松山智一が “Morning Again” でタイムズスクエアをジャック
毎晩90面超のLEDスクリーンがシンクロし、彼の抽象的なビデオアートを一斉上映
ブルックリンを拠点に活動する現代アーティストの松山智一が、最新デジタル公共アートプロジェクト “Morning Again”を発表した。本作はニューヨーク最大かつ最長のデジタルアートシリーズとして知られる「Midnight Moment」の一環として展開され、2026年4月1日(水)から1か月間にわたり実施される。
期間中は、41丁目から49丁目にかけて設置された96面以上の巨大LEDスクリーンが毎晩11時57分から深夜0時までの3分間同期する。通常の商業広告は姿を消し、都市の鼓動と松山の鮮やかなクロスカルチャー美学が融合した180秒のシネマティック体験へと変貌する。
岐阜県出身で、長年ニューヨークという文化的坩堝の中で活動してきた松山は、江戸期の図像や日本の伝統工芸を西洋ポップアート、ストリートカルチャー、抽象表現主義と融合させる独自の表現で国際的に高い評価を得てきた。“Morning Again”でもそのアプローチは継承されており、特定の人物像を描くのではなく、「希望」「リズム」「自己表現」「変容」という4つの要素を中心に構成。流動的な形状、発光する光、鮮烈な色彩が都市のエネルギーを反映し、多様な文化が交差して生まれる共有された都市アイデンティティを提示する。
不確実性や分断が語られる現代において、本インスタレーションは静かに多様性と個性の価値を肯定しながら、共に前進する可能性を示唆する作品となっている。また、固定された視覚的ヒエラルキーを意図的に排除することで、異なる歴史やアイデンティティが同一のフレーム内で共存する構造を実現。これは松山が長年探求してきた「ボーダーレスなアイデンティティ」というテーマとも深く結びついている。
世界有数の都市空間を舞台に展開される“Morning Again”は、公共空間におけるアート体験の新たな可能性を提示する試みとして注目を集めそうだ。















