Red Bull Curates Protege/HYPEBEAST Presents Pen & Paper: Karolina Wojcik

「Karolina

ファッション
445 Hypes

「Karolina Wojcik(カロリナ・ウォジェシック)」はいわゆる「真っ当な仕事」をし、そのサイドワークとしてアートをするということをある期間していた。そこから思い切り、現在では見事フルタイムに彼女の情熱をアート一本にかけられるようになった。スウェーデンの多くのアーティストのように、生粋のマルメっ子として、カロリナは手始めに小さいところからスタートして勢いを増し、キャンバスを次第に大きくしていった。現在では壁画サイズのペインティングに携わるまでに成長し、多くのコミッションを得るようにまでなっている。お気に入りのボールド体のタイポグラフィやくっきりしたライン、ごく普通の紙とアクリル絵の具というオールドスクールなペインティングツールなど、そのアーティスティックな人生やスタイルといった上で、彼女は仲間のスウェーデン人イラストレーター、「Hampus Ericstam(ハンプス・エリクスタム)」と兄から強い影響を受けているという。若手のストリートアーティストとの対話を通してその活動を応援する「Red Bull Curates Protege(レッドブル・キュレーツ・プロテジェ)」スペシャルツアーのスウェーデンパートとして取り組んでいる彼女から、その活動とストーリーを聞いた。


どうやって活動を始めたの?

物心付いた頃からドローイングをしていて、アーティスティックに活動をすることはもう、ごく自然なことと言えるの。「9時-5時」の仕事をしながら、傍らでフリーランスの趣味レベルでアーティスティックな活動をするということを何度となく試していて、数年前に芸術のグラフィックスを学んだの(というのも、その頃スクリーン・プリンティングに夢中だったからなんだけど)。そうやってやっとアートをプロフェッショナルとして本当に追求するべきだって気づいたの。ミューラルやウォールペインティングといった仕事をもっともっと見つけて、そのコミッションで食べていかなきゃって。最初はペインティングにはそれほどのめり込んではいなかったわ。正直、自分の作品があんまりひどすぎて不安だったくらいなの。でもA. わたしはいいチャレンジを愛する、B. もっとコミッションを稼げれば、もっと作品を成長させることができる、と。それで今は大規模なスケールで考えたらどれだけより良い作品となるか、これまでとは違う作品となるかってことばっかり考えている。2008年から2011年にかけて「Secret Wars」(現「Secret Walls」、2006年にイーストロンドンの小さなバーで始まったライブアートバトル)にも何回も参加したことが、おそらく重要なところで、そしておもしろいところなんだけれれど、それまで私がやっていたイラストレーションよりも、もっとウォールペインティングの仕事をやりたいと決心した理由よ。

アートを追求する上でインパクトを与えた人物は?

ティーンになった頃からグラフィティやスケートボードをしていた兄の影響が、自分たちで自覚している以上に多分大きいと思う。そのくらいの年頃のときは、兄がやっていたことは何でも自分でもした。彼は今コンピュータープログラミングのエンジニアだけど、今でもそういったことからは離れていないようよ。

本当のところそれがどうしてかって自分でも確かじゃないんだけれど、スウェーデン人イラストレーターの「Hampus Ericstam(ハンパス・エリクスタム)」は非常に大きなインパクトをわたしに与えている。15年くらい前に初めて彼の作品を見たのを覚えているわ。瞬間的に会場を沸かせて、「これこそがまさにわたしがやりたいことだ。彼ができるなら、わたしにもできるはず…」と思ったの。それで基本的にすぐにポートフォリオをスケッチし始めたの。 ある点では、いつだって彼の作品に、初心に立ち戻ってしまうようね。彼は際立って大胆に、遊び心いっぱいに描くけど、それは明らかにわたしが得意とするアーバンなサブカルチャーのスタイルからの影響が見て取れるの。時にわたしは個人的に彼を知っているふりをして、大きな広告看板とかそういったものを目にするともう大興奮しちゃうの…。

何年か前、コペンハーゲンの小さな、気鋭のギャラリーでモデルの仕事をしていて。それは「Banksy(バンクシー)だった。自分はステンシルは使わないけれど(もちろん家に帰ってすぐ試してみたわ)、その2003年のエキシビジョンはかなり自分にとって大きい体験となったと思う。こういう文脈でのステンシルというのは、だからまったく新しかったの。 少なくとも、わたしにとってはね… 彼のピースはそのギャラリーで当時475デンマーク・クローネ、つまり、だいたい50ユーロだった。

それから親友でフォトグラファーのJan Dahlqvist(ジャン・ダールクヴィスト)はティーンの頃からずっと、人生一般のちょっとしたメンターでいてくれているわ。わたしたちには同じ芸術表現やスタイル(彼はフォトグラファーで)があるわけではないけれど、クリエイティブに活動するということにおいては似通ったアプローチをお互いに持っていると思っている。彼はいつでもわたしの作品に対してとても前向きに、建設的に対してくれているの。

一番古い大親友のハンナは、才能あるタトゥーアーティストで今はアメリカで活動している。彼女の芸術的な家族は、これまでずっとわたしやわたしの活動にとても重要であり続けてきたの。 時々、私は自分自身の両親より彼女の両親と一緒に過ごしたり、出かけたりしていたの。父や母には悪いけれど。ハンナの両親はわたしたちをよく展覧会に連れて行ってくれて、他の大人たちを紹介してくれたり、その頃わたしたち3人がハマっていたイギリスのコミック『The Tank Girl』よりもずっとすその広いアートシーンを見せてくれた。 こういった時間が私の中で大きく占めているのは間違いないわ。

 

“ 「9時-5時」の仕事をしながら、傍らでフリーランスの趣味レベルでアーティスティックな活動をするということを何度となく試していて、数年前に芸術のグラフィックスを学んだの(というのも、その頃スクリーン・プリンティングに夢中だったからなんだけど)。そうやってやっとアートをプロフェッショナルとして本当に追求するべきだって気づいたの。”

Karolina Wojcikがどのようにアートを追求することに至ったか


マルメのアートシーンについてはどんな感じなの?カロリナが関わるようになってどう変わって行った?

ここマルメにはとても強力なグラフィティシーンがあって、アートの形式としてグラフィティを否定するのではなくて、街がますますよく理解するようになっている。その結果、パブリックウォールがグラフィティのために法的に保存されているのよ。スウェーデンで最初のグラフィティアーティストの一人で、ストリートアートの先駆けであるラスキグは、ここに自分の学校があって、多くの若い子たちにグラフィティやアートを磨く機会を与えてる。一般的にマルメという街はサブカルチャーも含めた広い意味で文化のある生活を広く伝え、育てることの重要さを正当に評価してくれる本当にいい街だと言えるわ。

自分のスタイルのためにここのアートシーンから疎外されたと一度だって感じたことがないし、もっと「商業的」な表現をしろとか、方法を取れとかいった強制をされたことも全くこれまでないわ。若干ポジティブではないことを言えば、一般的に言って、街と国のこの必然的な規模によって、マーケットが限定されていることね(スウェーデンは「小さい」国だから)。 けれど、北ヨーロッパの小さな、かなり知られていない街であることで、アートへのリベラルなアプローチがむしろ際立っているとも言える。

自身のスタイルや活動をどううまく説明する?新しいピースや仕事を始めるとき、大抵どんなことが頭にあるの?

レタリングとタイポグラフィのことばかり考えていて、とっても熱狂していてはっきりと判断できないでいるの。だからほぼ毎回何かをスタートするときは、文字や言葉をドローイングすることから始めている。たまに、それが何かになればいいな、と思いながら、わたしはただ一語書いて、その周りにイラストみたいなものを描いたりしているの。背景のシェイプのように、装飾的に作業する中でもタイポグラフィを使うのが好き。想像してみて。缶とスプレーペイントに対するわたしの無条件の愛とを結びつけるグラフィティからの一生もののインスピレーションにわたしは感謝する。

サブカルチャーとそれに付随するすべてのものから、わたしはずっと強くインスパイアされてきたの。子どもとして非の打ち所のない描き方を学んで、あまりに熱心に学んで、どこにでも、あらゆる場所に貼付けた最初のロゴは、アメリカのスケートボードブランド、Rat Bones(ラット・ボーンズ)だったの。まだ自分ではスケートボードグラフィックスは充分にはできないけれど、カリフォルニアの(ライフ)スタイル一般に子どもじみたようにのぼせているの。

だから自分のスタイルは、基本的にある部分でのグラフィティの複合体と、クリーン、ボールド体のライン、タイポグラフィ、ユーモア、カラーと展色剤の対照といったミックスの実例ね。それが自分のスタイルのポイントであり、美しさでもあるの。お気に入りの要素からいい所取りをして、自分自身のスタイルにしてしまうっていうね。

  

“ レタリングとタイポグラフィのことばかり考えていて、とっても熱狂していてはっきりと判断できないでいるの。だからほぼ毎回何かをスタートするときは、文字や言葉をドローイングすることから始めている。たまに、それが何かになればいいな、と思いながら、わたしはただ一語書いて、その周りにイラストみたいなものを描いたりしているの。背景のシェイプのように、装飾的に作業する中でもタイポグラフィを使うのが好き。”

Karolina Wojcikの語る自身の活動のスタイル


アート以外にはどんなことに関心があるの?

わたしはDJでもあるの(スウェーデンのラジオ番組「DJ Show」に出ているの)。だから音楽、音楽、もっと音楽を。古いドラムとビートマニアで、わたしはブームバップ、ファンキーなヒップホップファンなの。もう本当に常套句に聞こえてしまうけれど、ヒップホップと都市のアートは本当に切っても切れないの(他のいかなるジャンルのものがそうできないと言っているわけではないのよ。そこははっきりさせておくけれど。ただ、都市のサブカルチャーとヒップホップについてってこと)。 この2つは本当に相互によく作用する。音楽がアートの方にインスピレーションを与えて、アートが音楽へというふうに。 仲間のDJやプロデューサーたちの中には、わたしにとって、とても莫大なインスピレーションの源となっている人がいる。超才能のある友だちで、一般的に言ってもとてもすばらしい人であるDJ Devastate (ディージェイデヴェステート)みたいなね。パンクアルバムについてのDIY精神や表現もわたしは本当に大好きなの。

そしてもっとクリシェなポイントを稼いじゃうと、わたしはバスケットボールをやっていたことがあるの (最初に始めたときどんな音楽だったかほとんど知らなかったけれど…わたしはポイントガードだったのよ、念のため言うとね。今でも良いゲームを観るのもプレイするのも大好きよ)。

作業するのにお気に入りのメディアは?

ごく普通の紙。やきもきすることがないわ。かなり正直に言うと、安いものほど、いい。しばらく、わたしは古新聞にプリントしたり、ペイントしたりしていたの。例えば、それをキャンバスに糊付けしたりしてね。それから古い、使い古したスケートボードデッキやコットンのキャンバス、できればより大きいフォーマットやサイズでね。そしてウォールはかなり頻繁に。これはとても有り難いわ。

お気に入りの道具は?

アクリル、スプレーペイント、マーカー、鉛筆、それから最近は水彩。Illustratorをまったくもって理解できそうにないの。Photoshopはイラストやドローイングの仕上げにいつでも手軽に使えるんだけれどね。

今後の予定は?

ええ、来週のラジオ番組の新しいミックスや新しいいくつかのペインティングの他は、今やっていることを大いにある程度まで続けていきたいと思っているの。つまり、もっと旅をして、もっと素晴らしい人たちにもっと会って、もっと面白い仕事に、デスクでできるもっと面白いプロジェクトに出会いたいわ。スウェーデンは寒いでしょ。だからもうちょっと温暖な気候で活動できることがあったらなって思うのね…


 

“ アクリル、スプレーペイント、マーカー、鉛筆、それから最近は水彩。Photoshopをいつでも手軽にイラストやドローイングの仕上げに使っているの。”

Karolina Wojcikのお気に入りの作業道具

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