Feng Chen Wang 2026年秋冬コレクション
中国哲学における概念「梁毅(Liang Yi)」──相反する二つの力が共存し、動的な均衡を生み出す思想──を軸に据えたコレクション
中国・北京出身でロンドン在住のファッションデザイナーであるフェン・チェン・ワン(Feng Chen Wang)が手がける〈Feng Chen Wang(フェン・チェン・ワン)〉が、パリファッションウィークにて2026年秋冬コレクションを発表した。
今季は、中国哲学における概念「梁毅(Liang Yi)」──相反する二つの力が共存し、動的な均衡を生み出す思想──を軸に据えたコレクションを展開。
ランウェイは、海と山という神聖な領域をつなぐ“エネルギー場”として構成され、モデルたちは実際のペットと共に登場。理性と本能、人間の秩序と動物的な感覚が同時に存在する光景は、「バランスとは静的な調和ではなく、緊張を孕んだ動きの中に宿る」というメッセージを象徴的に示していた。
コレクションの美学は、明確なコントラストの上に成り立っている。シャープで建築的なテーラリングや構造的なスーツを軸に、デコンストラクションされたナイロンパネルやギャザーを施した軽やかなシルエットを融合。ウール、ダウン、レザーといった重厚な素材に対し、インクが飛び散ったようなテクスチャや引っかき傷のある表面処理が施され、“完璧に不完全”な表情が随所に加えられている。とりわけ印象的だったのが、手染めによって風化したような質感を生み出したデニムだ。押し潰され、破壊されたかのような加工でありながら、全体としては洗練されたバランスを保ち、エレガントなレザーやウール素材と共存していた。また午年にちなみ、スタイリング全体に散りばめられた馬のチャームは、周期的な勢いと尽きることのない生命力の象徴として機能している。
ショー後のインタビューでフェン・チェン・ワンは、「これは私たちが日々をどのように生きているかについての、別の哲学」と語り、旧正月を祝うモチーフとして、犬と共に歩くモデルや、バッグに描かれた馬のグラフィックにも言及。「2つの力、1つの動き」という言葉で、今季のコレクションを総括した。
ブランド:Feng Chen Wang
シーズン:2026年秋冬



















