“自然体”から生まれる音楽 ── SARA-J 最新シングル『Butterfly』リリース記念インタビュー
長年制作を共にするプロデューサー FOFUも交えて楽曲に込めた思い、アーティスト SARA-Jの魅力を紐解く

“自然体”から生まれる音楽 ── SARA-J 最新シングル『Butterfly』リリース記念インタビュー
長年制作を共にするプロデューサー FOFUも交えて楽曲に込めた思い、アーティスト SARA-Jの魅力を紐解く
『Hypebeast(ハイプビースト)』の展開する音楽ディストリビューション・レーベルブランド「Hypetrak(ハイプトラック)」から、東京を拠点に活動するアーティスト SARA-Jの最新シングル『Butterfly』が、5月21日(水)にリリースされた。
日本とフィリピンにルーツを持つSARA-Jは、国内外問わずさまざまな音楽からインスピレーションを受けて育ち、2018年にアーティストとして本格的に活動を開始。デビューシングル『24 hours(feat.fezzy)』を発表以来、リリースを重ねる度に反響を呼び、『Spotify(スポティファイ)』や『Apple Music(アップル ミュージック)』の主要プレイリスト、〈H&M(エイチ・アンド・エム)〉や〈Nike(ナイキ)〉などのプレイリストにもセレクトされる。また、DJ RYOW『Call Me ft. SARA-J, Ymagik,さなり』、JUBEE『Joyride ft. SARA-J』といった楽曲にフィーチャーされるなど、いま日本で最も今後が期待されるアーティストの一人と言える。
今回の新曲『Butterfly』は、一度聴いたら忘れられないキャッチーなサビと浮遊感のあるリズミカルなトラックが織りなす、幻想的なR&Bナンバー。この楽曲を共作したのは、長年彼女とタッグを組むプロデューサー FOFU。『Hypebeast Japan』では『Butterfly』のリリースを記念し、二人へのインタビューを敢行。SARA-Jの音楽的ルーツや普段の創作スタイル、そして『Butterfly』に込められたストーリーを紐解いていく。
Hypebeast:まずは、SARA-Jさんの音楽的なルーツから教えてください。
SARA-J(以下、S):物心ついた時から、音楽がずっと身近にありました。2歳ぐらいの時には、もうテレビで『ミュージックステーション』を見ながら、ソファをステージに見立てて、リモコンをマイク代わりにして歌っていたくらい。歌うことが自然で、遊びの一部だったんです。また、私は幼い頃にフィリピンにも4年間住んでいて、現地ではみんなが集まって外でカラオケをするような文化があって。マイクを回しながら、老若男女が一緒に歌ってる。そのような環境も私の中ではすごく大きかったですね。
常に音楽がまわりにあるような環境で育ったんですね。将来アーティストになろうと思ったきっかけはありますか?
S:うーん、大きなきっかけというより、ずっと歌うことが好きで続けていたら、自然とそうなっていた感じですね。小学生の卒業文集にも「歌手になりたい」と書いてましたし、他の選択肢がないくらい、当たり前のように決まっていた気がします。
では、最初に観客の前でパフォーマンスをしたのはいつ頃ですか?
S:最初のステージはフィリピンでのワークショップでした。音楽だけじゃなく、演技やスピーチ、ダンスも取り入れたワークショップで、そこでステージでパフォーマンスすることを体験しました。日本に帰ってきてからは18歳くらいからライブ活動を始めて、オリジナル曲を作って披露するようになりました。
曲は当初からオリジナルを書いていたんですか?
S:そうですね。当時、SONY(ソニー)の新人開発部門に通いながら色々模索していたんですけど、「自分で(曲を)書きたい」という気持ちが強くて。フィリピン時代にはギターを弾きながら曲を書いたりしていました。完全に独学ですね。
今の音楽スタイルにつながるヒップホップやR&Bへの興味は、どこから生まれたんですか?
S:私、6人兄弟なんですけど、兄の一人がめちゃめちゃヒップホップ好きで。ある時兄の部屋をこっそり漁ってたら、キングギドラやブッダブランドのカセットテープが出てきて(笑)そこから一気に世界が広がりましたね。
それは音楽的には相当な英才教育ですね(笑)。では、長年タッグを組んでいるFOFUさんとの出会いについて教えてください。
S:18歳くらいの頃から、R&Bスタイルのオリジナル曲を歌いたいと思っていたんですが、周りにそういったトラックを作れる仲間がいなくて。ある時、沖縄のイベントに遊びに行って、そこでDJとしてパフォーマンスしていたのがFOFUさんだったんです。そのサウンドがまさに私が求めていたR&Bそのもので、「この人だ!」って。その後、酔ってステージに飛び入りしたら、FOFUさんは「マイクを奪われた」と思ったらしくて(笑)。でもそこから「君面白いね」と話すようになって、私からも「トラック作ってください」とお願いして、一緒に曲作りが始まりました。
二人の制作スタイルについても教えてください。
S:曲作りに関しては、明確な役割分担あるわけではないんです。最初にFOFUさんがトラックを作って、それに私がフリースタイルで歌を乗せていく場合もあれば、トラックから一緒に作ることもあります。また、FOFUさんは元々ラッパーでもあるので、トップラインや歌詞についてアイデアを出してくれたりします。私も彼の作ったトラックに対して、もっとこうした方良いと伝えたり。完全に分業というより、二人で一つのチームとして曲を作っていく感じですね。もう10年以上そのスタイルでやってます。
プロデューサーであるFOFUさんから見て、SARAさんのアーティストとしての魅力はどんなところだと思いますか?
FOFU(以下、F):SARA-Jはものすごい“引き寄せる力”を持っていて、自然と周りに人が集まってくるんですよね。もちろん、彼女の歌声にも力があって、周囲を巻き込んでいく。それらは持って生まれた才能だと思うし、これからさらに広がっていくんじゃないかなと感じています。
新曲『Butterfly』のタイトルはどのように生まれたんですか?
S:実は深く考えて決めたというより、自然と“音”から出てきたんです。制作はいつも通りフリースタイルから始まって、メロディの響きから“バタフライ”というワードがスッと出てきて。自分で決めたというよりも、音が決めたというか、そう聞こえてきたみたいな。
F:先にコンセプトやテーマを決めるというより、響きや感覚に委ねて作ることが多くて。今回も、最初に出てきた“バタフライ”という言葉の響きが、自然と曲全体のムードや物語を導いてくれた感じです。
S:あと、私マライア・キャリーが大好きで、子どもの頃からサインの練習でよく蝶々を描いてたんです。もしかしたらそういう記憶も無意識に繋がってるのかもしれません。
楽曲に込めたストーリーやテーマについて教えてください。
S:『Butterfly』は恋愛の曲で、出会ったはずの人がまるで夢だったかのように、急にいなくなってしまう。その人を探し求めるような、切ない気持ちを込めています。でもサウンドはハッピーでファンタジックなバイブス。ちょっとした浮遊感もあって、悲しみを感じさせないのがポイントですね。
たくさんの人たちと音楽で“共鳴”したい
リスナーにはどのようなシチュエーションで聴いてほしいですか?
S:内容は切ないけど、サウンドは心地良いので、ドライブ中とか、散歩しながらとか、春から夏にかけて外にお出掛けする時にぴったりだと思います。気分を上げたい時にもおすすめです。
今後の目標や展望を聞かせてください。
S:より多くのリスナーに私たちの音楽を聴いてもらいたいですし、ライブで大合唱できるような楽曲を届けたいという思いもあります。みんなと音楽で“共鳴”したいですね。また、今年は新しいチャレンジの年になると思っていて、これまでの自分の固定概念を壊していきたいです。
最後に、SARAさんのファンや、『Hypebeast』の読者へメッセージをお願いします。
S:これまで多くの曲作りを重ねてきて、ようやく自分たちでも「これだ」という形が見えてきました。しばらくリリースが止まっていた時期もありましたが、今はもう納得のいく楽曲を届けていける準備が整いました。これからはどんどん新しい曲を発表していけると思いますので、今後の作品をぜひ楽しみにしていてください。そしてもし私たちのライブを観る機会があれば、一緒に最高の瞬間を共有できたら嬉しいです!
〈SARA-J〉
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(全てatmos pink)
アーティスト:SARA-J,FOFU
タイトル:『Butterfly』
配信日:5月21日(水)