KEIJU 初のアリーナ2 DAYS ワンマンライブ “N.I.T.O. TOUR FINAL” をプレイバック

アルバム名に込められたメッセージをまさに体現した千秋楽公演の全貌をレポート

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1月24日(土)と25日(日)の2日間、神奈川・横浜の『ぴあアリーナMM』にて行われたラッパー KEIJU(ケイジュ)の “N.I.T.O. TOUR FINAL”。本公演は、彼のキャリア初となるアリーナ2DAYSワンマンライブで、最新アルバム『N.I.T.O.』を携えた2025年の6月、11月、12月のツアーに続くファイナル公演として実施された。

本公演は2日間ともほぼ満席で、『N.I.T.O.』収録曲はもちろん、KANDY TOWN時代の楽曲やYOUNG JUJU名義でのヒット作なども披露され、会場に訪れたリスナーは終始熱狂。彼の音楽歴を語るには欠かせないゲストアーティストたちも多数登場した。本稿では2日目となる25日(日)の『ぴあアリーナMM』で目撃した、本公演の全貌を書き記していく。

この日の開場は、1日目よりも少し早い15:00。オープンより少しあとに会場に足を運ぶと、11:00からのオフィシャルマーチャンダイズ先行販売もあってか、早くも多くの人が押し寄せていた。半分以上のグッズは完売しており、これはそのファッションスタイルも支持を集める彼ならではの現象ともいえる。客席に移動すると、ステージには「N.I.T.O. TOUR」のロゴが表示された大型のスクリーンとDJセット、楽器が置かれ、周りを見渡すとこの日を待ち侘びていたように緊張とワクワクが入り混じった表情で公演が始まるのを待つリスナーの様子が伺えた。

16:00ちょうどに会場が暗くなると、客席からは歓声が上がりオーピニングムービーがスタート。これまでの活動をまとめた20秒ほどの映像と、BGMには『KANDY TOWN』“Paper Chase”のKEIJUパートが流れる。そしてすぐに画面は切り替わり、今度は2016年にYOUNG JUJU名義で発表したファーストソロアルバム『JUZZY 92’』の収録曲である“The Way”のイントロと、車に乗った彼の姿が映し出された。映像は続き、本曲を歌いながら、バックステージからこちらに向かう姿をカメラが追う。

画面の中で“The Way”を歌い切ると同時に、ステージ下からは火を吹く演出が。間もなく、Neetz、IO、Gottz、MUD、DONYらKANDY TOWNのメンバーとともに、〈CANADA GOOSE(カナダグース)〉のアウターに身を包んだKEIJUが姿を見せた。前曲と同じく『JUZZY 92’』より“Angel Dust”を披露すると、順を踏むように続けてKANDY TOWNの『ADVISORY』から“Local Area”、『LAST ALBUM』から“PROGRESS”を歌い、序盤から会場を熱狂の渦に巻き込んだ。

KANDYのメンバーがステージを去ると、KEIJU名義に改名してから初のメジャーリリースとなる“Let Me Know”をブルーの光の中でパフォーマンス。豪華すぎるスタートで興奮冷めやらぬ状態のリスナーたちも、「ぴあアリーナのみなさんいけますか?」という彼の掛け声にそれぞれが力強くレスポンスした。次いでKANDY TOWNの“終演”後初のソロEP『Speed Tape』から“Pilot” “Not 4 Me”をクールに歌い上げ、会場を魅了。

2曲を終え、一瞬の静寂の中でMELRAWによるサックスの生演奏にあわせて“Tears”が流れると、リスナーからはまたも歓声が上がる。スクリーンには星空をイメージしたグラフィックが現れ、スペーシーな曲調の世界観に会場中を引き込んだ。

『heartbreak e.p.』から“too real”にあわせてYDIZZYが登場すると、少し笑顔を見せるシーンも。続く“alone”では、Jin Doggが参戦し、両者とも力強い声で本曲を歌い切った。その後、同アルバムについて「heartbreakは、ふたりがいないとできなかったアルバム。制作期間は一緒に電車に乗って、スタジオまで行ってたのを今でも思い出す。今日は来てくれてありがとう。みんな楽しんでいってね」と話した。

MCが終わると、2025年4月に惜しくも逝去した盟友 JJJとの“Wind Rise”が続く。JJJのパートではMVが流れ、KEIJUのリリックである「ありがとう 言う前に会えなくなったりするから大事にする友達」の部分は会場が一体となって口ずさんだ。曲を終えると、会場が暗転しスクリーンには再びツアーロゴが出現。

暗くなったのも束の間、赤い光とバンドセットに変わったステージが現れ、『N.I.T.O』の“Ilict intro”をBGMに再び会場に向かうKEIJUがスクリーンに映し出される。新たなパートの始まりにふさわしく、音楽にあわせて会場中から掛け声が上がると、マーチャンダイズのレザージャケットを着用した本人が下から登場。同アルバムより“Checkrs Skit”を披露した。臨場感ある雰囲気の“NEVEREST”では、花火やスクリーンに次々と出てくるゲストらの名前によって映画のワンシーンのような演出も。さらに、“K2” “same side” “Blonde”で会場の熱を高まらせ、「偉そうなことを言うつもりはないんですが、みなさんやってやりましょうよ」と“Shirase”を続けた。

次の“Daydreamin’”では7が参加し、「いつもなぜ私ばかり だけど何?してない期待 問題ならKeep coming up 乗り越える涙はきっとみない」と伸びるフックを会場に響かせる。再び参戦したGottzに繋げ、KEIJUも安定したヴァースを届けた。その後7は“Mama’s Boy”も歌い上げ、ステージを後にした。

そのままピアノの演奏が始まると、「みなさん今日は本当にありがとうございます」と感謝を述べ、続けて「色々毎日過ごしてると、何もないなと思ってるかもしれないけど。一個いっこ、誰かに会ったり喋ったりって思い出が絶対にあるはずなんで、毎日大事に進んでいってください。自分も頑張ります」と日々の大切さを述べ、若い子たちの背中を押した。

言葉に重みを持たせるようにメロディアスなピアノの音に乗せて“Falling”が始まると、ジャケットのワークを彷彿とさせるピンクのグラデーションのライトが光る。バンドバージョンのアレンジによりコーラスも加えられ、切なくも前を向く決意を感じさせるような音色が会場全体を包んだ。

落ち着いた雰囲気の中で「次は俺の人生を変えてくれた曲。大好きなせいじさんって人と一緒に作った曲で、今日も客席で見てくれてるんだけど。一緒に歌ってくれる?」と言い、名曲 “LONLEY NIGHT”をtofubeatsと披露。これは、後のミニインタビューで“2日間で印象に残っている瞬間”とも話してくれたシーンでもあり、自由にのびのびと歌うふたりの姿が印象的だった。

「まだまだ行こう」という声で始まったのは、tofubeatsも参加する“backseat”。Kvi Babaも加わり、開場はさらに盛り上がる。スクリーンには3人が楽しそうに歌う生カメの映像が抜かれ、最後には肩を組む姿も。曲が終わりKEIJUが「Kviちゃん最高だね」とKvi Babaに語りかけると、彼は「これも最高だけど、僕もっと最高なことあるんですよ」と回答。続けて「みんなでその最高を迎える準備してもらってもいいですか?」と期待を煽ると、すぐに“Luv Myself”が始まり、AKLOが姿を見せる。普段から深い親交のある彼らだからこその、一体感のあるパフォーマンスを魅せた。Kvi Babaは一旦は帰るムーブをしながらも「僕もっと最高あるっていったじゃないですか」と言い、まさかの3連続でG-k.i.dと“Frends, Family & God”を歌う。この日一番の明るくポップな雰囲気でこの3曲を終えた。

残ったG-k.i.dに「今日、スペシャルな曲をやってくれるってことで」と言い、BADHOPの“Day N Night”が流れる。曲にあわせ飛行機を模した映像がスクリーンに映り、guca owlが登場。“SAYSAM”ではKID FRESINO、Local Area pt. 2では再度NeetzとGottz、“YOUNG LOVE”ではWILYWNKとSALUがそれぞれ姿を見せ、終盤に向けてオーディエンスを沸かせた。

何人ものゲストが参戦したあと「もう終盤だけど、ずっと準備してきたんでね。バッチリやるだけなんでね」と3回繰り返し、MUDとともに『T.A.T.O.』より“Hold You Down”を披露。カラフルな光がステージを照らし、会場はクライマックスのような雰囲気に包まれる。ラストには“Money Baby”をセレクトし、「今日はありがとう、楽しかった」という言葉のあと、バンドメンバーの紹介をしステージを去った。

暗転後、もちろんここでは終わらず、リスナーのアンコールのリクエストに応えるようにスクリーンに見覚えのないMVが流れる。MVが終わると、〈Carhartt(カーハート)〉のジャケットに着替えたKEIJUがOKAMOTO’sとともにステージに到着。未発表の新曲 “Seasons”を始めてお披露目した。本曲は、“少年時代を同じ場所で過ごした彼らの愛や友情、戻らない時間を歌ったミドルテンポナンバー”で、MCでは彼らが中学時代の先輩後輩だったことと、時を超えて同じ曲を作れることの感慨深さを明かした。スクリーンでは、この曲を2月11日(水)にリリースすることも発表。

これまでのツアーに来てくれたリスナーへの感謝の言葉を述べ、「まだ俺といたい感じ?次いっちゃっていい感じ?」と会場を煽る。会場がその言葉に応えるように歓声を上げると、「あの人どこにいるの?」と前日と同じタイミングでYZERRが出てくることを示唆し“Right Now”のイントロがかかる。曲が始まるとKEIJUの発言に掛けるように、会場中が“俺お前といたかったな 今向かえばまだ間に合う”と合唱。最後には「振り返ってみると、今日出てくれたみんなに人生変えてもらったので」との言葉を投げ、本当のラストソング “412”に繋げた。

「本当にみんなのおかげだから」と言い、スクリーンには映画のエンドロールのようにゲストの顔やスタッフの名前が流れる。千秋楽にふさわしく和やかな雰囲気で、みんなで本曲を歌い上げる様子には感動さえ覚える。KEIJUは「thank you so much みんな、また会う日まで、ありがとう!」とステージを去り、感謝の言葉でツアーファイナルを締めくくった。

この2日間で彼が魅せたのは、シーンの最前線を走りながらも、決して変わることのない“仲間とともに走り続ける姿勢”と、自身の内面を真っ直ぐに反映させたそのパフォーマンス力であった。それは、『N.I.T.O.』のアルバム名に込められたメッセージ “Never Ignore Trust Ourselves(自分たちの信念を決して無視しない)”をまさに体現したものといえる。

公演ラストには「みんなに人生を変えてもらった」とも語ってくれたが、リスナーもまた、彼の音楽に人生を変えられてきたはずだ。この先季節が移り変わっても、そんな彼が描き出す力強く気高き旋律はシーンのスタンダードとして鳴り続けていくだろう。


OKAMOTO’S, KEIJU『Seasons』
リリース日:2月11日(水)配信開始
発売元:Sony Music Labels Inc.

OKAMOTO’Sの前作 “今ここで”に続いて、今作 “Seasons”でもMONJOEがアレンジに携わった。また、Rec/Mixエンジニアには数々のヒップホップ作品等を手掛けるIllicit Tsuboiを起用し、マスタリング・エンジニアはグラミー賞の最優秀アルバム・エンジニア賞を受賞したCollin Leonardを迎えている。また、アートワークは、KEIJUのクリエイティブ・ディレクションも務めるアート・ディレクターのhyoriが担当した。


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