RIP SLYME x adidas Originals:“The Original”を体現する5人のヒップホップマインド
復活したRIP SLYMEが語る、「SUMMER SONIC 2025」のステージ体験とブランドとの深い関係
RIP SLYME x adidas Originals:“The Original”を体現する5人のヒップホップマインド
復活したRIP SLYMEが語る、「SUMMER SONIC 2025」のステージ体験とブランドとの深い関係
ストリートスポーツウェアブランド〈adidas Originals(アディダス オリジナルス)〉は、今春、定番スニーカー SUPERSTAR(スーパースター) と名作トラックスーツFIREBIRD(ファイヤーバード)にフォーカスしたグローバルキャンペーン “The Original” を発表。先月8日(金)~10日(日)には、両モデルを自由にカスタマイズできるポップアップイベントTHE ORIGINAL LABが開催され、さらに「SUMMER SONIC 2025(サマーソニック 2025)」の東京公演では特設ブース「THE ORIGINALS LOUNGE」を出展し、話題を呼んだ。
本キャンペーンの一環として『Hypebeast』では、「SUMMER SONIC 2025」に出演したアーティストに迫るスペシャルインタビューを実施。初回は、今年オリジナルメンバー5人体制で約1年限定の再集結を発表した、日本を代表するヒップホップグループRIP SLYME。過去には〈adidas Originals〉のキャンペーンやビジュアルに幾度も登場し、「Good Day (adidas Originals remix by DJ FUMIYA)」をリリースするなど、ブランドとの深いつながりを築いてきた存在だ。今回のインタビューでは、再集結に込めた想いやSUMMER SONICのステージでの体験、〈adidas Originals〉との関わり、そしてRIP SLYMEにとっての“The Original”の意味についてなど、じっくり語ってもらった。
音楽と個性が融合する、5人の表現力
Hypebeast:まずはSUMMER SONIC 2025へのご出演、お疲れさまでした! ライブから少し時間が経ちましたが、改めて当日を振り返ってみていかがでしたか?
RYO-Z(以下、R):ものすごく暑い季節が続いていたので大変だろうなと思っていたんですけど、ステージに出てみたら海風が心地よくて、すごくやりやすかったです。オーディエンスは大変だったと思いますが、最後までジャンプして盛り上がってくれて、めちゃくちゃ楽しかったですね。
ILMARI(以下、I):僕たちもライブをしていて楽しかったですね。本当にたくさんのお客さんが入っていましたし。
R:そうそう。ステージ上から見て、かなり多くのお客さんがいましたね。
Photo credit:砂流恵介
PES(以下、P):ただ風が強すぎて、音が流れてしまいましたし、日差しも強かったので、もしかしたらお客さんは大変だったかもしれません。
I:それでも初めてのビーチステージで、自分たちも気持ちよくライブできました。
SU(以下、S):下が砂浜になっていたのも新鮮でしたね。
次に、RIP SLYMEの皆さんから見て、adidas(アディダス)の象徴的な存在や、印象に残っているアイテムはありますか? 思い出やエピソードも交えて教えてください。
I:ラン・ディーエムシー(Run-DMC)やジャミロクワイ(Jamiroquai)とか。
R:ジャミロクワイねぇ。
I:レゲエのレジェンドな方々もいますし、皆さんはどうですか?
S:小学校の野球の時のスパイクが印象に残っています。中学校の指定シューズも3本線で、当時はadidasだと思っていましたが、後で違うブランドだと知って驚きました。それでもadidasに興味を持つきっかけになりましたね。
P:その話?(笑)
一同:(笑)
DJ FUMIYA(以下、F):やっぱり、ラン・ディーエムシーやブレイクダンサーがトラックスーツを着ているイメージが強いですね。
R:確かにセットアップの印象はありますね。僕は当時『FINE』という雑誌で、ラップ紹介ページの隣にadidasのCampusをビースティ・ボーイズ(Beastie Boys)が履いている写真を載せていて、それを見てCampusが欲しくなったのを覚えています。後に自分で買ったときは、やっとビースティーと一緒になれた感じがして嬉しかったですね。
P:自分は最初スケボーのイメージでしたね。Superstarにジャージのセットアップとかを着ていて、そのあとヒップホップでもadidasのカルチャーがあると知った感じでしたね。やっぱり、今でもスケボーのイメージが強いです。
I:『キャプテン翼』もadidasじゃなかった? みんな憧れましたよね。
R:間違いない!
スニーカーもトラックスーツも、ステージで魅せるオリジナル
RIP SLYMEさんとadidasといえば、『Good Day (adidas Originals remix by DJ FUMIYA)』でのコラボも印象的です。コラボが実現した経緯や、振り返って感じることはありますか?
F:それ以前からステージ衣装などでadidasさんにはお世話になっていました。
R:その関係性からコラボの話が進み、ツアーで広島に行った際にスタジオを借りてレコーディングしたのが思い出ですね。
P:原曲もあるんですが、今ではライブでリミックスを披露することが多く、元の曲はあまり覚えていないです(笑)
I:歌い方や歌詞も少し変えていますからね。
R:結果的にライブの定番曲になりました。そのきっかけをくれたadidasさんには本当に感謝しています。自分専用カラーのStan Smithを履かせてもらって、すごく嬉しかったです。昔から憧れがありましたから。
I:このリミックスも、今回出すベスト盤に入っています。
P:SUさんは何か思い出しましたか?
R:てか、寝てた?(笑)
S:皆さんの話、ちゃんと聞いてますよ(笑)
今年、メジャーデビュー25周年となる2026年3月22日までの1年間限定で、再集結されるニュースがありました。再集結に至った経緯を教えてください。
I:3人で活動していた時期があり、その前はRIP SLYMEとして活動していなかったんですけど、期間を決めて休止していたわけではありませんでした。そこで、再び5人でやろうという話になり、ちょうど25周年に向けた1年間のタイミングということでスタートしました。皆の人生プランなども考慮して、とりあえず期間限定という形ですね。
ということは、今後も活動を続ける可能性はあるということですか?
I:どうでしょうね。皆さんからの投票で決めますか?(笑)
R:続けてほしい、やめてほしい、どちらでもいい、の3択で(笑)
F:99%「どちらでもいい」になりそうですけどね(笑)
I:冗談はさておいて、1年限定でやっていく感じです。
グループとして活動を始めた当初から憧れたり影響を受けているアーティストやクルーはいますか?
R:全員が共通して好きだったのはファーサイド(The Pharcyde)です。「あんな感じをやりたいね」と言って集まった5人なので。
P:最終的に彼らの来日公演で前座もやらせてもらいました。
R:2001年に来日した際、渋谷でのライブ前座を担当して、セカンドアルバム前に勢いに乗れた感じでしたね。自分たちで売り込んで出演が決まりました。
P:今でもライブのMCタイムでFUMIYA君がファーサイドの曲をかけてくれます。本当に好きなグループです。
具体的にどこに影響を受けましたか?
R:普通のラップスタイルとは違い、メロディアスでキャッチーだけど重たいサウンド。当時は新鮮でした。
F:音もカラフルですしね。
R:LAのG-Funkメインの中で、LAにもNYにもいない異質な立ち位置で自由さに惹かれました。
P:ブラン・ニュー・ヘヴィーズ(The Brand New Heavies)も、コードの自由さや音楽偏差値の高さが参考になりましたね。
R:ファーサイドだけでなく、グッド ライフ カフェ(Good Life Cafe)出身の人たちからも影響を受けました。
メジャーデビュー当時から意識していて、今も変わっていないことはありますか?
I:かっこいい先輩方がたくさんいたし、同世代のグループもいたから、どう差別化するかは意識していました。ファーサイドみたいにメインストリームではないけど自然に集まる人たちのスタイルも好きでした。他と差別化したい、カウンター的な部分は意識していたと思います。
R:当時すでに素敵な人たちがメインストリームにいたので、そこに被らないようにすることは大事でした。あとは、説教くさいことを言わないようにするのも大切にしていました(笑)。
再集結後の雰囲気はいかがですか?
R:曲作りの中で、RIP SLYMEらしさを再認識しました。『どON』という曲もできて、まさに僕ららしいなと感じました。
F:『どON』に関してはシンプルで単純な構成にして、それぞれの声色の違いを楽しめるよう意図しました。
“満足感”、“親近感”、“安心感”
ファッションと音楽は密接に関係していると思いますか? 普段どのようにファッションを表現していますか?
P:ライブでは衣装が大事ですね。動きやすさも重要ですが、見た目も大事。普段は黒ばかりで忍者みたいな服を着ていますが、RIP SLYMEのライブでは色付きのものも着ます。機能性も大事なのでadidasのアイテムはよく使います。
R:年々シンプルなものが増えていますが、Tシャツ一枚でも表現になると思います。この間も初代タイガーマスクのプリントTシャツをフェスで着たら、他出演者から褒められて嬉しかったです。
F:音楽とファッションは密接です。ステージ衣装は人前に出るときのイメージ作りの一環ですね。例えば、SUさんとDJするときは割烹着で職人感を出したり(笑)。
S:職人の気持ちです。
I:それはコスプレじゃないの?(笑)
P:ステージ衣装はファッションとコスプレの中間くらいで考えています。自分がかっこいいだけじゃなく、お客さんに楽しんでもらうことも意識しています。
S:僕はモノマネからファッションに入った感じです。デビュー当初は曲もカウンター系だったので、レザーのライダースとかを着ていました。
R:あるライブでSU君がパラソルみたいな被り物をしていて、さすがにそれはダメだと言ったんですけど、SU君は譲らなくて(笑)
F:でもその後すぐ脱いじゃいましたけどね(笑)
S:ちょっとスパイスを入れたかっただけです(笑)
R:SU君は昔から買い物が上手で、ストリートブランドじゃなくても上手く着こなしていました。
S:婦人服屋さんもおすすめです!
I:それは知らなかったな(笑)。僕らはグループなので衣装を決めるとユニフォームっぽくなるので、個性をどう差別化するか考えています。
自分にとってOriginalを表現する3つのワードを教えてください。
R:まずは“満足感”。人からどう思われようが、自分が満足していればオリジナルだと思います。
F:“親近感”?
R:語呂もいいですね、“満足感”、“親近感”。
I:最後は“安心感”でどうですか?
P:牛丼屋みたいだね(笑)
S:もしくはスーパー銭湯?(笑)
I:でもこの3つ、“満足感”、“親近感”、“安心感”が揃うとすごくいい感じですね。どれも欠かせない気がしてきました。
最後に、10月から始まるツアーについて教えてください。
F:セットリストを考えている段階ですが、ぎゅうぎゅうに詰めてやろうと思っています。
R:“満足感”の塊みたいな?
F:そうです。前からのファンも、今回知った人も楽しめるセットリストにします。
I:フェスは経験しましたが、ツアーはこれからなので、アディダスを着てトレーニングして備えたいですね。
R:もちろん、しましょう!
P:ツアーが本当に楽しみです。会場で皆さんに会えるのを楽しみにしています。今回はありがとうございました。
PROFILE
RIP SLYME(リップ スライム)
RYO-Z、ILMARI、PES、SU、FUMIYAの5人で構成される日本を代表するヒップホップグループ。2026年に迎えるメジャーデビュー25周年に向けて、オリジナルメンバー5人が再集結し、約1年間限定で活動を展開中。

















