宮下貴裕が新プロジェクト TakahiroMiyashita:FooTokyo を始動──休息のための服が昼も夜も着られる“永遠のワードローブ”へ
2026年6月販売開始。「この企画は、できることならずっと続けていきたい」
2025年秋冬コレクションを最後に〈TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.(タカヒロミヤシタザソロイスト.)〉を去ったデザイナー 宮下貴裕が、新たなプロジェクト〈TakahiroMiyashita:FooTokyo(タカヒロミヤシタ:フートウキョウ)〉をスタートさせる。2025年12月に発表され、販売開始は2026年6月。ファーストシーズンは2026年秋冬コレクションとなる。
本プロジェクトは、“パジャマ・ルームウェア”を軸に上質な日常を提案してきた〈Foo Tokyo(フートウキョウ)〉との取り組みから生まれたもの。宮下にとって極めてパーソナルな日常の延長線上で構想されたコレクションは、現実的でありながら幻想性を帯びた、いわばスピンオフのような存在だという。
〈Foo Tokyo〉の代名詞であるパジャマは、心身ともに最も無防備な状態に寄り添う衣服であり、「人のやすらぎ」に最も近い存在だ。だからこそ、生産背景、素材、ディテールに一切の妥協を許さないという哲学が貫かれている。その姿勢に強く共鳴した宮下は、ファッションデザイナーとして常にデザインを続けてきた“永遠のワードローブ”としてのパジャマを中心に、ルームウェアを進化させ、新たな可能性を提示する。
宮下の手にかかることで、〈TakahiroMiyashita:FooTokyo〉のウェアは、どこか1950年代のアメリカンスタイルを思わせる佇まいへと変容する。あくまでリラックスウェアでありながら、家の中だけに留まらず、街へと自然に溶け出していく。昼と夜、オンとオフ、インドアとアウトドアといった境界線を軽やかに越境し、シームレスに着用できるアイテムへと深化している点が本プロジェクトの大きな特徴だ。
今回のリミテッドコレクションでは、〈Foo Tokyo〉が最も大切にする“肌に触れる生地”を宮下自身が厳選。シルクの中でも最高ランクとされる6A/5Aクラスの素材を使用し、縫製は日本の高い技術力を誇る国内工場に依頼。縫い代や糸が肌に当たらないよう配慮するなど、見えない部分にまで徹底的なこだわりが施されている。
到着したヴィジュアルも圧巻だ。スタイリングは野口強、撮影はTAKAY、ヘアはTaku、メイクはNao Yoshidaが担当。宮下のディレクションのもとに集結した最強の布陣が、〈TakahiroMiyashita:FooTokyo〉の世界観を鮮明に描き出しており、日本発でありながら明確にグローバルを見据えたクオリティを感じさせる。なお、合わせられたデニムなどにはヴィンテージアイテムがミックスされており、ルームウェアの境界を軽やかに越える存在感が可視化されている。
「この企画は、できることならずっと続けていきたい」。そう語る宮下の言葉どおり、本プロジェクトは一過性のコラボレーションに留まらず、人生に寄り添い続ける服の本質を体現する試みでもある。休息の時間を創造し、“なにもしないという贅沢”を肯定する〈TakahiroMiyashita:FooTokyo〉は、日常と夢のあわいへと私たちを静かに導いてくれるはずだ。


















