Gucci の新クリエイティブ・ディレクターにエディ・スリマンが就任との噂
古巣「Kering」に復帰か

〈Gucci(グッチ)〉は2025年2月6日をもってクリエイティブ・ディレクター サバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)が同職を退任することを正式に発表。現時点で彼の後任は明かされていないものの、エディ・スリマン(Hedi Slimane)が新たなクリエイティブ・ディレクターに就任するのではないかという噂が浮上した。
複数のメディアの報道によると、その可能性は“中程度”だという。理由はエディと〈Gucci〉の親会社である「Kering(ケリング)」との関係にある。エディは2012年から4年間、「Kering」傘下の〈Saint Laurent(サンローラン)〉のクリエティブ兼イメージ・ディレクターを務め、プレタポルテコレクションのブランディングを刷新。スキニーパンツやライダースジャケット、ハンドバッグなど多くのヒット商品を生み出し、ブランドの発展に大きく貢献した。
しかし、エディは2016年に同職を退任後、数カ月後にフランスの労働裁判所に「Kering」を提訴。理由は彼が「Kering」と交わした契約書の中に退任後は一定期間競合ブランドに移らない代わりに1,300万ドルを支払うといった競業避止条項が含まれていたが、同社がこれを破棄したため。一方で「Kering」は契約破棄はエディからの申し出があったから応じたと説明したものの、裁判所は彼の主張を認め、同社に支払いを命じた。その後も両者の法的紛争は数年にわたって続いたが、エディ側が勝訴している。このような経緯から、エディが「Kering」傘下のブランドに復帰することはないのではという意見もあるが、果たして…。その答えは〈Gucci〉からの正式な発表を待とう。