COMME des GARÇONS Homme Plus 2026年秋冬コレクション
テーマは“ブラックホール”
川久保玲の手掛ける〈COMME des GARÇONS Homme Plus(コム デ ギャルソン・オム プリュス)〉が、パリ・ファッションウィークにて2026年秋冬コレクションを発表した。
今季、川久保玲が掲げたテーマは“ブラックホール”。循環的な宇宙理論を軸に、崩壊と再生、創造が無限に繰り返される構造を、服を通して探求した。ミッシェル・ポルナレフ(Michel Polnareff)の楽曲が流れる会場に、アーティスト Shin Murayamaが制作した鉄仮面を着用したモデルたちが登場し、「ブラックホールから抜け出そう」というメッセージとともに、閉塞感を増す現代社会へのメタファーを提示した。
本コレクションでは、伝統的なテーラリングは解体され、ジャケットやコートは引き裂かれたかのように変形。エナメル素材のジャケットは、いびつなギャザーによって波打ち、時空がねじ曲げられるブラックホールの特性を想起させるフォルムを描いた。川久保はまた、素材表現においても強いコントラストを用いている。ラメやスパンコール、斑点模様のブラックがルックの随所に散りばめられ、闇の中に潜む混沌と微かな光を表現。黒のベルベットコートには月のクレーターを連想させるシャーリングのフリルが施され、ジャケットのヨーク部分はメビウスの輪のようなねじれた構造に加工されていた。
また、背中を大胆にくり抜いたジャケットも印象的だ。内部構造やポケット、さらには肌までも露わにする挑発的なアプローチに、繊細なレースを重ねることで、無機質な構造美と影のあるエレガンスが共存する緊張感を生み出している。服を“着用可能な構造体”として再定義する川久保らしい姿勢は、彼女の一貫した思想を改めて浮き彫りにした。
フットウェアでは、〈KIDS LOVE GAITE(キッズラブゲイト)〉とのコラボレーションによる二重構造のレザーシューズが登場。アッパーには「私のエネルギーは自由から生まれる」というメッセージが手描きで記され、コレクション全体に通底する反骨精神を強調した。
ブランド:COMME des GARÇONS Homme Plus
シーズン:2026年秋冬




















