Le Labo 代官山店がリニューアルオープン
東京の香り “GAIAC 10”の原点を再解釈した店舗に
ニューヨーク発のフレグランスブランド〈Le Labo(ル ラボ)〉が、ブランド初の海外店舗として2007年に開店した代官山店を、約18年の時を経てリニューアルオープン。グランドオープンは、7月10日(木)を予定している。
この場所は、単なる販売拠点ではない。〈Le Labo〉が掲げる“スローパフューマリー”という哲学を、東京という都市の中で最も静かに、深く浸透させてきた特別な場所だ。「私たちは空間を壊すためではなく、もう一度耳を澄ますために立ち戻った」と語るのは、グローバルブランドプレジデント兼クリエイティブディレクターのデボラ・ロイヤー(Deborah Royer)。その言葉通り、新たな代官山店には、時と手間をかけて磨き上げられた静けさが漂っている。
今回のリニューアルでは、建物の骨格に手を加えるのではなく、時の経過が刻まれたコンクリートに加え木の質感をより際立たせることに注力。杉材の浮造り仕上げが施された内装は、触れるだけで豊かさを感じさせ、木型の痕跡が残るモルタルの壁面には、素材と記憶が静かに対話するような佇まいがある。
店内は2フロア構成。2階にはライブラリーとシーティングエリアに加えて、ボディケアのクリエーションと結びつく“朝の習慣”としてのシンクも設置されており、香りと暮らしが交差する静かな時間が流れている。1階のラボエリアでは、ブランドの代名詞でもある“フレッシュブレンディング(注文後に手作業で調合する工程)”をガラス越しに眺められる設計に。また、外には木製のベンチが置かれており、空間を壁の外へと広げ、店の内側と
外側をつなぐ役割を果たしている。
〈Le Labo〉を代表するフレグランス “GAIAC 10(ガイアック テン)”は、2008年に誕生した“東京の香り”として知られる。当時ラボを持つ店舗はここのみだったことから、この店は“GAIAC 10”のホームとして、多くのファンに愛されてきた。繊細なウッド調と、東京という都市そのものの静けさを映し出すような奥深く力強い香りは、18年経った今もこの地の空気と共鳴し、国内外でも魅了しつづけている。
都市性と自然性、創造性と静けさが同居する代官山の空気は、〈Le Labo〉が体現する“本質への耳を澄ます姿勢”と美しく呼応する。今回のリニューアルは、そんな街とブランドとの静かな共鳴を、もう一段深く掘り下げたようにも感じられる。
また、今回のリニューアルに合わせ、イギリスのカルチャーマガジン『Another Magazine(アナザーマガジン)』とコラボレーションした限定キャンドル “AMBROXYDE 17”も数量限定で発売。「香りは誰にも予測も操作もできない、独自の言語を語ります。その中には、いくつもの個人的な物語や、これから紡がれる親密な体験が秘められている──ときには、それを誰かと分かち合えることもあるのです。こうした視点は、Another Magazine
との長年の友情の中で一貫したテーマでもありました」とロイヤーは語る。本コラボレーションでは、彼らの紹介で出会ったコラージュ・アーティスト カトリーン・デ・ブラウワー(Katrien De Blauwer)がアートワークを担当。彼女独自の重なり合う抽象表現によって、“香りという目に見えない言語”を視覚的に表現している。
代官山店は、これまで通り“変わらず、存在し、つながる”ための空間であり続けるという。リニューアルは、その哲学をより明確に、より豊かに表現するための進化だ。18年前と同じ場所で、同じ香りに出会う──その瞬間に、新しい記憶が重なっていく。そんな静かな変化を体験するこの場所から、今、静かに新たな章が始まる。
Le Labo 代官山
オープン日:7月10日(木)
営業時間:11:00-20:00
住所:東京都渋谷区恵比寿西1-35-2

















