FNCY 異なる感性が響き合う3人組 ── シングル『GOOD 2 ME』リリース記念インタビュー
“すべてはGOOD TO ME”という生き方
FNCY 異なる感性が響き合う3人組 ── シングル『GOOD 2 ME』リリース記念インタビュー
“すべてはGOOD TO ME”という生き方
ZEN-LA-ROCK、G. RINA、鎮座DOPENESSの3人からなる日本のヒップホップ・グループ FNCY。2018年の結成以降、90年代ヒップホップのエッセンスを軸に据えながらも、それを単なる回顧に終わらせることなく、現代的な感覚でアップデートしたサウンドとムードで、独自のポジションを確立してきた。成熟したグルーヴとジャンルを軽やかに横断する柔軟な音楽性は、ヒップホップ・シーンにとどまらず、カルチャー全体からも高い評価を獲得している。ソロアーティストとしても長年第一線で活動を続けている3人が集結することで生まれるFNCYの音楽は、単なる“集合体”ではない。それぞれの経験値や美意識が自然に交差し、肩肘張らない佇まいのなかに、他にはない奥行きと説得力を備えた世界観を築き上げている点こそが、このユニットの最大の魅力だろう。
そんなFNCYが、『Hypebeast(ハイプビースト)』の展開する音楽ディストリビューション・レーベルブランド「Hypetrak(ハイプトラック)」から、ニューシングル『GOOD 2 ME』をリリース。本楽曲は、2026年を迎えるにあたり、年齢やライフステージ、取り巻く環境の変化を無理に抗うことなく受け入れながら、今の自分にとって心地よい感覚を肯定する、FNCYらしいポジティブさに満ちた1曲となっている。
軽やかでありながらも奥行きを感じさせるサウンドプロダクションは、G.RINAが手がけ、ミックスはトラックメーカーのD.O.I.が担当。洗練された音像の中に、どこか人の温もりを感じさせる仕上がりが印象的だ。また本作は、〈EDWIN〉のINTERNATIONAL BASIC誕生45周年を記念したコラボレーション作品でもあり、楽曲のみならずビジュアル表現においても、1980年代のムードを現代的に再解釈したアプローチが取られている。長年愛され続けてきた定番デニムが持つ普遍性と、キャリアを重ねたからこそ表現できるFNCYの成熟した感性。“変わらないもの”と“変わり続けるもの”が交差する本プロジェクトは、「今の自分らしさ」をアップデートし続けることの大切さを、さりげなく提示しているようにも映る。
今回『Hypebeast Japan』では、そんなFNCYの3人に独占インタビューを実施。『GOOD 2 ME』の制作背景や楽曲に込めた想いはもちろん、グループとしての現在地、そしてそれぞれが見据えるこれからについて迫った。
環境は変わりましたけど、音楽に対する向き合い方や、3人で楽しむ感覚そのものは、今も変わっていないですね
Hypebeast:まず『Hypebeast』読者に向けて自己紹介をお願いいたします。
ZEN-LA-ROCK(以下Z):ZEN-LA-ROCKです。音楽を軸にアーティストとして活動しつつ、個人的にNEMES(ネメス)っていうブランドをやっています。最近はDJとしての活動も増えてきましたね。いわゆる“プレイに徹するDJ”というよりは、プレイ中にマイクを持って喋ったり、ラップしたりと、その場の空気に合わせて表現するスタイルでやっています。
鎮座DOPENESS(以下C):鎮座DOPENESSです。アーティスト活動を行っています。
G. RINA(以下G):G. RINAです。シンガーとして歌やラップを軸に活動しつつ、FNCYでは楽曲のトラックメイキングも担当しています。
改めてFNCYとはどんなユニットなのでしょうか?
Z:やっぱり年齢が近いというのは大きいですね。僕らが10代後半から20代前半を過ごしたのはいわゆる90年代で、当時に見てきたもの、触れてきたカルチャーがかなり共通している。今で言う“青春”という言葉が正しいかはわからないけど、ティーンの頃に自然と共有していた感覚みたいなものが、今も根っこにある気がします。当時はまだインターネットも今ほど普及していなかった時代なので、情報や体験を身体感覚でシェアしていたというか。特にヒップホップを軸にしながらも、それだけに限らず、日本のヒップホップシーンやクラブカルチャーの中で、同じ場所で遊び、同じ空気を吸ってきた感覚がある。そういう共通体験が、FNCYというユニットの土台になっていると思います。
お三方の出会いについても教えて下さい。
Z:出会い自体は、それぞれ個別だったと思います。ただ、3人で“初めて同じ曲に参加した”という意味では、2017年に自分名義で出した楽曲が最初ですね。当時は、僕と鎮座、僕とG.RINAという接点はそれぞれにあったんですが、「3人で一緒に1曲をやる」という形は意外となかった。そこで制作したのが『SEVENTH HEAVEN』という楽曲で、それが想像以上に好評だったんです。その流れでライブや地方公演なども増えて、新幹線で移動したりしながら一緒に時間を過ごすうちに、自然と距離が縮まっていった。気づいたら「この感じ、ユニットとしてやったら面白いんじゃない?」という空気が生まれていて、そこから声をかけた、という流れですね。
G:確かにこの楽曲をリリースした時に、曲の雰囲気も含めてFNCYの雛形が揃っていたと思います。音も含めてビジョンが見えちゃいました。
FNCYを続ける中で、結成当初と現在とで変わった部分、変わらない部分は何でしょうか?
G:みんなが住んでいる場所は変わりましたね。
C:結婚もしました。子供ができたり。
Z:あと大きく変わったのは、ユニットとしての立ち位置や環境です。結成当初は、正直かなり漠然としていて、名前すら決まっていない状態からのスタートでした。今はインディペンデントという立場になって、自分たちのペースや判断で動けるフェーズに入っています。最初の頃のような手探り感とは違って、経験を重ねた分だけ、何をどう出すか、どう続けていくかがよりクリアになった。環境は変わりましたけど、音楽に対する向き合い方や、3人で楽しむ感覚そのものは、今も変わっていないですね。
グループも個々もセルフマネージメント/インディペンデントと聞きましたが、何か理由はありますか?
Z:もともとは、キングレコード内のEVIL LINE RECORDS(イーブルラインレコード)から作品をリリースしていて、いわゆるメジャーの枠組みの中で2枚アルバムを出しました。ただ正直に言うと、FNCYをどれくらいのスパンでやるかという明確なプランが最初からあったわけではなかったんです。長く続けるつもりでもなかったし、短く終わらせるつもりでもなかった。ただ「3人でグループをやったら楽しそうだよね」という、かなり感覚的なスタートでした。それでも「じゃあ、やるからには1枚はアルバムを作ろう」となって、結果的に2枚のアルバムをリリースすることができた。その間、メンバーそれぞれの生活も大きく変わっていて、G.RINAはマレーシアに行って戻ってきたり、鎮座DOPENESSは結婚して子どもが生まれたりと、常に同じペースで活動できていたわけでもありません。そうした流れの中で、2枚出したところで一度ひと区切り、という感覚はありましたし、同時に「インディペンデントでもやっていけるくらいには、FNCYという存在が認識されたんじゃないか」という手応えもあった。だったら次は、「一度インディーズという立場でやってみよう」と。今動いている3枚目のアルバムに向けたフェーズは、そうした流れの延長線上にあります。はっきりしたコンセプトというより、これまで積み重ねてきた経験や今の生活、今の距離感が自然と反映されていく。その結果として、今のFNCYのあり方やスタンスに行き着いている、という感じですね。
皆さん同世代というお話がありましたが、90年代の中で、特に強い影響を受けたアーティストを教えてください。
Z:俺はYou the Rockかな。もう兄貴分みたいな存在で、当時から一緒に現場にいて、今も関係は続いています。冗談半分ですけど、厳密に言えば30年近く“ユーザロックのパシリ”みたいなことをやっている感覚もある(笑)。そろそろ国から文化的貢献として補助金が出てもいいんじゃないかと思うくらいです。
C:FNCYの下地には、やっぱり90年代の日本語ラップがありますね。You the Rockさんもそうですし、スチャダラパー、RHYMESTERといった存在は、僕らの世代にとって避けて通れない影響源ですね。その中でも、3人に共通して最も大きな影響を与えている存在を挙げるとすれば、DJ MUROさんだと思います。DJ MUROさんが出した、『Diggin’ Ice』。あの作品が持っている空気感や音楽の掘り方は、かなり自分たちの感覚に染み込んでいると思います。
実際に『BABY LOVE』でも、G.RINAがその名前をリリックでネームドロップしていますけど。振り返ってみても、3人の共通項として『Diggin’ Ice』の存在は大きい。FNCYのムードやグルーヴの根っこには、あの作品から受け取った影響が確実にあると思いますね。
Z:当時このミックスはカセットテープとしてリリースされていて、繰り返し聴くしかなかったんですよね。だからこそ、身体に染み込むくらい聴いていた感覚があって。自分が自然と歌えるようになったのも、振り返れば『Diggin’ Ice』を相当聴いていたからだと思います。同世代で『Diggin’ Ice』をまったく通っていない人って、ほぼいないんじゃないかな。ただ、その中でも特別にフィールした人と、そこまでハマらなかった人は分かれると思うんですけど。僕らは明らかに前者だった。ラップそのものというより、もっとグルーヴやムードの部分に強く惹かれていた感覚ですね。今思い返すと、FNCYを始める時にも「こういうグルーヴ感がいいよね」という話をしていて、例えば80年代のファンクバンド Mtume(エムトゥーメイ)みたいな空気感の話が出たりもしていました。そういう“時代を限定しないグルーヴ”を、ヒップホップとしてひとつの形にしていたのが、DJ MUROさんだったんじゃないかなと思います。だからこそ『Diggin’ Ice』って、いつ聴いても古くならない。例えば今の若い世代が聴いても、「なんかおしゃれだな」とか、特定の時代を意識せずに感じ取れるものがあると思う。その普遍性こそが、FNCYの音楽にも自然と影響している部分なんじゃないかなと思いますね。
G:今、2人が話してくれた内容とほぼ同じ感覚ですね。FNCYという文脈で90年代を振り返ると、やっぱり私にとっても日本語ラップの影響はすごく大きいです。ただ、当時の私は最初からマイクを持つ側だったわけではなくて、DJをしたり音を作ったりするところから関わっていました。90年代の日本語ラップシーンって、今以上に女性が前に出るイメージがなかったですし、イベントにも足繁く通ってはいたものの、「自分が日本語ラップの文脈でラップをする」という未来は、正直あまり想像していなかったですね。それでも、影響を受けていたこと自体は間違いなくて、その延長線上としてトラックメイキングを始めたり、DJとして活動したりしていた。今振り返ると、そのときに受け取っていたものが、少し時間差で、今の自分の表現として表に出てきている感覚がありますね。
若い世代のリスナーから見ても、FNCYの楽曲にはノスタルジアを感じさせる要素があるように思います。
Z:そういっていただけると嬉しいですね。
G:90年代のヒップホップ、日本語ラップはもちろん、あとア・トライブ・コールド・クエスト(A Tribe Called Quest)とかデ・ラ・ソウル(De La Soul)といったグループから受けた影響は、サウンド面でも確実にありますし、FNCYの音楽にも自然と反映されていると思います。ただ、意識しているのは、あくまで「今のサウンド」として成立させること。単純に懐かしさを再現するだけの音楽にはしたくない、という気持ちは常にありますね。
「すべてはGOOD TO MEに向かっていく曲を作りたい」というのが出発点でしたね
今回の楽曲『GOOD 2 ME』は、G.RINAさんがトラックを手がけ、D.O.I.さんがミックスを担当していますが、サウンド面で目指したバランスや質感を教えてください。
G:90年代のヒップホップはサンプリング・カルチャーがとても強い時代でしたし、FNCYとしても、そうした質感には確実に影響を受けています。例えば『BABY LOVE』では、80年代の音源を正式にサンプリングする形を取れましたが、今回はそうではなくて、あくまで“サンプリングに近い質感”を、別のアプローチで作ることを意識しました。具体的には、誰もが知っているビートパターンや音色を使いながらも、90年代には絶対に存在しなかったような音像になることを目指しています。そのために、ミックスを担当してくれたD.O.I.さんには、「90年代っぽくならないミックスにしてください」と、かなりはっきりお願いしました。D.O.I.さん自身、90年代からずっと第一線でエンジニアとして活動されている方なので、過去の文脈を理解した上で、“今の音”を研究されている。FNCYの作品ではこれまでも何度も一緒にやってきましたが、今回は特に冒険してくれた印象があります。完成した音を聴いたとき、「なるほど、こう来たか」と素直に腑に落ちて、「これでいこう」と思えた。今回の『GOOD 2 ME』には、私たちの意図だけでなく、エンジニアとしてのD.O.I.さんのバイブスやアイデアも、かなり色濃く反映されていると思います。
『GOOD2ME』というタイトルには、どんな意味やメッセージが込められていますか?
G:この曲は、トラックを作って2人に聴いてもらう段階から、すでに自分の中でイメージがかなり固まっていました。サビのメロディも自然と浮かんできていて、最後に「すべてはGOOD TO ME」というフレーズにたどり着く、という構造だけは最初から決まっていたんです。「すべてはGOOD TO MEというフレーズに向かっていく曲を作りたい」というのが出発点でしたね。FNCYの活動にも通じるんですけど、人生の中で起こる出来事って、良いことも悪いことも含めて、最終的には“自分にとって意味のあるもの”だと思いたい。その感覚を「すべてはGOOD TO ME」という言葉に込めています。だからこの曲は、単にポジティブなメッセージを掲げるというよりも、どんな状況も受け止めた上で、それを前向きに捉えていこうという姿勢を表現したもの。そういう精神で生きていきたい、という自分自身のスタンスが、そのまま楽曲になった感覚ですね。
Z:今回のリリースは本当に“今このタイミング”という感じで。RINAさんの帰国後シングルとして考えると、かなり久しぶりの作品になると思います。去年出した数曲は、正直かなり瞬間的な制作でした。東京のスタジオに集まれるタイミングで一気に録ったりはしていたんですけど、その頃、東京に住んでいたのは僕だけで、鎮座は別の場所にいて、G.RINAはマレーシアにいた。物理的な距離も含めて、常に全員が同じ場所にいる状態ではなかったんですよね。それでも、いろんなポジティブなタイミングが重なって、自然とこの曲が生まれた。そういう意味でも、『GOOD 2 ME』は、今のFNCYの状況や流れをそのまま映し出している楽曲だと思いますし、このタイミングでリリースできたこと自体が、すごく“GOOD TO ME”だなと感じています。
C:自分もそう思います。ヤーマン。
曲の中で気に入ってるフレーズを教えて下さい。
Z:自分のバースで言うと、最初の2行ですね。「塵も積もれば山となり」というフレーズは、さっきG.RINAが話していた「すべてはGOOD 2 ME」という曲全体の思想とも重なっていて、デモの段階からずっと変わらず残っている部分です。あと「山があるから川もあり」の箇所もすごく気に入っています。山があって、川が生まれて、その先には海がある。昔から、川に小石を投げ続けると、やがてちょっとした陸になる、みたいな例え話が好きなんですけど、毎日の小さな積み重ねが、いつか形になるという感覚が、この曲にはしっくりきた。そういう意味で、すごく自分らしいバースになったと思っています。実はこの曲、最初のデモ段階では『BUSY』という仮タイトルが付いていて、その流れで「貧乏暇なし超BUSY」というラインも生まれました。そこから、逆張り的な視点だったり、自分自身のスタンスを言葉にできたのもよかった。いろんなデモを経てきた過程が、そのままバースに落とし込めた感覚があって、そこも含めて気に入っていますね。
C:今のZENさんの話を聞いて「山もあれば谷もあり」ですかね。「あるよな……」みたいな(笑)。でも、上がってるから良い、下がってるから悪い、みたいな単純な話じゃないと思っていて。谷があって、そこに川が流れていたら、その川を眺めに行って魚を見たり、木を見たりする時間もあるわけで。それが最終的には海につながっている、という視点がこの曲にはある。その“流れ”そのものがすごく気に入っています。
G:私の場合は、やっぱりサビですね。「すべてはGOOD TO ME」「いつかはGOOD TO ME」というフレーズ。その前に歌っている「そこにある意味」とか、「ここにいる意味」という言葉も含めて。人生の中で、一見すると悪いことが起きているように思える瞬間でも、その時点ではわからなくても、後から振り返ると自分にとって意味のある出来事だった、ということがあると思うんです。そういう段階にある出来事さえも、結果的には“GOOD TO ME”なんじゃないかなって。
本楽曲はコラボレーション作品ということで、普段の楽曲とは違う意識が働いたのでしょうか?
G:曲作りの段階では特に意識はしていませんでしたが、ビジュアルやMVにはそれが反映されていると思います。
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EDWINさんとは以前にもご一緒したことがあるんですが、今回のジーンズはブランドの歴史を振り返るような側面があって、INTERNATIONAL BASIC 45年ぶりのリバイバルだったり、過去の型を現代的に再構築する取り組みだったりと、いわゆる温故知新的な姿勢をすごく大切にされていると感じました。そういった考え方は、私たちが音楽でやりたいことともすごく近いんですよね。サウンドそのものに80s的な要素を前面に出しているわけではないんですが、ビジュアルにはどこか80sのムードが漂っていて。ただ、それも表層的な引用というより、根底にある精神性の部分でFNCYとEDWINさんの取り組みが自然につながっている感覚があったんです。だからこそ、今回のコラボレーションは無理のない、すごくありがたい形で成立したと思っています。
この楽曲を通して、リスナーにどんな瞬間や気分を味わってほしいですか?
Z:「GOOD TO MEか」ぐらいな気持ちで。「しょうがねぇな」って受け流すような感覚で楽しんでくれたら嬉しいです。あとはやっぱDJの人にもかけて欲しいかな。かけやすいBPMだと思うし。どうやってかけるのかも興味深いですね。
C:忙しい合間や、どこかに向かう移動中に聴いてもらえたら嬉しいです。コーヒーでも飲みながら、聴き終わる頃に少し元気が出てる、そんな感覚になってもらえたらいいですね。
G:2人が言ってくれたことに尽きると思いますが、今回はMVやキャンペーンビジュアルも含めて楽しんでもらえたら嬉しいですね。あまり構えずに、「またやってるな」くらいの感覚で、クスッと笑いながら観てもらえたらいいなと思います。
EDWIN「INTERNATIONAL BASIC」45周年という節目でのコラボレーションですが、最初に話を聞いたときの率直な印象は?
Z:以前にもご一緒したことがあり、EDWINの担当者の方とは面識があったので、今回も自由度の高いコラボになるだろうなという印象でした。45周年という節目で、過去のアーカイブをどう今に落とし込むかというテーマは明確でしたが、楽曲はあくまで今のFNCY。ビジュアルはレガシーを踏まえつつ、ただ“かっこいい”だけでなく、少しユーモアのある「面白カッコいい」方向性が自分たちらしいと思いました。デザインチームとも信頼関係があったので、リアルなやり取りの中で納得のいく形に落とし込めたと思います。
G:最近は平成やY2Kなど、少し前の時代への憧れがリバイバルしていますよね。それって、自分が生まれた頃やリアルタイムでは体験していない時代に対するロマンだと思うんです。今回の世界観も、まさにそれに近くて。「この時代に生まれていたら、きっとご機嫌だっただろうな」という想像を形にした感覚というか、ずっとやってみたかった世界観を表現できた気がしています。
C:大人たちが楽しんでいた、少し背伸びした時代への憧れみたいなね。
Z:景気良いしね。
今回撮影で着用されているレザーの衣装について教えて下さい。
Z:今回は全身EDWINです。コラボレーションへの感謝の気持ちもありますし、実はこうしたラインがあることを知らなかった部分もあって新鮮でした。せっかくならEDWINの服でFNCYとして『Hypebeast』に登場するのもいいなと。結果的に、今回ならではのスタイリングになったと思います。
今回の衣装は、普段とは少し違うFNCYの一面を感じましたが、あのスタイリングについてはどんな印象を持っていましたか?
C:普段はわりと派手なスタイルが多いので、今回はインタビューということもあって、あえてシックなブラックトーンのレザーを選びました。
G:EDWINはデニムのイメージが強いですが、それだけに限らず、シックなアイテムまで幅広く揃っている懐の深さがあると思いました。今回のような落ち着いたスタイリングが成立したのも、そうしたブランドの幅があってこそだと感じています。
FNCYとしての今後の展望について教えて下さい。
Z:ひとまず3枚目のアルバムを作っています。
お三方の今後の展望についても教えて下さい。
Z:個人としては、手がけているブランド NEMESで、2026年SSシーズンに向けた大きな取り組みを準備しています。詳細はまだ言えませんが、かなり気合いを入れて進めているところです。
C:そうですね……。もうちょっと生活をグルービーにさせていきたいですね。中々難しいので(笑)。「GOOD TO ME」で。
G:良い曲を作って、パフォーマンスしたいですね。それだけです。
アーティスト:FNCY
タイトル:GOOD 2 ME
配信日:1月21日(水)
配信リンク
ZEN-LA ROCK
1979年生まれ、埼玉県出身。日本のヒップホップMC、DJ、そしてファッションブランド〈NEMES〉のディレクターを務めるマルチアーティスト。1990年代末よりキャリアをスタートし、2023年には活動25周年を迎えた。ニューヨークのアーティスト RAMM:ΣLL:ZΣΣ(ラメルジー)から名付けられた別名義COMBINATE FUTUREでも知られる。独自の低音ボイスと、ヒップホップにサブカルチャー、ファンク、ディスコ感覚を横断的に融合させたスタイルは、“サブカルHIPHOP”とも称され、日本語ラップシーンにおいて唯一無二の立ち位置を確立。2018年より鎮座DOPENESS、G.RINAと共にFNCYとしても活動し、2021年にはセカンドアルバム『FNCY BY FNCY』をリリース。音楽活動と並行して、2010年より自身のブランド〈NEMES〉を主宰。漫画やアーティストとのコラボレーションなど、音楽とファッションを横断する表現でカルチャーに影響を与え続けている。
鎮座ドープネス
1981年生まれ、東京都出身。2000年代のMCバトルシーンで頭角を現し、卓越したフロウ、即興性、言語感覚で「ヒップホップ界の珍獣」、「天才」と称されるラッパー/ヒップホップMC。10代でヒップホップに傾倒し、2004年頃から本格的に活動を開始。MCバトルでの活躍をきっかけに注目を集め、2009年に1stアルバム『100%RAP』をリリース。ブルージーかつフリーキーな歌心、型に囚われないリズム感、独特の声質から“宇宙人ラッパー”とも呼ばれる。またソロ活動に加え、ZEN-LA-ROCK、G.RINAとのFNCY、環ROYとのユニット KAKATO、U-zhaan×環ROY x 鎮座DOPENESSなど、多彩なプロジェクトで活躍。日常の風景や思考を独自の視点で切り取るリリックと、即興性に富んだパフォーマンスは、現在も高い評価を受け続けている。
G.RINA
東京出身。シンガーソングライター、ビートメイカー、DJとして活動するアーティスト。思春期からクラシック、ヒップホップ、ビルボードTOP40、民族音楽まで、ジャンルを越境した音楽に親しみ、DJやトラック制作をルーツにキャリアを形成。2003年、作詞・作曲・演奏・プログラミングをすべて自身で手がけた1stアルバム『サーカスの娘 -A Girl From A Circus-』でデビュー。しなやかで芯のあるボーカルと、ヒップホップ、R&B、ファンク、ポップスを横断する音楽性を武器に、独自のポジションを築いてきた。FNCYではトラックメイカーとしてサウンドの中核を担い、90年代的質感を現代的に再構築したグルーヴでユニットの世界観を形成している。




















