Google の歌詞不正流用問題で Genius が敗訴
歌詞データに忍ばせていた“暗号”が証拠になるかと思いきや……

2019年末「Google(グーグル)」とそのパートナーであるが「LyricFind」が歌詞を不正に流用したとして、歌詞サイトの「Genius(ジーニアス)」に5,000万ドル(約53億円)の損害賠償を求める訴訟を起こされていたが、「Genius」側が敗訴したことが分かった。2009年に設立された「Genius」は、いわば歌詞の集積サイトのようなもので、ユーザーがリリックやその解説を加えられるコミュニティ型のプラットフォームである。
「Google」で著名曲の歌詞検索をしたことがある方は思い当たるだろうが、「Post Malone Rockstar lyrics」などと検索すると結果ページに直に歌詞が表示される仕組みになっている。この際、出典先として「LyricFind」が表示されているのだが、「Genius」は「LyricFind」が歌詞を不正に流用し「Google」はそれを知りながら検索結果に使用しているのではないかと主張。これを暴くため、歌詞データにこっそりとアポストロフィーからなる独自のモールス信号“red handed(現行犯)”を“透かし”のように忍ばせていたのだが、このモールス信号が「Google」の検索結果ページで表示されていたことから流用が決定的となり、「Genius」は提訴に踏み切った。
しかし8月10日(現地時間)、ニューヨーク州東部連邦裁判所は「歌詞の著作権所有者のみが二次的著作物を認可する排他的な権利を持っている」と、歌詞の著作権を保有するのは作詞者であり「Genius」に訴える権利はないと棄却した。裁判所の判決は正しいかもしれないが、「Genius」のデータを流用するのを認めるのはいかがなものか……。両者の今後の動きに注目したい。
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