イーロン・マスクが X のアルゴリズムを完全オープンソース化する方針を表明
『X』のレコメンドコードをまるごと公開し、Grokやフィードへの規制強化を受けて、4週間ごとのアップデートと開発者ノート付きで継続的に更新すると約束
イーロン・マスク(Elon Musk)が、『X』(旧:Twitter)のフィードを動かす“ブラックボックス”に再びメスを入れる。今回掲げたのはより踏み込んだ公約だ。『X』は今後、レコメンデーションスタックを4週間ごとに刷新し、完全オープンソースとして公開。あわせて、開発者向けノートを“タイムラインのリリースノート”のような形式で提供するとしている。
対象となるのは、「For You」タブに表示される投稿や、どのブランドメッセージが可視化されるかを左右する中核のランキングエンジン。マスクは、表示ロジックの目的を「unregretted user-seconds(後悔のない滞在時間)」の最大化と説明しており、ユーザーが“最も興味を持つ可能性が高い”コンテンツを優先的に提示するという。新体制では、オーガニック投稿だけでなく広告ロジックも原則公開の対象になる。
この動きの背景は明確だ。『X』は現在、EUのデジタルサービス法(DSA)による監視強化、アルゴリズムとGrokを巡るデータ保持命令、さらにはAI生成の性的表現を巡る政治的・社会的反発に直面している。フランス当局はアルゴリズムの偏向や操作疑惑について可視化を要求し、インドネシアや英国もGrokの画像生成機能に対して措置を講じた。オープンソース化は、法的防御であると同時に「急進的透明性」への語り直しでもある。
前例もある。2023年、『Twitter』は「For You」関連コードの一部を『GitHub』に公開したが、更新は止まり事実上放置された。「xAI」もGrok-1をオープンソース化した一方、内部ではGrok-3へ開発が進んだ。今回の取り組みはその“やり直し”と位置づけられ、継続的な公開、注釈付きの更新、「Tesla」のOTAに近い運用を掲げている。
もし公約通りに実行されれば、クリエイターやブランドは手探りではなく“読める仕組み”を前提に戦略を立てられるようになる。研究者は政治的言説、ヘイト、ボット、ニッチカルチャーへの扱いをリアルタイムで検証可能だ。インターネットの“ライブワイヤー”を自任する『X』にとって、アルゴリズムの露出は、透明性とエンゲージメント至上主義が両立できるのか──あるいは、混沌がどれほど設計されたものだったのかを白日の下にさらすリトマス試験紙となるだろう。




















