SEIKO クレドール ロコモティブにヘキサゴナルグリーンの新文字盤が登場

巨匠ジェンタの幻の傑作が、アイコニックな六角形を深緑の新たな装いで表現し、常設ラインナップへ

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「SUZUKI(スズキ)」の小型四輪駆動車“ジムニー(Jimny)”初の5ドア仕様“ジムニーノマド(Jimny NOMADE)”が2025年4月に日本登場以降、予約殺到でメディア掲載自粛要請が出ているというまことしやかな噂があるが、実は昨年、世界限定300本(うち日本は200本)で発売された〈SEIKO(セイコー)〉のクレドール50周年記念 ロコモティブ 限定モデルも、問い合わせが殺到し「売るものがない」状態だったのはご存知だろうか。発売前後は、メディアに対して掲載を控えてほしいという異例の事態にまで発展していた。

そして今、その“クレドール ロコモティブ”が、待望の復活からわずか1年足らずで、限定という枠を超え、レギュラーモデルとして再登場した。その文字盤には、見る者の心を捉える深みのあるグリーンが採用されている。

SEIKO クレドール ロコモティブにヘキサゴナルグリーンの新文字盤が登場

まず、ここで“クレドール ロコモティブ”の誕生秘話を紐解いていこう。デザインを手がけたのは、その作品数の多さから“時計界のピカソ”と称されるジェラルド・ジェンタ(Gerald Genta)。彼が手がけた〈Audemars Piguet(オーデマ ピゲ)〉の“ロイヤル オーク”や〈Patek Philippe(パテック フィリップ)〉の“ノーチラス”といったモデルは、現在では超入手困難な最高峰のラグジュアリースポーツウォッチとして君臨している。そんな巨匠が、長らく公にされることのなかった事実として、〈SEIKO〉のためにデザインしたのが、このクレドール ロコモティブで、1979年にその姿を現していた。当時の販売本数は5000本とされているが、当時の生産背景を鑑みると、実際の流通量はさらに少なかったであろうと、〈SEIKO〉関係者が密やかに語っていた(ここだけの話)。で、興味深いことに、ジェンタは1970年代に何度も日本を訪れており、〈SEIKO〉とは密接な関係を築いていたとされる。そして「ロコモティブ」という名称は、ジェンタ自身が名付けたもの。数多の時計デザインを手がけた彼が、モデル名にまで携わるのは極めて稀なことで、その情熱が伺える。ちなみに「ロコモティブ」とは、文字通り「機関車」を意味するが、フランス語では「牽引力」という含意も持ち合わせている。

そして2024年、ジェラルド・ジェンタがデザインした事実が公表されるとともに、冒頭で触れたクレドール50周年記念 ロコモティブ 限定モデルが発売された。このモデルは機械式であり、特筆すべきは、1979年のオリジナルよりも“オリジナルに近い”という点だ。その理由は、ジェンタが遺したオリジナルのスケッチに、より忠実に再現されているからに他ならない。例えば、12時位置のインデックスは2本のラインで構成され、あらゆる角度からでも瞬時に12時を認識できるよう配慮されている。また、リューズの位置は正確な4時位置に配置され、1979年のオリジナルが3時と4時の間にあったのに対し、よりスケッチ画の意図を汲んでいる。さらに、ブレスレットも特徴的で、テーパーがかった駒と、それらを繋ぐ六角形の中駒が、まさにジェンタの描いた線画そのままに、腕元に吸い付くような一体感を演出する。

そしてこのたび、レギュラーモデルとして満を持して登場したのが、ダイヤルカラーに深みのあるグリーンをまとった新たなクレドール ロコモティブだ。この色は〈SEIKO〉は「Green Light」を表現したという。これは鉄道システムの「青信号」に由来し、「新たな道へ前進してゆく」というポジティブな意味合いが込められている。まさに、新たなるロコモティブの幕開けを告げるにふさわしいネーミングと言えるだろう。しかし、その魅力は色だけではない。

ダイヤルには、まるでハチノス(蜂の巣)を思わせるような、ロコモティブにとってはアイコニックな六角形のパターンが配されているのだ。ケースやベゼルにも用いられている六角形モチーフとの統一感はまさに圧巻。そして、この六角形はただの模様ではない。よく見ると、交互に異なる方向のストライプ模様が施されており、光の当たる角度によって色が明滅するように見える、まさに“生きた”文字盤となっている。この緻密な仕上げは、光を操り、まるで生き物のように表情を変える“魔術師”ジェンタのデザイン哲学を、〈SEIKO〉が現代の技術で昇華させた証と言えるだろう。

ケースとブレスレットは引き続き、ブライトチタンが採用されている。チタンは加工に非常に時間がかかる素材であるため、レギュラーモデルとはいえ、市場に一気に溢れるという状況にはなりにくいだろう。しかし、“Green Light”という表現を選んだことが示唆するように、このモデルの登場は、クレドール ロコモティブという稀代の(隠れ)傑作が、さらなる進化への序章であることを告げているに違いない。今後、フルゴールドやコンビモデルといった多様なバリエーションの展開も想像に難くない。ただ、このモデルの持つ特別な魅力が、市場に広く普及することで薄れてしまうのは避けたいところだ。可能であれば、限定モデルやスペシャルモデルといった形で、その希少性を保ちつつ、新たな驚きを提供し続けてくれることを期待せずにはいられない。

CREDOR LOCOMOTIVE
品番:GCCR997
税込小売価格:187万円
発売開始:2025年5月23日(金)
限定数:なし
ケース・ブレスレット:ブライトチタン
Cal.(精度):CR01(日差+15秒~-10秒)
ガラス(無反射コート):サファイアガラス(内面無反射)
ケースサイズ:縦41.7mm × 横38.8mm × 厚さ8.9mm
裏蓋構造:6本ねじ
防水性能:日常生活用強化防水(10気圧)
竜頭構造:ねじロック式
MADE IN JAPAN

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