ブランドのデザインソースを暴き続けている同アカウントであるが、Virgilも度々その標的となってきた。『Diet_Prada』について尋ねられたAblohはその存在意義を認め称賛すると共に、彼らが“偶然”という要素を考慮していないことも指摘した。ご覧になった方もいるかもしれないが、〈Off-White™️(オフホワイト)〉2019年秋冬コレクションの一部がドイツ・ケルン発のブランド〈COLRS(カラーズ)〉のデザインを盗用しているのではないかという投稿。そのなかで批判されているアイテムをデザインした時点で、Virgilは〈COLRS〉のルックを見たことがなかったとし「グラフィックパターンをプリントした黄色のファブリックを使っているというのが、彼らの批判の全てだよね」と述べた。また、ネガティブな側面ばかりが取り沙汰され、“盗用”を前提にそれを裏付けるための要素を(強引に)作り出すことができるという旨をコメントしている。

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Another men’s fashion week, another @off____white collection with cherry picked references from indie streetwear labels? This time, the designs in question are a yellow graffitied ensemble from Cologne-based @colrsbaby by @punkzec , who showed his AW18 collection at @arisefashionweek in Lagos in April 2018, and a graphic from Manchester label @gramm . It could be a coincidence, but Virgil has been known to swipe designs from the fans he meets, some of who happen to be young creatives themselves. Interestingly enough, @punkzec met Virgil prior to one of his presentations in Paris in 2017. Think they talked design? • #colrsbaby #punkzec #arisefashionweek #lagos #streetwear #graffiti #hypebeast #hype #virgilabloh #offwhite #streetstyle #wiwt #ootd #gramm #hoodie #sweatshirt #manchester #cologne #snobshots #dietprada

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Virgilは常々「Marcel Duchamp(マルセル・デュシャン)が自分の弁護士だ」と公言している。その背景には、20世紀の美術に多大な影響を及ぼしたDuchampは、既製品に少しだけ手を加えた物を自分の作品として発表していることで知られている点にあるだろう。なかでも1917年に発表された男子用小便器に“R. Mutt”という署名を加えただけの“泉”が有名なところ。そしてVirgilは自分のデザインは「ヒップホップのようなもの」と語り「サンプリングさ、James Brown(ジェームス・ブラウン)からフレーズを拝借して、それを切り貼りして新しい曲を作る。ストリートウェアver.10.0といったところかな」と続け、「Campbell(キャンベル)」のスープ缶やMarilyn Monroe(マリリン・モンロー)を題材に扱ったAndy Warhol(アンディ・ウォーホル)も引き合いに出した。つまるところ、Ablohは、既に馴染みのあるアイデアやプロダクトを再解釈し、遊び心や確信犯的な意図を持って古いものから新しいものを生み出していると主張しているのだろう。

私見にはなるが、『Diet_Prada』が繰り広げる批判の多くは、音楽的教養のある人物が、サンプリングのみで構成されたヒップホップの楽曲を「音楽じゃない!」と非難しているのによく似ている。1980年代であれば、そういった考え方が一般的だったかもしれないが、時は流れ、サンプリングはひとつのアートフォームとして確立された。そして今や猫も杓子もヒップホップを求める時代である。同じように現在のファッション業界においても、オマージュやパロディを表現手段として昇華させた“ストリート”を“ラグジュアリー”が必死になって追いかける図式はしばらく終わりそうにない。さらに誤解を恐れずにいえば、ある意味“出尽くした”感のある現代において、完全にオリジナルなものを生み出すことは不可能に等しく、どれだけユニークなアイデアでも同じ考えを持つ人が世の中にいる可能性は否定できない。つまり、Virgilの指摘する“偶然の類似”という現象は起こり得るだろう。再びヒップホップに例えを戻すと、トラックを作る上でサンプリングのネタが被るということは珍しくないが、それを楽曲としていかに仕上げるかはプロデューサー、ラッパーたちの腕の見せどころなのである。

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Source
The New Yorker

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