HYPEBEAST Road Trips Amsterdam: セレクトショップ 290 square meters オーナーへインタビュー

ファッションはいつも「Ido de

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ファッションはいつも「Ido de Voos(イドゥ・ド・ヴーズ)」の遺伝子の中にある、あるいはジーンズの中にあると言う人もいる。彼は子ども時代、父親のベルギー工場訪問に同行し、デニムの生産ラインを見ながら過ごした。年を重ね青年期にはオランダでは手に入らない、ユニークで魅力あるアイテムを見つけることに費やした。バックパックから、丹念につくり込まれたジャケットなど様々なプロダクトを求め異国の地へ足を延ばした。買い付けが終わればまた新たな商材を求め次なる旅路へ着く。情熱と好奇心による絶え間ない執念がIdoを〈290 square meters(290スクエア・メーターズ)〉のオーナーとしての現在の職業にいたらしめているのは言うまでもない。

しかし、Idoの道のりは決して平坦ではなかった。高校卒業後、不動産業のコースを取り、銀行で数年、住宅ローンを担当していた。天職だと思えるものに着手したのは2001年以降のことだ。

良き友人と前のパートナー「Bas Rotgans(バス・ロットガンズ)」の支援で、アムステルダムの人工島KNSM島にIdoはショップの広さから名付けた〈90 square meters(90スクエアメーターズ)〉をオープンさせた。オランダのマーケットの特性から見て、障害やチャレンジは潜在的に大きかったが、Idoは撤退せずにいる。

オランダでは正常な状態についてのアイデアがかなり若い段階で精神に刷り込まされる。スタイルの心地よさについてのし好はコンサバだ。変化へのアイデアも必ずしも歓迎されないが、意見は自由にもたらされる。こういった2つの側面がオランダを世界で最も難しい消費者のマーケットの一つにさせていて、主要なグローバルブランドが参入するにあたっての重要な試験場となっている。「ここでできたら、どこででもできる」というアイデアで、彼らは新しい事業を始めるのだ。IdoとBasはすべての資金調達をして、3日は銀行で残りを島で働くというスタイルを一年半続けた後、Idoはようやくフルタイムで自分のショップに集中できるようになったのだ。

そこは集まる人たちが互いにインスパイアし、新たな情報をシェアできる場所として、すぐさまクリエイティブの拠点となった。Idoが集めて大切にしていたアイテムや何年も知ってこよなく愛したブランドだけではなく、友人たちに自分たちの製品をショウケースする拠点となった。それぞれにまつわるストーリーやクラフトマンシップ、引き継がれているものなどを味わい、愛おしむことができる。アートショウを見て、新たな何かを学ぶこともできる。ここでIdoはそうなるように生まれついていたストーリーテラーになることができたのだ。

オープンしてまもなく、90 sqmはすぐに〈Nike〉のようなビッグブランドの注目を引きつけるようになった。オープン一年で彼のショップは最初で唯一の〈NIKEiD〉の取り扱い店舗となった。それからも〈Arc’teryx〉、〈Levi’s〉、〈Freitag〉のようなビッグブランドが90 sqmからのオファーが絶え間なく続いた。

90 square metersのオープニング以来、290 square meters (2008年から)、Idoの労働倫理と鋭い目はグローバルなリテイルマーケットでパワフルな力となった。Nike Tier Zeroと密接に仕事し、Arc’teryxとは5年間人目にも触れずにあった「Veilance」ラインの開発、マーケティングと販売計画を支援し、実際非常に扱いにくいマーケットプレイスについて案内を必要とする他の多くのブランドのコンサルタントも行なった。

290 sqmは小売店の空間を機会があればすぐに多芸多才にアートギャラリーやイベントスペース、カルチャーフォーラムの場に変容させたりだけでなく、単にそれらを追いかけるだけではなく、トレンドをつくり出すというアプローチによって国際的に認知されている。Idoのセンス、彼を駆り立てるインスピレーション、そしてマーケットプレイスで多くのものが彼を見かけない人にはさせない理解力や洞察力というのは、つまり、個人的し好というよりもむしろ何が売れるかということにつき動かされている。でもそれがIdoで彼はシンプルに自分に合うことをし、シンプルだけどユニークで、ベーシックだけどかなりディテールにこだわった環境づくりがうまくいっている。スタイルが「存在しないもの」と考えられている国で、Idoは全く新しい世界を切り拓いたのだ。

成功の10年を過ぎて、Idoはついに「Chris Souren(クリス・ソウレン)」とパートナーを組んで、グローバルなマニアに応えようとオンラインストアをオープンさせた。 オンラインストアを始めるまでになぜIdoはそれほど時間をかけたのかを聞いてみた。「僕は顧客とのパーソナルな関係を信じているんだ。行ってみたいショップをつくりたいでしょ…」と彼は語る。そんな彼の店はアムステルダムを含め現在世界に3店舗。イスタンブールの290 sqmは去年、そしてチューリッヒの90 sqmはこの9月にオープンしたばかりだ。

HYPEBEAST Road Trips」第3回目は、カルチャーのコネクターであり、クリエイターであるToonファンのSimon Wainwright(シモン・ウェインライト)、That Food Cray !!!(ダット・フード・クレイ) のNicole Fung(ニコール・ファン)、ライターのJoy Yoon (The Best Things to Do in Los Angeles: 1001 Ideas の著者、ジョイ・ユーン)とともに僕らの旅をお届けする。アムステルダムの知られている部分も含めて、まだ知られていない新たなアドベンチャーとして歩き、街のカルチャーをディープにのぞいている。創意に富んだ新しきものとともに牧歌的な古きを保存し、今に活かしている街、アムステルダム。今回サポートいただいたWarsteiner(ヴァルシュタイナー)、Onitsuka Tiger(オニツカタイガー)、Dylan Hotel(ディランホテル)に深く御礼申し上げます。

HYPEBEAST Road Tripsではその土地のフード、ファッション、デザインなど様々なジャンルのトレンドをレポート。引き続きアムステルダムシリーズをお楽しみに。

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