A Lifetime of Style: 小木"Poggy"基史

ファッションアイコンと称される小木氏が見つめる今と未来

ファッション
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日本のメンズファッションシーンを語る上で欠くことのできない人物として、世界からも注目される「小木”Poggy”基史」氏。『UNITED ARROWS & SONS』のディレクターである彼は、ラスベガスを拠点に開催されるファッショントレードショウ「Liberty Fairs」でのキュレーションやファッションアイコンとしての露出、ファッションショウでのフロントロウの常連といった多角的で華やかな活動までこなしている。〈UNITED ARROWS〉の持つクラシックな装いと、自身に馴染み深いストリートファッションスタイルの遊びを絶妙に織り交ぜた彼のスタイルは、もはやファッションの常識となるほどの影響力と存在感を放っているが、慎ましい人あたりの彼が送るプライベートには、父として、そして服と音楽が大好きなかつての少年としての時間が流れているようだ。

北海道札幌市出身の小木氏は、友人の勧めで上京後〈UNITED ARROWS〉に入社。以来現場経験を経てPR、『Liquor, woman& tears』をディレクションしたのち『UNITED ARROWS & SONS』を立ち上げた。

クラシックなスタイルとカジュアルアイテムをミックスしたハイ&ローのファッションの草分け的存在として知られる小木氏は、現在の自身のスタイルを“street meets suit”と表現するが、同時にそれが定番となり、“誰しもがやっているスタイル”と話す。「そんな状況の中で、自分が追求できることというのは、 〈UNITED ARROWS〉の持っている良質な仕立てや生産背景、ノウハウを、クラシックの部分でしっかり魅せるということ。そして、〈nonnative〉や〈5525gallery〉、〈Art Comes First〉などといったクリエイティブマインドと面白い試みをしていく事かなと思います」と語った。そして今後の自身のスタイルについては、「基本的には変わらないと思いますが、だんだん色々なものがそぎ落とされていくのかもしれないですね。ピッティ(ウオモ)で目にするしっくりと馴染んだスーツの着こなしをする年配の方にも憧れますし、『Larry Clark』氏が来日時に杖をつきながら〈Supreme〉のTシャツを着て登場した時の衝撃的なかっこよさも忘れられません」と話した。

こちらも業界周知の事実だが、小木氏のオールドスクールヒップホップへの愛は一貫している。「Eric B. & Rakim」 や、後述する『SONS MAGAZINE』でも「Afrika Bambaataa」のインタビュー記事を載せるほど、オールドスクールヒップホップは彼の感性に大きく影響を与えている音楽だ。また、幼少期に「キャプテン翼」、「北斗の拳」といった漫画に没頭し、本屋に足しげく通ったた小木少年は、大人になった今、コミック、アートといった文化をファッションのフィールドにつなげる術さえ手にしている。コラボレーションレーベル〈NIGOLD® by UNITED ARROWS〉で製作したのは、「山下達郎」氏のアルバムビジュアルなどを担当した80年代を代表するイラストレーター「鈴木英人」氏とのコラボレーション(写真中小木氏着用)。「NIGO®」氏と仕掛ける遊び心あるビッグネームとのコラボレーションは、来シーズンにも期待が高まっている。

今後の日本のファッションをどう見据えているかという質問に、「少子高齢化の日本では、北米やヨーロッパの影響を受け続けると思う」と話す小木氏。「ファッションやトレンドとは若い世代が生み出し、そして支えていくもの。その点、若者の人口が減っている日本は、欧米のユースマインドからの影響を受けていくのではないかと思います」と考察し、同時に “震災以降日本人の感覚に変化を感じる” と語る。「突発的なトレンドももちろんありますが、人生や環境をサステイナブルやエシカルといった言葉とともに考え始め、日本人が長い目で物ごとを見るようになったと感じています。それはヨーロッパの、“コレをすることが自分の人生を振り返った時にカッコイイものなのか”という判断基準と似ていると思うんです」と述べた。

そんな小木氏の最新クリエイションが『SONS MAGAZINE』である。オンラインでも閲覧できるこちらは『UNITED ARROWS & SONS』、そして小木氏の持つ世界観をヴィジュアライズしたもの。著名デザイナーやスタイリスト、アーティストへのインタビュー、“Poggy’s Favorite Things”シリーズ、“企業戦隊ポギーザマン” などの撮り下ろしビジュアル、そして「藤原ヒロシ」氏へのお悩み相談など、見応え、読みごたえのある仕上がりは必見。小木氏の頭の中が垣間見える『SONS MAGAZINE』、まだ見ていない方はこちらからその世界感に触れてみては?

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