Nike は Kevin Durant にオクラホマシティ・サンダーを離れて欲しい?

7月にフリーエージェントとなるKDと10年契約をしている〈Nike〉の思惑

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2014年は〈Nike Basketball〉にとってビックイヤーだった。「Kevin Durant(ケビン・デュラント)」はMVPのトロフィーを手にし、感動的なスピーチで多くのファンを魅了した。そして「LeBron James(レブロン・ジェームズ)」は古巣のクリーブランドにカムバックすると宣言。人気と話題性のおかげで〈Nike〉のDurantとLeBronのシグネチャーモデルはこの年、地球上のどのスニーカーよりも売り上げを伸ばした。

2014年の『Forbes』のレポートでは、大活躍したDurantのシグネチャーモデルの売り上げは3500万ドルから1億7500万ドルと、アメリカ国内だけでも4倍になり、LeBronの売り上げ3億ドルを追いかける形となった。Durantが成績、人気共に誰もが認めるNBAのスーパースターとなった結果、〈Nike〉との契約満了を前に〈Under Armour〉から多額のオファーをされる形となり、〈Nike〉はその金額を上回る3億ドルとも言われる契約金を投じ、KDと10年契約を結ぶ形となった。

そして続く2014-15年シーズン、K-Dogの勢いに乗った活躍を誰もが期待していたが、不運にもキャンプ中に骨折。開幕後しばらくの欠場を余儀なくされ、出場回数はわずか27ゲームとなってしまった。その間所属する「オクラホマシティ・サンダー」では「Russell Westbrook(ラッセル・ウェストブルック)」が脚光を浴び、皮肉にも「ゴールデンステート・ウォリアーズ」のスター選手「Stephen Curry」が〈Under Armour〉と契約したシグネチャーモデルは飛ぶように売れていった。もちろんLeBronはLeBronで在り続け、彼のシグネチャーモデルの売り上げをキープしていた中、KDの活躍は〈Nike〉の期待に沿うものではなかった。

更に2015-16年シーズンでも、Curryの大活躍及び「ゴールデンステート・ウォリアーズ」の73勝というNBA新記録、そして「Kobe Bryant」のフェアウェルシーズンとなったゲームがスポットライトを浴びたこともあり、Durantの復活が話題にされることは極めて少なかった。そして当然の如くKDスニーカーの売り上げも彼の注目度に比例。Curryの〈UA〉シグネチャーモデルが3月の時点でアメリカ国内で1億6000万ドルを売り上げたのに対し、Durantの〈Nike〉シューズは8200万ドルの売り上げ。この不調を痛感したのは他でもなく〈Nike〉だった。

故に今後の〈Nike〉のマーケティング打開策が注目されるところだが、スポーツコラムニストであり『The Ringer』のファウンダー「Bill Simmons」は自身の記事“The KD Conundrum”で、〈Nike〉がKDをサンダーから引き離したがるだろうと述べている。「最近のNBAスニーカーストーリーを追っても、Durantの名前はそうそう出てこない。それはRoc Nationの彼の担当も〈Nike〉も知っている。彼らがDurantにその事を伝えていないはずがない。彼らはDurantに素晴らしい選手のうちの一人になって欲しいんじゃない。最も素晴らしい選手でいて欲しいんだ。」と語るSimmonsは、Durantの危機をLeBronの2014年のホームカミングに結び付けて話す。2014年に「マイアミ・ヒート」から「クリーブランド・キャバリアーズ」に戻ってきたLeBronは、その年〈Nike〉から莫大な額のマーケンティング予算を投じられた。これと同様に、Durantもチームを移籍すれば本人にも彼のスニーカーにも瞬く間に話題性が生まれるだろう。「多くの人が注目するフレッシュスタートと呼ぶにふさわしいタイミングが、一番の売り時なんだ。」とSimonは言う。

Durantのおかげでサンダーが優勝しない限り、彼のスニーカーは〈Under Armour〉の売り上げを上回る事はないとされている。サンダーにいる限り、我々が目にするのはこれまでと同じDurant、これまでと同じスニーカーだ。しかし、もし彼がイースタン カンファレンスのマイアミやボストン、ワシントン、またはKobeの去ったロサンゼルスに移籍したら、瞬時にバスケットボール界全体からの注目を集めるに違いない。もちろん〈Nike〉が表立ってDurantの移籍を後押ししてはいないが、彼の耳元でささやいているのは容易に想像ができるだろう。

〈Nike〉の願いどおり移籍を決めるのか、それともそのままOKCに留まりWestbrookと共に走り続けるのか? 7月1日にフリーエージェントとなるDurantの発表が注目される。

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