Prada と Axiom Space が次世代宇宙服のベースレイヤーとなる液体冷却換気服を発表
宇宙服の快適性と安全性を支える中核部分の開発にフォーカス
〈Prada(プラダ)〉とアメリカの民間宇宙インフラ開発企業「Axiom Space(アクシオム・スペース)」が、「NASA(アメリカ航空宇宙局)」による有人月面探査計画 Artemis IVで使用される次世代宇宙服 AxEMU(Axiom Extravehicular Mobility Unit)の新たな構成要素となる液体冷却換気服(LCVG)を発表した。
LCVGは宇宙服の最も内側に着用されるレイヤーであり、宇宙飛行士の身体に直接触れる重要なシステムだ。2024年に公開されたAxEMUの外装レイヤーに続く両者のコラボレーション第2弾となり、今回は宇宙服の快適性と安全性を支える中核部分の開発にフォーカスしている。
本システムの主な役割は温度管理だ。月面での船外活動では宇宙飛行士の身体から大量の熱が発生するため、LCVGは全身に張り巡らされたチューブ内へ冷却水を循環させることで熱を吸収し、生命維持システムへと移送する。さらに、最大8時間にも及ぶ船外活動を想定し、万が一の故障に備えたバックアップ冷却回路も搭載。極限環境下での安全性を大幅に高めている。加えて、独立した換気システムも備えており、新鮮な酸素を宇宙飛行士の顔周辺へ継続的に供給。呼気に含まれる二酸化炭素をリアルタイムで回収し、生命維持装置内で処理する仕組みとなっている。
〈Prada〉は冷却システムそのものではなく、素材開発や製造技術の面でプロジェクトに貢献。同ブランドが培ってきたエンジニアードニット技術や3Dモデリングのノウハウを活用し、長時間の着用でも快適性と性能を維持できる設計を実現した。また、長期ミッションでの繰り返し使用に耐える特殊繊維の選定・開発にも携わっている。
「Axiom Space」の宇宙船開発部門シニア・バイスプレジデントであるラッセル・ラルストン(Russell Ralston)は、「宇宙飛行士が船外で活動する間、LCVGは常に身体環境と呼吸を支え続ける。Pradaとの協業によって、単独では到達できなかったレベルの性能を実現できた」とコメントしている。
〈Prada〉と「Axiom Space」が共同開発したLCVGは、NASAのArtemis IVミッションで実際に使用される予定だ。人類が再び月面へ降り立つ歴史的な挑戦の裏側で、ファッションブランドの技術とクラフトマンシップが宇宙開発の最前線を支えている。




















