ZARA x Willy Chavarria が描く“誇り”のかたち── VATÍSIMO コレクションの全貌をウィリー・チャバリアに訊く | Interivews
本コレクションは2026年3月26日(木)にローンチ予定。〈ZARA〉と〈Willy Chavarria〉による本プロジェクトの背景を紐解くべく、『Hypebeast』はウィリー・チャバリアに5つの質問からなるメールインタビューを行った
チカーノ。アメリカにルーツを持つメキシコ系アメリカ人の中でも、特に自らの文化的・政治的アイデンティティを強く意識する人々を指す言葉だ。1960〜70年代の公民権運動(チカーノ・ムーブメント)を背景に広まり、単なる民族的な呼称ではなく、“誇り”や“抵抗”、そしてコミュニティへの帰属意識を含んだ言葉として定着している。
〈Willy Chavarria(ウィリー・チャバリア)〉のデザインは、このチカーノとしてのルーツに深く根ざしており、“誇り”や“威厳”、そしてコミュニティへの意識がコレクションの核となっている。
そんなチカーノとしてのアイデンティティを軸に、社会的・文化的メッセージを服に宿してきた〈Willy Chavarria〉が、効率とスピードを武器に世界中へプロダクトを届ける〈ZARA(ザラ)〉とコラボレーション。一見、対極にも思える両者が交差したとき、そこに立ち上がるのは単なる協業ではなく、“価値観の拡張”だ。
今回発表される〈ZARA〉x〈Willy Chavarria〉のVATÍSIMOコレクションは、“vato(仲間、愛すべき存在)”というチカーノ・カルチャーの言葉を最上級に昇華したもの。友情や誇り、そしてコミュニティへの深い愛情が込められている。デザイナー ウィリー・チャバリア(Willy Chavarria)が長年提示してきた、威厳や優雅さを伴うストリートの美学は、〈ZARA〉という巨大なプラットフォームを通じて、これまで以上に広い層へと届くことになる。
コレクションは、ウールスーツブレザー(29,990円)やウールスーツパンツ(15,990円)、ショートトレンチコート(22,990円)、ポプリンシャツ(10,990円)といった普遍的なワードローブをベースに構成。イタリア製ファブリックをはじめ、レザー、デニム、キュプラなど多様な素材を用いながら、力強くも官能的なシルエットを描き出す。そこにはアメリカンワークウェアへのオマージュとラテンアメリカ的な情緒が同居し、過去と現在、ローカルとグローバルが滑らかに接続されている。
また、キャンペーンはメキシコを舞台に撮影され、テレノベラ的(ラテンアメリカのメロドラマ)なドラマ性を色濃く反映。権力や欲望、愛が交錯する濃密なストーリーラインが、コレクションの持つグラマラスかつ劇的な側面を強調している。
“美しさとは何か”“誇りとはどこから生まれるのか”。このVATÍSIMOコレクションを深掘りすべく、デザイナー ウィリー・チャバリアに5つの質問を投げかけた。
Hypebeast:今回のVATÍSIMOコレクションは、スーツやワークジャケット、シャツなどクラシックなワードローブがベースになっているように見えます。こうした普遍的なアイテムを、あなたらしい視点で再解釈する際に最も重要視したポイントは何でしょうか?
ウィリー・チャバリア:私にとって、服を“Willy Chavarriaらしく”する最も重要な要素のひとつは、フィットです。私たちのチームは、服が身体の上でどのように見え、どのように落ちるかに徹底的にこだわっています。ドレープの効いた官能的なシルエットにするのか、それとも構築的で力強い印象にするのか。その選択ひとつひとつが、デザインの核になります。
すべてのガーメントにはそれぞれのストーリーがあり、その物語は着る人の感じ方によって引き出されていくものです。服がここまで強い感情を呼び起こす力を持っているということに、私はとても魅力を感じています。
確かにシルエットが非常に特徴的で、クラシックな服でも新しい印象を生み出していますね。プロポーションやボリュームをどのようにデザインしたのでしょうか?
このコレクションをデザインするうえで、常に意識していたのは“グラマー”と“ドラマ性”です。プロダクトに幅を持たせているのも意図的で、メキシコの邸宅で、どこか演劇的に生きる華やかな家族の物語を軸に、ひとつの世界観を構築していきました。テレノベラから着想を得たキャンペーンが、このコレクションの大胆さや官能性を象徴しています。その結果として、柔らかさと強さの両方を併せ持つシルエットが生まれました。どのルックも、力強さとエレガンスを同時に感じさせる仕上がりになっています。
VATÍSIMOという言葉はチカーノ文化にルーツがあります。このコレクションでは、その文化的アイデンティティをどのように服のデザインに落とし込みましたか?
“VATÍSIMO”は、“vato”という言葉の最上級形です。“vato”はチカーノ・コミュニティで使われる口語表現で、友人やパートナー、大切な人を指します。そして“vato”とは、常に完璧に装い、自分のスタイルそのもので語る人物でもあります。そうした自己表現の感覚は、デザインやスタイリングの選択肢の中に落とし込まれています。私たちがどのように振る舞い、自分を表現するかは、文化的アイデンティティの大きな一部です。だからこそZARAの顧客にも、自分自身のスタイルや在り方を見つけてほしいと思っています。
あなたのデザインは常に社会的・文化的なメッセージを含んでいます。グローバルブランドであるZARAと協業することで、そのメッセージはどのように広がると感じていますか?
Willy Chavarriaはインディペンデントなブランドでありながら、すでにグローバルな存在になりつつあると感じています。そんな中でZARAと協業できることは、世界中のさまざまな人々にリーチできる機会として、とてもエキサイティングです。私が最終的に届けたいのは、優雅さや美しさ、ユーモアや喜びを通じた“優しさ”と“結束”のメッセージです。これはグローバルなメッセージであり、誰もが共感できるものだと思っています。
あなたの服は“誇り”や“威厳”といった感情を表現しているように感じます。VATÍSIMOコレクションを通して、人々にどんな気持ちを感じてほしいですか?
VATÍSIMOを身にまとう人には、自分がどの文化に共鳴しているかに関わらず、“vato”の精神を感じてほしいと思っています。それは、自信とオーセンティシティ。そして、コミュニティとのつながりや連帯感です。
〈ZARA〉x〈Willy Chavarria〉のVATÍSIMOコレクションは、2026年3月26日(木)より展開開始。『ZARA新宿店』をはじめ、『ZARA MAN 心斎橋筋店』(メンズ)、『ZARA 銀座店』(ウィメンズ)のほか、公式オンラインストアでも販売される。





















