
ストリートウェアブランドの象徴として、ファッション業界で確固たる地位を確立したニューヨークシティ発の〈Supreme(シュプリーム)〉。そのゲリラ的なアイテムリリースで人々を虜にする〈Supreme〉だが、それは人々がブランドに対して抱くイメージと同様に、反抗的で反逆的なスタンスを固めるための戦略とも言える。今も昔も、〈Supreme〉がリリースするコレクションは一般的なアパレルブランドのそれとは異なり、スポーツのビッグイベントに近いものがある。コラボレーション、シーズンコレクション問わず、リリース日にはショップ前に長蛇の列ができ、人々は入手困難と言われるアイテムを手にするための努力を惜しまない。そのためには、常日頃からアンテナを張り巡らせなければいけないのは言うまでもないだろう。そこで、本稿ではブランドの中でも特に“入手困難”なアイテムを特集することにした。一般販売されなかったものや法的な問題により自粛されたものなど、是非以下からSSS級の希少価値を持つアイテムと実在さえ怪しい幻の逸品をご覧いただきたい。
1. ブラック/ブラックのボックスロゴTシャツ

2003年にオリジナルがリリースされ、2007年に再販、その後フレンズ&ファミリー限定でドロップされたブラック/ブラックのボックスロゴTシャツ。幸運にも入手できた人がネットオークションに出品しているのを見かけた人もいることだろう。このTシャツを着ていれば、いかに自分が〈Supreme〉通なのかをアピールするのも簡単である。そして、ショップスタッフが特別にディスプレイ用を売ってくれたと自慢できるはずだ。
2. ネイト・ロウマンのスケートデッキ

2007年にリリースされた〈Supreme〉x Nate Lowman(ネイト・ロウマン)のスケートデッキコレクション。その中でも、弾痕をモチーフにしたこちらは一部関係者のためだけに制作されたもの。もしかしたら、ニューヨーク・マディソンアベニューにある『Gagosian Gallery』の壁や『eBay』に70万円超えで出品されているのを見たことがあるのでは?
3. ミッツィ・ゲーナーのイラストTシャツ

アメリカの女優/歌手/ダンサーであるMitzi Gaynor(ミッツィ・ゲーナー)からインスピレーションを得たとされるサンプルTシャツ。一般販売されていない幻のアイテムだけに、果たして地球上で何人が持っているのか……。
4. Alpinestars専用レーシングジャケット

このジャケットをストーンウォッシュジーンズと合わせ、バイクにまたがりウィリーしている姿が思い浮かぶだろう。〈Alpinestars(アルパインスターズ)〉クルーとファミリーのためだけに作られたこちらのジャケットは、スケートボードシーンの重鎮〈Vans(ヴァンス)〉をはじめ、ストリートウェアから〈Stüssy(ステューシー)〉〈Undefeated(アンディフィーテッド)〉、そして〈Supreme〉がタッグを組んだ“ドリームチーム”なアイテム。制作されたのはたったの11着。おそらくネットオークションなどでもお目にかかれない逸品である。
5. “Rogue State” Tシャツ

こちらの“Rogue State”Tシャツもフレンズ&ファミリー限定のエクスクルーシブだが、他と比べて入手できる可能性が高いアイテムかもしれない。しばらくの間はクローゼットに保管しておき、いざという時におろして、いかに自分がベテランなのかを〈Supreme〉初心者に見せつけられるはずだ。
6. Nike SB Dunk Low Pro (2003)

一説によると、2003年の〈Supreme〉x〈Nike SB(ナイキ SB)〉コラボレーションは、当初ローカットを予定していたそうだ。1985年にカレッジバスケットボールのチームカラーをフィーチャーした、“Be True To Your School”キャンペーンを彷彿とさせる3カラーでのリリースだったとか。お馴染みのハイカットではなく、こちらのローカットではゴールドの〈Nike(ナイキ)〉ロゴを採用。最終的にこのデザインは却下され、結果として〈Nike〉ロゴを星に差し替えたハイカットがリリースされたのだ。
7. Rizzoli ボックスロゴTシャツ

2010年、ブランド設立から16周年の歴史を振り返るべく、〈Supreme〉はモノグラフをリリース。その際、一部の友人や関係者のためだけに作られたホワイトのボックスロゴTシャツには、モノグラフのカバーショットがバックプリントに採用されている。
8. ボックスロゴタンクトップ

きっと喉から手が出るほど欲しいはず。‘Preme(※Supremeを意味するスラング)のボックスロゴTシャツはお馴染みだが、ボックスロゴのタンクトップはどうだろうか? これさえあれば、もう他に必要なものはないはず。〈Supreme〉x〈Hanes(ヘインズ)〉のTシャツは一旦忘れて、ちょっと想像してみよう。ボックスロゴのタンクトップの上にボックスロゴのTシャツ、さらにボックスロゴのフーディ……。これぞ完全究極体Supremer。完璧とはこのことだ。
9. ハーモニー・コリン “Kill Whitey” デッキ

おそらく、数え切れないほどのヘイトを避けるためにリリースを見送ったであろうこちらのスケートデッキ。結局、Harmony Korine(ハーモニー・コリン)とのコラボレーションデッキがリリースされることはなかったが、これを不快と思う人たちは、きっと1997年に封切りされたKorineの映画、『Gummo(ガンモ)』を見たことがないのだろう。
10. シカゴ・ブラックホークスのホッケージャージ

2000年代後半、もしリリースされていたらビッグヒットとなっていたであろうアイテム。法的な理由からお蔵入りとなったこちらは、予想通りではあるがNHLが認めなかったとのこと。1,000ドルでホッケージャージを手に入れ、自分のことをAlex Trebek(アレックス・トレベック)だと思い込んでいるリアルなアイスホッケーフリークたちと、近所のパブでぎこちない会話を繰り広げることも夢となってしまった。
Designer
Nirvana Garreffa/HypebeastIllustrator
Drew Pulig/Hypebeast