Interviews:藤原ヒロシが長年の愛用ブランド Red Wing と John Smedley とのコラボレーションについて語る

藤原ヒロシの影響で90年代に爆発的なヒットアイテムとなった当時の背景にオマージュを捧げるコラボブーツが登場

ファッション 
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藤原ヒロシといえば、その類稀なる審美眼によって1990年代の裏原ムーブメントからファッションシーンをリードし続ける稀代のトレンドセッター。そんな藤原氏が起爆剤となったヒットアイテムは数多くあるが、なかでも〈Red Wing(レッド・ウィング)〉のブーツは、“インフルエンサー”という外来語を日常的に耳する遥か以前より、数々のフォロワーを生み出してきた藤原ヒロシの影響力を物語るプロダクトのひとつかもしれない。遡ること1995年、当時HFの担当していた雑誌の連載内で、ビブラムソールの〈Red Wing〉ブーツをホワイトのソールに張り替えたカスタムモデルが紹介されたところ、問い合わせが殺到し、同仕様のブーツの製品化が実現したという逸話がある。そこから20年以上の時を経て、藤原氏の主宰する〈fragment design(フラグメント デザイン)〉と〈Red Wing〉のコラボレーションが遂に実現。HFは、2019年初頭より度々〈Red Wing〉のブーツを『Instagram』などで紹介していたので、コラボを期待したファンも多かったかもしれない。さらに〈fragment design〉は同じく藤原が長年愛用するイギリスの老舗ニットウェアブランド〈John Smedley(ジョン スメドレー)〉とのコラボレーションも実施。〈John Smedley〉は2009年に発行された藤原ヒロシの私物を集めた『Personal Effects』にも掲載されていた。

我々『HYPEBEAST』は、そんな〈fragment design〉の仕掛ける2大コラボプロジェクトについて、藤原氏への直撃インタビューに成功した。当時の記憶を辿ってもらいながら、今回のコラボレーションが実現に至った背景やプロダクトへのこだわりを語ってもらった。

このタイミングでRed Wingに再び注目されたきっかけを教えていただけますか?

友達が買いに行くって言ってたので、一緒に行ってついでに買ったみたいな感じですね。

その方に勧められたのですか?

特に勧められたわけではないですが、僕も買ってみようかなという感じでした。

今回のコラボが実現した経緯を教えていただけますか。Red Wingから直接お誘いがあったのですか?

どうだったかな、確か友達の源馬大輔君が繋げてくれたんだと思います。

※Red Wing側は90年代に藤原氏の愛用モデルがアイコン的な1足となったこともあり、いつかコラボができないかと考えていた。そんな折にsacai(サカイ)のディレクションなどで知られる源馬大輔氏から話を持ちかけられ、トントン拍子に今回のコラボが進んだという

ちなみにそれがいつぐらいだったのですか?

最初のタイミングは今年の6月頃だったかと思います。

ビブラムから白いソールに張り替えた当時のカスタムを再現されているそうですが、このコンセプトは藤原さんのアイデアでしょうか?

いや、向こうの人とお話しして、何ができるかとか、どういうことをやりましょうかという感じだったので、僕というよりは僕とRed Wingの人と源馬君とか、その時のミーティングにいた人たちで「こういうのもできるからこうしましょう」って進めた感じですね。

当時は何足ぐらい所有されていましたか?

3〜4足じゃないですかね、同じ型の色違いを履いていたり。

今回の元ネタになったカスタムのブーツは今でもお持ちだったりしますか?

探せば多分あると思います、どこかに。

最近、雑誌でRed Wingのブーツをご紹介されていましたが。

ああ、あれがそうじゃないですか。カスタムしたものじゃないですけど、当時普通に履いてたものです。それと今売られているものを並べてましたね。

当時、藤原さん発信でブラック/ホワイトソールのアイリッシュセッターが爆発的な人気となりましたが、実際に製品化される前にブランド側から連絡があったのでしょうか?

覚えてはないですけど、多分なかったと思います。

最初に履いたRed Wingのモデルは覚えていますか?

それ(カスタムしたもの)だと思いますよ。カスタムしたやつか普通のベージュか。

Red Wingは90年代のモデルと比べても仕様があまり変化していないかと思いますが、現在改めて履いてみて、お気づきになったことなどございますか。

全くないです(笑)。そもそもずっと履いていたわけではないのであまり記憶にないのが正直なところです。

今回のコラボモデルについて、ご説明いただけますか?

僕も実はそんなにわかっていないのですが(笑)。コバがパイピングのものになっていて、ステッチも黒になっています。普通のインラインのものではこの仕様がないので、この違いは僕は結構大きいと思っています。靴とか時計とかもそうですけど、ミリ単位の違いが結構大きく反映するものだと痛感しました。それは実際に履いててもちょっと違うと感じると思いますよ。

確かに定番モデルなだけにちょっとの差が逆に際立ちますよね。

そうですね。

製作のお時間はどれぐらいだったのですが?

始まったのが6月からですから、数ヶ月ぐらいじゃないですかね。

John Smedleyとコラボレーションするのは何度目になるのでしょうか?

純粋に僕がやるのは初めてだと思いますけど、僕が関係しているブランドでは何度もお付き合いしてもらってやっていますね。

John Smedleyといえば、藤原さんの『Personal Effects』にも登場していますが、最初に着始めたのはいつ頃なのでしょうか?

80年代にVivienne WestwoodがJohn Smedleyとやってたんですよ。それで初めて知りました。そこからですね。

今回は既に廃盤となっているアーカイブをベースとされているそうですが、具体的にはいつの年代のものを使用されているのでしょうか。それを選んだ理由もあわせて教えてください。

2年前ぐらいのものですかね。毎年買ってたんですけど、ある時買いに行ったらなかったんですよ。それが2016年か。

※藤原氏が愛用していた型は2004年に初登場したもので、2012年に一度アップデートされ、2016年に廃盤となった

藤原さんがここ数年ご愛用されていたものがベースになっているということでしょうか?

それが2〜3年なかったので、復活してもらった形ですかね。

アーカイブをアップデートするにあたり、特にこだわった点を教えていただけますでしょうか。

基本は3年ぐらい前になくなっちゃったものが残念だなという感じで復活してもらった感じですが、後ろにジャガードでガムテープを剥がした感じを付けたらどうかなって、ちょっとアクセントを入れただけですね。買ってくれるお客さんにとってはもっと派手にロゴを入れたほうがいいのかとも思ったんですけど、自分で着たいものをまずは作りたかったので、なるべくシンプルで、理想の形を再現してもらいました。

John Smedleyはカラーバリエーションも豊富ですが。

ありますよね。

今回の4色はやはり藤原さんがよく着られるカラーがベースとなっているのですか?

絶対自分で買う、自分でいつも着てる4色を選んでいます。

アーカイブのロゴを使われたアイデアも藤原さんですか?

そうですね、できることを色々模索しながらやっていった感じですね。本当はそんなタグだけじゃ着てる人はあんまわかんないから……。

そうですね、ファンからすると少し物足りなく感じてしまうかもしれませんね。

そこは反省しつつ、今回はわがままを通させてもらいました(笑)。でも、まだもうちょっと今後も色々やるので、期待してもらえればなと。結局、毎年いつも買ってたものなので。

現行のものはシルエットが変わってしまっているのですか?

今のは袖がシングルになっていて、僕はダブルの長い袖が好きなんですよ。

※2016年に廃盤になったモデルは、ボックスシルエットを採用しているが、現行のものはやや細身のスタンダートシルエット。藤原氏のお気に入りのダブルの袖はJohn Smedley全体でも1型ぐらいしか残っていそう

今回は両方とも藤原さんの愛用品の別注に近い形かと思いますが、ゼロからのモノづくりと元々あるものに手を加えるとでは、どちらが難しいのでしょうか?

やっぱりゼロからの方が難しいんじゃないですかね、僕は苦手です。どっちみち履きたかったりとか、実際履いているからこれでもいいんだけど、それ+アルファで何かやれるんだったら嬉しいやりたいという感じで、Red Wingの企画もJohn Smedleyの企画も前のめりで飛び込んだ感じというか、是非お願いします、どうせ買うんで(笑)って感じですね。

John Smedleyの企画も最近スタートしたのですか?

そうなりますね。「どうですか?」「是非是非」みたいな流れでした。両方そうやって昔から愛用しているものなので光栄でしたね。

藤原さんの考える両ブランドの魅力は?

やっぱりその歴史的背景というかヘリテージじゃないですかね。今もしっかりやれてて、ちょっとずつ形が変わっていても、芯の通った良い素材だったりとか、丈夫さだったりとかがあるからそこが一番の魅力だと思います。

Interviews:藤原ヒロシが長年の愛用ブランド Red Wing と John Smedley とのコラボレーションについて語る レッド・ウィング ジョン スメドレー

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