Watches & Wonders 2025 で把握しておくべきこの3本
〈Rolex〉、〈Patek Philippe〉、〈Cartier〉……今年の“腕時計祭り”から見逃せない話題作はコレ

2025年4月1日(火)から8日(火)まで開催された、時計界最大級のイベント「Watches and Wonders Geneva(ウォッチズ アンド ワンダース ジュネーブ)」。スイス・ジュネーブの大型展示場「パレクスポ」内に設けられた7つのホールには、約60もの時計メゾンが集結し、それぞれが最新作を披露。イベントは無事に幕を閉じた。
『Hypebeast』では、百花繚乱の新作時計のなかから、注目すべきモデルを〈Rolex(ロレックス)〉、〈Patek Philippe(パテック フィリップ)〉、〈Cartier(カルティエ)〉の3ブランドからピックアップ。機械式時計ヘッズであれば、たとえ多忙を極めていても、この新作だけは見逃さないようにしよう。
Rolex ランドドゥエラー
〈Rolex(ロレックス)〉が発表した新作“Land-Dweller(ランドドゥエラー)”は、2025年のWatches&Wondersで最も話題をさらったモデルのひとつ。完全新作として登場した本作は、革新的なスペックに加えつつ、一体型のブレスレットフォルムで、“あれに似てる・似てない”含め、時計ファンの間で賛否入り混じる熱い議論を巻き起こしている。
とはいえデザイン面では〈Rolex〉の伝統をしっかり継承しており、フルーテッドベゼルや、新フラットジュビリーブレスレットなどが見事に調和。1969年の“Quartz”や1974年の“Datejust”といったアーカイブピースからのオマージュもさりげなく織り込まれている。また、なんと言っても、視線を引きつけるハニカムダイヤルがアイコニックだ。
その見た目に負けない中身も秀逸で、開発期間はなんと7年以上。合計32件の特許(うち18件は新規技術)を取得しており、〈Rolex〉の技術力を改めて見せつける仕上がりだ。ムーブメントには、1908年モデルに着想を得た新型キャリバー7135と、特許取得済みのデュアルホイールエスケープメントを搭載。
ケースサイズは36mmと40mmの2種類で、スティール、プラチナ、そしてエバーローズゴールドの3素材をラインアップするとのこと。現在日本〈Rolex〉の公式サイトには、40mmのスティール x ホワイトゴールドのコンビモデルが225万5000円で登場している。
Patek Philippe カラトラバ 6196P
(4年ぶりの)時刻表示のみ、プラチナケースのサーモンカラーの“カラトラバ”ってだけでもう最高。〈Patek Philippe(パテック フィリップ)〉が「Watches & Wonders 2025」で披露した新作“Calatrava 6196P(カラトラバ 6196P)”は、同ブランドの新ラインアップの中ではとくに控えめな1本だったが、静かに奥行きのある存在感を放つ。
ローズゴールドめっきのオパール調ダイヤルは、ヴィンテージライクな雰囲気を漂わせつつ、ミニマルなスモールセコンド表示や、アンソラサイトカラー(黒グレー)のホワイトゴールド製インデックスにより、これぞパテックの本領発揮と言わんばかりの洗練の極み。サイズは、38mm(径)x9.33mm(厚)のプロポーションで手首に程よく馴染み、“時を超えるエレガンス”を体現できる。
ケースバックにはサファイアクリスタルを採用しており、搭載された手巻きムーブメント「Caliber 30-255 PS」の繊細な構造と職人技が惜しげもなく露わにされている。シンプルな美しさの奥に、〈Patek Philippe〉らしい技術と品格が静かに息づく。値段も発表されており、746万円だ。
Cartier プリヴェ・タンク・ア・ギシェ
〈Cartier(カルティエ)〉のアイコニックな名作に新解釈を加えて最新技術で限定生産されるコレクション“カルティエ プリヴェ”から、いまから96年前に登場した“タンク・ア・ギシェ”が復活。時間を時と分のみで表示する独特の「窓」が特徴で、超アナログなのに、極めてデジタルなTankだ。このシリーズは、プラチナ、ローズゴールド、イエローゴールドの3種類で展開しつつ、注目すべきは、非対称デザインを採用した限定200本のプラチナモデル(写真一番右および2枚目)。10時方向に傾いた時表示窓と、4時付近に斜め配置された分表示によって、クラシックな意匠に現代的なアヴァンギャルドさを巧みに融合させた1本に仕上がっている。ゴールドのモデルは759万円(予定価格)から、プラチナモデルは970万2000円(予定価格)で、どちらも2025年9月発売。