Interviews:ASICS 代表取締役社長CEO 尾山基に聞く ASICS Tiger 復刻とブランドの強み

2015年1月23日(金)、日本を代表するスポーツメーカー〈ASICS(アシックス)〉が、1977年に3社が合併して株式会社ASICSとなった際にローンチした〈ASICS

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2015年1月23日(金)、日本を代表するスポーツメーカー〈ASICS(アシックス)〉が、1977年に3社が合併して株式会社ASICSとなった際にローンチした〈ASICS Tiger(アシックスタイガー)〉を復刻することを発表した。すでにヨーロッパでは〈Onitsuka Tiger〉が浸透し、アメリカでは“Gel シリーズ”の売り上げが好調な〈ASICS〉。今回、代表取締役社長CEO「尾山基」氏にブランド復刻への思いとグローバル展開の戦略、ブランドの強みなどを伺った。

プロフィール: 尾山基(おやま もとい)
1951年生まれ。1982年アシックス入社。取締役マーケティング統括部長、ヨーロッパ社長・会長などを経て株式会社アシックス2008年代表取締役社長に就任、2011年代表取締役社長CEO現職。


— 〈Onitsuka Tiger〉と〈ASICS〉と同じ位置付けで〈ASICS Tiger〉のブランドを今、復刻することにしたというその経緯を教えてください。なぜ、そのような決断に至ったのでしょうか?

まず、1949年にオニツカ株式会社を設立して、メインとして1949年から1977年の合併までは〈Onitsuka Tiger〉、その後1977年から〈ASICS Tiger〉が存在しました。その後、2002年にヨーロッパを主体としてスポーツファッションの位置付けで〈Onitsuka Tiger〉を復刻。パフォーマンスとしてはもちろん〈ASICS〉という主軸がありますから、そこで今回、スポーツライフスタイルとして〈ASICS Tiger〉をリブランドすることに至りました。当時から続いているシリーズをきちんとポジショニングしたり、カテゴリー分けをする必要があると感じていましたので、このような決断をしました。ただ、復刻といっても同じものを発売するのではなく、あくまでそれを現代的にリデザインしたものになります。新たなシリーズも展開していく予定です。

— USとEUにおける「ASICS」のパフォーマンスとカジュアルラインの将来に関してどのようにお考えですか? 戦略的な部分として何かあればそれも教えてください。

〈ASICS〉のパフォーマンスラインというのは先進的なもので、機能性に富んでいるものです。しかし、機能とデザインの融合ができなければならない。その当時、最先端だったものが時代が進むとまた回帰する……そういった流れを感じます。アメリカでも、“Gel シリーズ”のアーカイブを単品でアメリカ風にアレンジすることでウケた。つまり、その国に合った手法で展開することは重要なことですね。そして、ヨーロッパでは〈Onitsuka Tiger〉をさらにラグジュアリーの位置付けをしていきたいと思っています。

— アジアでの戦略はどのようになっていますでしょうか? また、アメリカとの売り上げの違いを教えてください。

韓国では400店以上のパートナーショップがあり、台湾、香港、中国に関してはひとくくりにしています。そのほかは、シンガポールを拠点にして進めていま す。すなわち、東アジアと南西アジアを分けて考えています。上海にオフィスがあるのですが、資本は香港から入れていますね。売り上げに関してですが、例えば、台湾では2014年から、ライフスタイルをランニングパフォーマンスが超えました。中国だと政府指導だったりもするのですが、アジアにて健康意識が高まったことで、ランニングやスポーツブームが盛んなことが要因だと思っています。

— ラグジュアリー界がスポーツブランドを真似るという現象も起きていますよね。そのくらい、スポーツブランドのイノベーションというものは優れているという証拠だと思いますが、どうでしょうか?

そうですね、ファッションブランド(特にイタリア)だと、素晴らしい工場を持っているので、そこに質のいいレザーなどの素材を使ってアレンジしているように思います。実際、私たちもイタリアでレザー工場を見に行ったりしましたよ。

— 〈ASICS〉として強化していきたいところは何でしょうか? パフォーマンスとカジュアルのどちらでしょうか?

まずは、パフォーマンスですね。パフォーマンスからライフスタイルに落とし込むという考え方です。そこから攻めないといけないですよね。つまり、両方あるからこそ成り立つというビジネスモデルです。ただ、現状だとどうしてもアスリートしか見れておらず、“その先”というものにきちんとフォーカスできていない。ですので、今後はそこに注力したいと思っています。

— 〈ASICS〉のブランドの強みは?

2000年から2005年くらいにヨーロッパでリサーチした際に、〈ASICS〉という会社がアメリカ発と答えた人が半分、そして日本と答えた人が10パーセントほどしかいませんでした。つまり、ヨーロッパのほとんどの人はアメリカのブランド、ひょっとしたらアメリカ人もアメリカのブランドと思っている可能性があります。それが〈ASICS〉にとってもネガティブなイメージだとは全く思っていません。むしろ、ポジティブに考えています。グローバルでも、特に“ジャパンブランド”を強化して販売していません。変な固定観念がないというのも、ブランドとしての強みだと思います。

 

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