これが大戦 LEVI’S® 501(SもXXも表記なし)のオリジナル・デッドストックだ
終戦後、1945年以降に生産されたと思われる、ペンキステッチが入る1本
ここに登場するヴィンテージ〈LEVI’S®(リーバイス)〉501は、先日ご紹介したヴィンテージ〈LEVI’S®〉 506(通称“ダウンパッチ”)に引き続き、革パッチのロットナンバーに「S」も「XX」も記載のない個体だ。Copyright表記は1945、そして尻ポケットのアーキュエイトはペイント仕様。これらのディテールから、1945年以降の40年代中期に生産されたジーンズであることは間違いない。本個体も、2025年2月に伊勢丹新宿店で顧客向けに発表されたデニム研究家 脇谷重輝のデッドストックシリーズの中に並んでいた。状態はフラッシャーやギャランティチケットが一部破損しているものの、80年経過しているとは思えない保存状態だ。
この奇跡の大戦オリジナル・デッドストック501も撮影の機会を得たので、そのディテールをじっくり見ていこう。
革パッチの刻印はかなり薄れているものの、目を凝らして見ると501という文字だけと、W36、L36が確認できる。つまり、(オリジナル大戦にもかかわらず)SもXX表記もない501のみの表記。あの506 “ダウンパッチ”と同様となるモデルだ。そして、この個体には、他にもユニークな特徴が随所に見られる。
まず、縫製は、ダウンパッチと同じく“下手うま”クオリティである。裏リベットの縫いがはみ出しているし、赤タブの位置は通常よりかなり下(通常はポケット丈夫から約1インチ下)。さらに、フロントボタン裏のVステッチは「V」というより、もはや「I」に近い直角の折り返しになっている。裾のミミは、片方が閉じた状態でまつり縫いされている(これは、この個体特有というより大戦期では時々ある)。このような“粗さ”は、縫い子の報酬が時給ではなく出来高制だったことが理由との意見もあったが、真相はさだかではない。
ただ、これらの荒技が、今の視点から見れば、これこそがもっとも大戦らしい大戦仕様ともいえ、その不完全さにファッション的なオーラが宿っているものまた事実だ。なお、この個体のボタンはトップも小ボタンもいずれもリーバイス表記のもので、ザ・大戦の象徴とも言える月桂樹ボタンではない。Copylightが1945年であることからも、大戦期にリーフデザインのボタンがついていたのは、1943〜44年あたりが主流だったのだろうと推測ができる。
撮影時には “ダウンパッチ”の506ジャケットも手元にあったため、この“No S No XX”の501とともに上下でスタイリングして撮影してみた。501のほうが、インディゴの深みがあり、よりドス黒く仕上がっているように見える。
さて。このデッドストックを、いつか誰かが実際に下ろすか否か──それはヴィンテージ愛好家にとって永遠の問いであり、禁忌に触れるような行為でもある。だが、その禁断の想像だけで、生唾が止まらなかった。
Vintage LEVI’S 501(No S No XX)
・尻ポケットのアーキュエイトはペイントステッチ仕様(黄色の太めなドット)
・前立て裏の持ち出しは切りっぱなし
・コインポケットにはリベットはなし
・大戦ディテールを備えながら、革パッチのロットナンバーに「S」も「XX」も表記なし
・Copylightは「1945」
・裏リベットの周辺の縫製は、大戦らしく膨らみがあるがやや粗い
・赤タブの位置は不規則
・リベットは鉄製で銅メッキ加工
・トップボタン・小ボタンともにリーバイスのオリジナルボタンを使用



















