Salomon 初代クリエイティブディレクター ヘイキ・サロネンが描く次なるフェーズ
パフォーマンスとファッションの2軸をどう捉えるか
Salomon 初代クリエイティブディレクター ヘイキ・サロネンが描く次なるフェーズ
パフォーマンスとファッションの2軸をどう捉えるか
2026年1月、ヘイキ・サロネン(Heikki Salonen)が〈MM6 Maison Margiela(エムエム6 メゾン マルジェラ)〉での12年間にわたるキャリアを経て、〈Salomon(サロモン)〉初代クリエイティブ・ディレクターに就任した。彼とタッグを組むのは、長年のコラボレーターであるローラ・ハーブスト(Laura Herbst)。〈MM6 Maison Margiela〉や〈CELINE(セリーヌ)〉での経験を持つ彼女は、新たにスタジオディレクターの役割を担う。
1940年代の創業以来、パフォーマンスを軸にブランドを築いてきた〈Salomon〉にとって、この人事はブランドの焦点が変化する兆しなのか、そんな見方が浮上している。一方で、ファッション感度の高い消費者にとって〈Salomon〉が欠かせない存在となってきた過程は、もはや周知の事実だ。〈Boris Bidjan Saberi(ボリス・ビジャン・サベリ)〉による2017年春夏コレクション “Post-Humanism”のランウェイでのデビューを皮切りに、2010年代のゴープコア・ムーブメントを象徴するフットウェアブランドへと成長。〈Salomon〉は、パフォーマンスを追求する層とファッションに惹かれる層という、異なる2つのコミュニティを築き上げてきた。
外部から見れば、この動きはある種“方向転換”のようにも映るかもしれない。しかし、ブランド内部で語られているのは“統合”という言葉だ。以下で紹介する〈Salomon〉チームとの対話から浮かび上がるのは、プロダクトからビジョンに至るまで同ブランドが持つあらゆるレイヤーにおいてパフォーマンスをさらに高めようとする試みである。
そこで『Hypebeast』は、初代クリエイティブディレクターを迎えた〈Salomon〉に、ブランドが今後どのように変化していくのかを訊いた。
Hypebeast:ヘイキ・サロネンの就任によって、Salomonはまったく新しいフットウェア開発へと向かうのでしょうか?それとも、アーカイブをより深く掘り下げていくのでしょうか?
Salomon:彼が見据えているのは、イノベーションか伝統かという二項対立ではありません。目指すのは、パフォーマンスの信頼性を起点に、その両者を再び結びつけることです。スポーツやパフォーマンスシーンを軸にした新たなプロダクト表現を追求しつつも、過去のアーカイブを元に現代的に需要がある形へと再解釈しています。
彼の経歴を踏まえ、ヘイキ・サロネンは現状のMM6 Maison MargielaとSalomonにおけるパートナーシップをどのように捉えていますか?
MM6 Maison MargielaとSalomonのパートナーシップは、これまで通り、明確なクリエイティブの方向性とガバナンスを持ったコラボレーションとして継続されます。サロネンの就任によって、現在の契約内容や目標が変更されることはありません。この協業は、相互のリスペクトと、それぞれのデザイン言語を進化させていくという共通の関心に基づいて成り立っています。今後も当初の計画に沿いながら、その関係性は継続されていく予定です。また、より広い視点に立てば、Salomonが培ってきたパフォーマンスのDNAに忠実でありながら、ブランドの視点そのものに新たな問いを投げかけるようなパートナーシップを、引き続き模索していくといいます。
Salomonは、パフォーマンスDNAとライフスタイルの需要をどのように両立させていくのでしょうか?
私たちにとってパフォーマンスは、数ある柱のひとつではなく、すべての起点です。目指しているのは、パフォーマンスを薄めてライフスタイルに寄せることではなく、現代のマウンテンスポーツライフスタイルの文脈へと自然に落とし込んでいくことにあります。そのプロセスは、常にスポーツ、地形、そして使用シーンから始まります。そこからデザインへ、さらに文化や日常生活への適合性へと進化させていく。決して逆の順序になることはありません。プロダクトが山で真に信頼されるものであれば、人々は自然とそれを街へと持ち込む。その考え方が、Salomonのスタンスを象徴しています。
プロダクト以外の領域において、ヘイッキ・サロネンはSalomonのブランドをどのように高めていくのでしょうか?
サロネンの役割は、プロダクトデザインにとどまりません。彼が担うのは、Salomonというブランドが提供する体験全体を強化していくことです。プロダクト、リテール表現、キャンペーン、さらにはアクティベーションに至るまで、すべてを「現代のマウンテンスポーツ文化」という明確なクリエイティブビジョンのもとで統合していきます。重視しているのは、一貫性です。アスリートを通してであれ、店舗空間であれ、コラボレーションやキャンペーンを通してであれ、人々がSalomonに触れるあらゆる接点において、同じブランドであり、同じパフォーマンスへの信頼性を感じられること。その体験こそが、次のSalomonを形作っていくといいます。





















