Doublet 2026年秋冬コレクション
ランウェイでは、〈Kids Love Gaite〉とのフットウェアコラボレーションも披露された
井野将之の手掛ける〈doublet(ダブレット)〉がパリ・ファッションウィークにカムバック。2026年秋冬コレクションは、「AIR(空気)」というコンセプトを軸に展開された。大気中から回収したCO₂を原料とする実験的素材や、工業排気から再生されたカーボンインク、さらには温室効果ガスを吸収・消費する微生物由来のバイオレジンなど、これまで“目に見えなかった存在”を衣服として可視化する試みがなされている。
デザイナーの井野は、こうした空気由来の糸が持つ不安定さや扱いづらさを、あえてデザインの核として受け入れた。熱による収縮や、予測不能なテクスチャーといった技術的な困難さは、決して欠点として隠されることなく、「諦めなかった時間」そのものとして肯定され、科学的なトライ&エラーを称える表現へと昇華されている。
なかでも象徴的なピースとなったのが、〈Kids Love Gaite(キッズ ラブ ゲイト)〉とのコラボレーションによるフットウェアだ。レザー製ローファーのアッパーには、しぼんだビーチボールのような造形が施され、実際に空気を入れて膨らませることが可能。空気を注入することで、シューズのボリュームやシルエットが物理的に変化するという、極めてシュールかつコンセプチュアルな1足となっている。
本コレクションは、未来のものづくりに対する“マニフェスト”とも言える内容だ。私たちが日々吸い込む空気に形を与えることで、〈doublet〉は「信念と科学的好奇心から生まれる新しいクラシック」を提示する。困難に直面しても立ち止まらず、最初の一息で諦めない者だけが見られる景色がある──そんなメッセージを、静かに、しかし力強く投げかけている。
ブランド:doublet
シーズン:2026年秋冬




















