JAIA 2025試乗会で電気自動車5台に一気乗り

エンジンは消えても熱さは残っている

オート 
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毎年2月に開催されるJAIA(日本自動車輸入連合)の試乗会に、『Hypebeast』も参戦。今年(2025年)は「EVしばり」で挑み、最新の電動マシン5台をテストドライブしてきた。ラインアップは、中国EV界の雄「BYD(ビーワイディー)」のSEAL AWD、内燃機関のフィーリングを“バーチャル再現”する「Hyundai(ヒョンデ)」のIONIQ 5 N、伝統のコンパクトボディにEV魂を宿した「ABARTH(アバルト)」の500e Turismo、MINIらしい“ゴーカート感”をEVでも発揮する「MINI(ミニ)」のACEMAN SE、そしてポルシェらしいバランスの良さが光る「Porsche(ポルシェ)」のMacan 4。

試乗時間は1台につき約40分と短めだったが、それぞれの個性はハッキリ。EVなのにエンジン音を響かせるクルマ、モーターならではの鬼加速を見せつけるクルマ──各メーカーがEVの未来をどう描いているのかが、乗れば一発で伝わってきた。その雑感を、ミニリポート形式でお届けする。

BYD SEAL AWD

朝一番に試乗したのは、中国最大のEVメーカー「BYD」のe-スポーツセダン“SEAL”に試乗。このSEALのラインアップはRWD(2輪駆動)とAWD(4輪駆動)の2モデルがあり、その差は馬力に現れている。RWDは313PSで、AWDは530PSという驚きのパワー。(確かポルシェのタイカン4Sも530PSだったよな、自然吸気だとランボルギーニ ガヤルドが560PSだから、SEAL AWDってそんなにパワーがあるのかよ、マジかよスゲェな……)と驚きつつ、当然ながらAWDモデルを選択。

JAIAの会場までは、1989年式の911(Type930)で来たのだが、SEAL AWDに乗り換えた瞬間、思わず新しいテクノロジーに触れた気分。助手席のカメラマンは、「まるでUFOにでも乗ったかのようだ」と表現していたが、確かに同じ“クルマ”とは思えないほど別世界だった。EVらしい軽いフィーリングながら、クセがなく、乗りやすい。そして、踏めばスーパースポーツのような加速力。ちなみに0-100km/h加速は、3.8秒らしく、実際に走ってみても納得の速さだ。(CMで長澤まさみが言うように)「アリかも」しれないけど、個人的には930を手放してまで乗り換えるかと言われると、うーん……という感じ。ただ、2025年4月にこのSUVタイプの“SEALION 7”が登場するらしく、それはそれでEV界のゲームチェンジャーになりそうな予感。

Hyundai IONIQ 5 N

2台目は、モータージャーナリストたちから「一度乗った方がいいよ、面白いから」と言われていた「Hyundai」の“IONIQ 5 N”に念願の初試乗。何がすごいかというと、EVなのに内燃機関のフィーリングをヴァーチャルで再現している点だ。アクセルを踏み込むと、排気音(のような音)がぐーんと吠え、パドルでシフトアップしていくとシフトショック(のような感覚)もちゃんと感じられる。そして、シフトダウン時にはランボルギーニ的な“パンパンッ”ていうアフターファイアの音も健在。これには、思わず笑みがこぼれてしまった。とはいえ、西湘バイパスを走っていると、後ろから「Ferrari(フェラーリ)」のF355が現れ、窓を速攻で開けて本物のエンジンの咆哮を聴きたくなったのも事実だ。

MINI ACEMAN SE

クーパー、カントリーマンに続いて、「MINI」のEV3車種目となる“エースマン”に試乗。こちらのエースマンはEV専用車両で、サイズ的にはクーパーとカントリーマンの中間に位置する4ドアハッチバックだ。果たして、「MINI」の走り心地でよく論じられる“ゴーカート感”はあるのだろうか。実際に乗車すると、まず目を引くのはダッシュボードのファブリックに効いたオレンジ色のステッチ。シートのトリミングにもオレンジのアクセントが入り、洒落た雰囲気を演出している。「MINI」らしいアイコニックな円形ディスプレイともあいまって、走り出す前からすでに気分が上がる。こういう遊びのあるデザインは、デートでもウケが良さそうだ。

ステアリングを握ると、はい、きちんとゴーカートフィーリング。ダイレクトでクイックなハンドリング操作が可能で、低重心で安定したコーナリングが実現。路面の凹凸状況もダイレクトで伝わってくるサスペンションで、EVになってもこのきびきびなフィールは健在だった。「MINI」らしい走る楽しさは、EVになっても色褪せていない。

ABARTH 500e Turismo Cabriolet

現代的なFIAT500の見た目そのままに、「アバルト」がEVチューンした
“500e Turismo”。このFIAT500のデザインは、2007年の登場からすでに17年も経過しており、継続して愛され、古臭く全くないという点においても実に優秀なカタチだと思う。そして、このカタチを(アバルト初の)EVにまで活かせるので、マジすごデザインだ。

で、こちらもIONIQ 5 Nと同じくエンジン音を再現しているが、その再現方法はまったく異なる。スピーカーが左後方部下、つまりマフラーポジションに取り付けられており、そのため、かなりリアルな音が再現されている。停車していると、若干作り出した音感が感じられるもの、屋根を開けて走ると、その音のフィーリングは驚くほどリアルで楽しい。聞けば、このサウンドシステムは、数人のメンバーが延べ6000時間を費やして作り上げたものだとか。ガソリンを吹かす背徳感もなく、こんなEVなら乗ってみたい、と思わせてくれた1台だった。

Porsche Macan 4

2014年にデビューした「ポルシェ」のマカンが、2024年に第2世代へと進化。ついにEV専用モデルになった(とはいえ、初代ガソリンモデルも2025年末まで継続販売中)。新型EVマカンには4つのグレードがあり、後輪駆動のマカン エレクトリック、全輪駆動のマカン 4 エレクトリック、その上位モデルであるマカン 4S エレクトリック、そして最上級のマカン ターボ エレクトリックがラインナップ。……ん? ターボ? EVなのに?と思った人もいるかもしれない。もちろんターボチャージャー(過給機)がついているわけではない。これは「ポルシェ」がEVでも従来のグレード名を継承しているからで、逆に「ターボ」という名前に込められた“最上位”の響きが活きている。

そんな中、今回試乗できたのはマカン 4 エレクトリック。この日乗ったEVの中で、もっとも安定感があり、乗っていて安心できる1台だった。EVだからといって奇をてらったデザインに走るわけではなく、「走りの本質さえ極めていればいいだろ?」とでも言いたげな1台。その潔さが、逆にポルシェらしい。乗り味にクセが少ないようにも感じたが、むしろクセのなさが最大の美点なのかもしれない。結局のところ、毎日乗るなら、信頼できる安定感が最強。どこかに送り迎えしてもらうなら、本日試乗した中では間違いなくこれを選ぶ!

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