韓国・ソウルで開かれた G-DRAGON x Nike Air Force 1 “Para-noise” のリリースイベントに潜入

“Para-noise”に込められたメッセージを紐解く

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去る2019年11月23日、韓国・ソウルのオリンピック公園にて、G-DRAGON(Gドラゴン)および〈PEACEMINUSONE(ピースマイナスワン)〉と〈Nike(ナイキ)〉によるAir Force 1 “Para-noise”の発売を記念するイベントが開催された。平和を象徴する白いハトをモチーフとして設計された“平和の門”の前に、G-DRAGONのアートにおける世界観を基に特別制作されたドーム状の空間を設置。1988年生まれのG-DRAGON、同年に開催された1988年の「ソウル・オリンピック」、理念や人種を問わずスポーツからなる平和と調和、そういった様々な意味が内包されたその空間と“Para-noise”が遭遇し、ひとつのユートピアを実現させたという。

長く伸び落ちる植物に飾られた入口を通ると、向かい合うふたつの異なる空間が。その右側に入ると〈PEACEMINUSONE〉を象徴するデイジーが散りばめられており、G-DRAGONと〈Nike〉はここで“Para-noise”の定義を説明している。

G-DRAGONは、現実と理想の境界壁を取り壊しながら描いてく自身のヴィジョンをPara-noiseという一つの単語を通じて表現したそして多種多様なコミュニティと交流し、持続的にインスピレーションを得て未来を創り出していく自分自身の力を、このコラボによるAir Force 1を介して共有したいという想いを込めている。

大きなドーム型のスペースは、G-DRAGON本人の芸術に纏わる美学と世界観を盛り込んだアートワークで満ちていた。彼による作品はもちろんのこと、本人が絵を描く際に使用する塗料とラッカー、そしてAir Force 1 “Para-noise”から派生した数々のカスタム商品とオブジェが配置されている。

G Dragon Nike Air force 1 Gドラゴン ナイキ エアフォース 1 リリース 記念イベント ローンチ daisy peaceminusone seoul korea olympic park オリンピック公園

Air Force 1 “Para-noise”は、着用する人それぞれによって、異なる形で変化されていくように設計されたという。ブラックに纏われたアッパー部は、履けば履くほど剥がれていく。その中には、G-DRAGONのアートワークを使ったもうひとつのアッパーが隠されている。つまり、それぞれのシューズは、時間の経過や老化によって異なる形状を辿る。Air Force 1 “Para-noise”の下でひとつの共同体として結ばれる人々は、このシューズを通して個々人が持つ個性を自然に演出することができ、その多様な個性が新たなインスピレーションとなり、さらなる文化を導いていくこと。G-DRAGONは、自身が手掛けたこのシューズが、あらゆる“希望の種”となって世の中に広まって芽を出すことを願っているという。

なぜ音楽ではなく、スニーカーを通してこのメッセージを届けたいと願っているのか、Air Force 1 “Para-noise”に対する特別な想いや制作秘話などについて、G-DRAGONに聞くことに成功した。

2019年10月に、1年8ヶ月という兵役を終え除隊したばかりのG-DRAGONさんですが、活動再開の最初の一歩として、本業の音楽ではなくNikeとのコラボレーションを選んだ特別な理由はありますが?そのきっかけを聞かせてください。

誰もそうだと思いますが、昔からNikeの大ファンでした。スニーカーをいつも欲しがるくらい。僕にとってヒーローであるスポーツ選手たちの足元にはいつもNikeが光っていました。そんな中で、Air Force 1は、僕にとって最もアイコニックなモデルです。幼い頃から、漠然と想像していました。もし僕がNikeのスニーカーを作る機会があるとしたら、必ずAir Force 1をモデルにしたいと(笑)。なので、今回の協業は、僕にとって本当に意味が深い出来事でした。そしてパートナーのNike側が、僕の考えを沢山理解してくれて、今は感謝する気持ちでいっぱいですね。欲張りなので、制作過程で僕のことがちょっとめんどくさかったかも知れないです(笑)。だけど、多くの方々に気に入って貰えて凄く嬉しいし、こうして面白く素晴らしい空間も作ってくださって本当にありがとうございます。

G-DRAGONが思う、Air Force 1を一言に表現したら?
ひとつ。ひとつという言葉は、複合的な意味を持ちつつも、どこかおぼろげな感じがする気がします。そして、個人的には家族、友達、ファンなどの僕の周り人々が、僕にはひとつの共同体として感じられることもあります。なのでAir Force 1に、これらの考えを落とし込んだのです。

“Para-noise”は、どのように誕生した単語ですか?
クォン・ジヨン、G-DRAGON、PEACEMINUSONEなど、僕を繋げるいくつかの要素から派生したのですが、“超越”と“ノイズ”を掛け合わせた言葉なんです。小さい頃から、音に沢山インスパイアされて来ました。時代を代表するあらゆる音が集まって新たなサウンドを作り出し、それがやがてその時代を反映し、文化に置いて大きな役割を果たすこともあります。現在は、僕が今話していることを、スマートフォーンを介してこの空間から離れている人はもちろんのこと、地球の反対側にいる人々もライブで聞くことができます。時代と空間を飛び越える音が集まり、新たなものを生み出す現象を定義したいと思いました。Air Force 1ともよく似合うとも思いましたね。

シューズの紐を逆に結んでいたことも話題となっていましたが、どうしてこのように結ぶことになったんですか
僕って、少し“あまのじゃく”みたいな気質があるんです。型にハマるような一般的な考えから逃げ出し、常に違ったものや変わったものを見せようとします。実は、それが僕には(アーティストとして)生きる原動力にもなっていて、絶え間なく“自分だけ”がもつ個性を探る過程で出てきたアイデアなのです。

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スウッシュの色が3つのバージョンからなる異なるモデルを発売していますが、全て同じ“Para-noise”モデルにも関わらず、プレミアムなデザイン要素が、それぞれ大きい差をつけるような気がしました。3つの中で一番好きなデザインはなんですか?

軍隊の時の話に逸れますが(笑)。本当に誰も連絡してくれなかったんです。ところが、今回のコラボシューズが公開されて以降、除隊してから凄い勢いで沢山の連絡を受けたんです。まず、スウッシュをイエローに施したのが、フレンズ&ファミリーエディションなんです。88足しか作っていなくて、誰にプレゼントするのか決めるにも凄く悩みました。デビューしてから一度もなかったことですが、両親から突然電話がきて、黄色のモデルをもらっていないんだけどと言われたんです(笑)。自分の分をあげると言っておきましたが、それほどこのシューズに関連して沢山連絡をいただいているので驚きました。あと、“Para Noise”は、継続してデザインが変わることが核心となるポイントです。そういった意味で、ホワイトのモデルが僕は最も気に入っています。日に日に変わる僕の気持ちや考えを(キャンバスのように)そこに様々な色を塗っていく自分を想像しました。

Air Force 1 “Para-noise”をどのように履いて欲しいですか?
ひたすら履きまくって欲しいです(笑)。惜しまずですね。スニーカーじゃないですか。そうすれば、自分に最も似合うスニーカーに変わってくのですから。

最後に今コラボを通じて、どのようなメッセージを届けたいですか?
Air Force 1 “Para-noise”には、Nikeのスローガンである“Just Do It”を韓国語に言い換えた“ただやってみろ”という文句が使用されています。偶然ながら、僕が生まれた年の1988年に、Nikeがこのスローガンを使い始めたんです。Nike製品を着用しているうちに無意識にそのスローガンに大きい影響を受けたと思います。どんな事であれ、ただやってみることで、人生を生きるにおいて大きい勉強になったような気がします。ですから、そのロゴのように、ただやってみなさい、というメッセージを伝えたいです。私もやったじゃないですか。誰もがやってみることは出来ますから。それが何であろうが。

そんなG-DRAGON x 〈Nike〉による Air Force 1 “Para-noise”の発売を記念するイベント現場は、知人やメディア陣を含め、抽選で選ばれた800人の参加者たちで盛り上がる中、G-DRAGONは、まるで自身のアトリエを設置したかのようなステージ上で、Air Force 1やバスケボールをキャンバスに、パフォーマンスを披露してくれた。舞台の上で仕上げられた彼の作品は、抽選で来場したファンたちにプレゼントされた模様。

さらにG-DRAGONは、Air Force 1 “Para-noise”のリリースを記念し、バスケットボールコートを寄贈。Air Force 1のルーツを振り返る意味を込めて作られたこのコートは、国内初のアートコートとなり、センターサークルには、アイコニックなデイジー、コートサイドにはシューズと同様のアートワークがあしらわれている。このコートは、イベントの開催地となった『オリンピック公園』に設置されているとのことなので、ソウルを訪れる予定のある方は、足を運んでみてはいかがだろうか。

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