米NFTプロジェクトの運営者が1億円以上を持ち逃げして詐欺罪で起訴される
“ラグプル”の被害は2021年で過去最高の約2兆円を記録
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アメリカ・ロサンゼルス拠点のNFTプロジェクト “Fronties”の運営者である20歳のクリエイター2人が、米国司法省から詐欺罪で起訴された。
アイコニックなアイスクリームのキャラクターのデジタルアートを展開していたNFTプロジェクト “Fronties”は、これまでに2000人以上が購入し、100万ドル(約1億2,300万円)相当のイーサリアムを集めていた。しかし、突如としてサーバーが『Twitter』プロフィールと共に消去されたことで3月24日(現地時間)、米国司法省から詐欺罪で起訴された。今回の行為は、合法的に見えるNFTプロジェクトを立ち上げて、投資家らの資金を持ち逃げする“ラグプル”という手口であるが、ブロックチェーン分析会社「Chainalysis」によると、2021年の不正なアドレスが受け取った金額は過去最高の140億ドル(約1兆7,300億円)におよび、2020年の78億ドル(約9,630億円)から約2倍となるという。
特別捜査官のThomas Fattorusso(トーマス・ファトルッソ)は「NFTは金融投資の新時代を表していますが、同じルールがNFTまたは不動産開発への投資にも適用されます」と声明で述べており、「ビジネスチャンスのために資金を募ったり、そのビジネスを放棄したり、投資家から提供されたお金を放棄したりすることはできません。私たちの所属するIRS-CI(米国内国歳入庁犯罪捜査部門)のチームとHSI(国土安全保障省)のパートナーは、このような疑わしい計画を明らかにするため、暗号通貨取引を綿密に追跡しています」と付け加えている。
なお、“Fronties”のクリエイターは、起訴される前に2度目のプロジェクトとなる“Embers”を立ち上げる準備をしていたと伝えられており、このプロジェクトもラグプルであった場合、150万ドルもの暗号通貨を集めると予測されていたとのこと。