過去を手放し、前へ進むために ── Amiide x Saïna x ROMderful 最新シングル『Moving On』リリース記念インタビュー

リアルな体験から生まれた最新曲の制作背景と、3人の関係性に迫る

ミュージック
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東京とロンドンを拠点に活動するシンガーソングライター Amiide(アミイデ)。R&BやUKソウル、オルタナティブミュージックのエッセンスを取り入れたサウンドで注目を集める彼女は、LAの大学で映画を学んだ後に帰国し、本格的に音楽活動をスタートさせた。2018年にリリースした『Fast Car』が『Spotify(スポティファイ)』の〈New Music Friday〉に選出され、国内外のリスナーから注目を集める。その後もソロ曲『Better Miss Me』や『Picnic In The Park』がUKを含む各国のプレイリストに取り上げられるなど、着実に評価を高める。さらに2026年には「SURF Music(サーフ ミュージック)」×『Hypebeast(ハイプビースト)』×「Tribe(トライブ)」の3社が共同主催した「巨勢典子 “Still I Miss You” サンプリングコンテスト」において、プロデューサーとして最優秀賞を受賞。シンガーのみならず、クリエイターとしてもその存在感を示した。

そんなAmiideが、2月25日(水)にイギリスのアーティスト Saïna(サイーナ)、そしてプロデューサー/シンガー ROMderful(ロムダフル)を迎えたコラボレーション楽曲『Moving On』を、『Hypebeast』が展開する音楽ディストリビューション・レーベルブランド「Hypetrak(ハイプトラック)」よりリリース。本作は「過去を手放し、新たな未来へと踏み出す」というテーマを軸に制作され、日本語と英語を織り交ぜたバイリンガルなリリックが印象的な一曲に仕上がっている。

そこで今回は同曲のリリースを記念し、Amiide、Saïna、ROMderfulの3名をビデオ通話で繋いだスペシャルオンラインインタビューを実施。3人の出会いから『Moving On』の制作背景など、話を聞いた。


英国と東京を繋ぐ、3人のアーティストの出会い

Hypebeast: リリースおめでとうございます。まずは、それぞれ自己紹介をお願いします。

Amiide(以下、A): こんにちは、Amiide(アミイデ)です。現在はロンドンを拠点に、シンガーソングライターとして活動しています。最近はポケモンのリメイク版をプレイし始めたところです(笑)

ROMderful(以下、R): はじめまして。ROMderful(ロムダフル)という名前で、プロデューサーやシンガーソングライターとして活動しています。イギリス出身で、現在はバーミンガムに住んでいます。以前、日本に約10ヶ月ほど住んでいたこともあります。

Saïna(以下、S):Saïna(サイーナ)と言います。日本とイギリスのハーフで、生まれも育ちもロンドンです。日本にはほぼ毎年訪れていて、日本人アーティストとも多く交流があります。シンガーとしての活動に加え、DJやプロデューサーとしても活動しています。

それぞれの出会いについて教えてください。

A:ロム(ROMderful)とは、だいぶ前に知り合いました。当時の私はCIRRRCLE(サークル)というヒップホップグループに所属していて、メンバーと一緒にロムが出演するイベントに遊びに行ったのが最初の出会いです。

R:ああ、あの時だね!覚えているよ。

A:ものすごく酔っ払っていたけど、本当に覚えてる?(笑)

R:うん(笑)

A:もう10年くらい前になるんじゃないかな。それ以来、ずっと交流が続いています。

Saïnaさんはいかがですか?

S:私がアミ(Amiide)と出会ったのは、初めて参加したESEA(East and South East Asia)というアジア系の音楽ミートアップイベントでした。そこでアミや他の日本人アーティストと知り合って、それが将来的に私が日本語で歌詞を書くようになるきっかけにもなったと思います。

A:4年前くらいだったかな。

S:そのくらいだったと思います。それからロムと出会ったのは、東京でライブをしたときですね。カラフルな服に亀のリュックサックを背負っていて、とても印象に残っています。

R:僕はいつも変なバッグを持っているんだよ(笑)

S:あれは衝撃的でした(笑)。ロムは韓国に住んでいたこともあったので、K-POPの話や、移住したきっかけについて聞いたことも覚えています。

お互いのどんな部分を一番リスペクトしていますか?

A:まずロムは、アーティストの意見をきちんと尊重してくれるプロデューサーで、相手が求めているものをしっかり理解して形にしてくれるところを本当に尊敬しています。それでいて、どの曲にも彼自身の個性やサウンドがしっかり感じられるのも素晴らしいと思います。
Saïnaは本当に努力家で、音楽も非常にプロフェッショナルです。声も素晴らしく、これからさらに大きく活躍するはずです。

R:アミの音楽は、どんなテーマでもポジティブなエネルギーを感じられるところが魅力です。R&Bには暗い雰囲気の曲も多いですが、彼女の音楽にはいつも明るさがあって、一緒に制作するのもとても楽しいです。
SaïnaはDJとしてもシンガーとしても才能があり、ステージで観客を惹きつける力があります。彼女の活動を見ていると本当に感心しますね。

S:アミはとても忍耐強く、人に対して時間をかけて向き合う人です。周りの人を紹介してくれたり、誰かのために動いてくれるところも本当に素敵だと感じています。
ロムはプロデューサーとして自分のサウンドやスタイルをしっかり持ちながら、様々なアーティストと作品を作っているところもすごく尊敬しています。

それぞれの経験が重なって生まれた『Moving On』

『Moving On』は今いる場所や、これまで過ごしてきた場所から車で走り去るようなイメージ

そんな3人が出会い、完成した楽曲が先日リリースされた『Moving On』ですが、具体的にどのような楽曲なのでしょうか?

A:この曲は、私自身の過去の経験から生まれたものです。人生の中で有害な人間関係を経験したことがあって、それをポジティブなものに変えたいと思ったんですよ。今いる場所や、これまで過ごしてきた場所から車で走り去るように「前に進んでいく」というイメージがこの曲のテーマになっています。

S:私は、恋愛関係だけでなく、友情や仕事の関係にも当てはまると思っています。もし誰かとの関係の中で自分自身を疑うようになったとき、それは単に何かがうまく噛み合っていないサインかもしれません。相手が悪いわけでも、自分が悪いわけでもなく、ただ相性が合わないこともあります。そういう時は無理をせず、前に進むことを受け入れてもいい。そんなメッセージを今回の『Moving On』では表現しました。

楽曲の制作はどのように進んだのでしょうか?

R:最初は東京でビートを作りました。それをアミに聴かせて、その後Saïnaが加わりました。そこからは会話を重ねながら、歌詞のアイデアを少しずつ広げていきましたね。

S:(『Moving On』の制作は)まるでセラピーセッションのようで、曲を聴いて感じたことや、それぞれが経験してきたことを話していく中で、自然と歌詞が生まれていきました。

A:その後は、それぞれの自宅でボーカルを録音して、データを送り合いながら完成させました。少し時間はかかりましたが、コラボレーションならではの意味のある制作だったと思います。

トラック制作ではどのような点を意識されましたか?

R:ノスタルジックなR&Bサウンドを意識しました。プロデューサーとして長く活動してきて気づいたのは、良い曲ほどシンプルな構成であることが多いということです。だから今回は要素を増やしすぎず、アーティストの声や感情がしっかり伝わるように心がけて制作しました。

過去を手放し、前へ進むためのメッセージ

日本語と英語を織り交ぜた歌詞も印象的です。

S:二つの文化を音楽の中で自然に表現できるのは面白いですね。日本語と英語では歌詞の感覚や響きも少し違うので、それも制作の楽しさのひとつでした。

A:普段は歌詞を英語で書くことが多いのですが、今回はSaïnaと一緒に制作するということで、日本語も取り入れてみようと思いました。Saïnaは普段から日本語と英語の両方を使って曲を書いているので、その影響も大きいです。また、日本語で歌詞を書く際には、宇多田ヒカルさんの表現方法からも影響を受けています。日本語と英語では言葉のリズムや表現の仕方が大きく異なるため、書き方も自然と変わってきますが、二つの言語を組み合わせることで曲の世界観がより広がったと感じていますね。

アートワークについてもお聞きしたいです。

A:普段から一緒に制作している東京のグラフィックデザイナー Hyperbeamcat(ハイパービームキャット) にジャケットをお願いしています。まず曲を聴いてもらい、そこからいくつかビジュアルの参考イメージを提案してくれたんですよ。最終的には渋谷で撮影した写真をベースに編集を重ね、今回のジャケットアートワークが完成しました。

最後に『Hypebeast』の読者に向けてメッセージをお願いします。

A:今回の曲『Moving On』は、過去の人間関係や経験を乗り越えて前に進むことをテーマにしています。つらい出来事があっても、それにとらわれ続けるのではなく受け入れて前に進むことが大切だと思います。『Hypebeast』の読者のみなさんにも、この曲を通してそのメッセージを感じてもらえたら嬉しいですね。

S:この曲では、人との関係の中で「本当に自分に合っているのか」と感じる瞬間について歌っています。恋愛や友情でも、無理に続けようとするのではなく、お互いに合わないと感じたら手放すことも大切で、そうすることで前に進めることもあるから、この曲がそうした気持ちに寄り添うものになれば嬉しいです。

R:人生にはうまくいかないことや苦い経験もあると思います。でも、少し視点を変えて、それをポジティブなものに変えることもできる。そんな気持ちでこの曲を聴いてください。


Amiide, Saïna & ROMderful『Moving On』
レーベル:Amiide/Hypetrak
リリース日:2026年2月25日(水)
フォーマット:デジタル・シングル
配信リンク


Amiide
東京とロンドンを基盤に活動する日本人R&Bシンガーソングライター。LAの大学で映画専攻を卒業したのち、音楽の道を目指すために帰国。2020年には、所属していたHip-hopクルー CIRRRCLEが解散。2018年にリリースした『Fast Car』は『Spotify』のグローバルプレイリスト『New Music Friday』に掲載され、国内外で注目される。一時的に活動を休止していたが、2021年8月にソロ曲『Better Miss Me』をリリース。『BBC 1Xtra』などに取り上げられ、UKでも注目される。2022年2月にリリースされた『Picnic In The Park』は巨大プレイリスト『Young & Free』に取り上げられ、世界各国で聴かれている。2023年より、元 CIRRRCLEのラッパー Jyodanと共にOtomodatchiというユニットを結成し、7月6日に『TAIL』のオープニングアクトを務める。2025年に「SURF Music」とm-flo共同開催の『come again』リミックスコンテストで、Surf Select賞を受賞。2026年、Nujabes の創設した「Hydeout Productions」のサブレーベル「Tribe」と『Hypebeast』「SURF Music」の3社共同主催による「巨勢典子 “Still I Miss You” サンプリングコンテスト」において、プロデュース曲が最優秀作品賞を受賞した。

Saïna
ノースウェスト・ロンドンを拠点とするアーティスト。日本とイギリスのミックスであるは、7歳でピアノとギターを始め、12歳で曲を書き始める。アデルやエイミー・ワインハウスなどを輩出した名門校、ブリットスクールに通い、在学中よりさまざまなミュージシャンとのコラボレーションを通じて、ネオソウル、オルタナティブ R&B、エレクトロニックサウンドに影響を受けたスタイルを築く。最近では、自身のルーツである日本の古典楽器を取り入れたビートに、日本語を載せたリリックも歌っている。ロンドンと日本の特徴を取り入れた印象的なビジュアルイメージと、実体験に満ちた歌詞を通じて、人との繋がり、脆弱性、そして再生というテーマを探求する。 また、BBC Introductionや BBC Radio London のラジオ番組で取り上げられ、BBC1 XTRAのTrack of the Week に選ばれるなど、UK国内で注目を浴びる。リリース楽曲は、Fresh Finds、Life Sucks、Homework Vibes などのSpotifyのエディトリアルプレイリストにも掲載。

ROMderful
イギリス、バーミンガム出身のDJ、 プロデューサー、マルチ奏者。2000年代初頭のR&Bそしてビデオゲームのサウンドトラックにインスパイアされた作風が特徴。幼少期から音楽に親しみ、11歳で音楽制作を始め、2019年にデビューアルバム『Press L to Continue』をリリース。音楽を勉強するために大学に入学したが、全てを音楽に打ち込むために大学を中退。現在は、Goldlinkのリミックスや、Lou Phelps、Rayana Jay、Jean DeauxとKehlani、Duckwrthのようなアーティストのプロダクションを手掛けている。

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