クリストファー・ノーラン監督作品『オデュッセイア』公式トレーラーが公開
2026年劇場公開予定
クリストファー・ノーラン(Christopher Nolan)監督によるホメロス叙事詩を再解釈した『オデュッセイア』のトレーラーがついに公開された。
本作は単なる古代叙事の映画化にとどまらず、海という自然の圧倒的な力と向き合うハイリスクな海洋サバイバル叙事詩として描かれる。主演はマット・デイモン(Matt Damon)。トロイア戦争終結後、故郷イタカへと兵士たちを連れ帰ろうとする疲弊した王オデュッセウスを演じる。
トレーラーは、トロイの木馬の内部という閉塞感あふれるシーンから始まり、物語全体のリアルで荒々しいトーンを提示。キュクロプスやセイレーン、キルケといった神話的存在はあえて影に留められ、恐怖の焦点は紀元前8世紀の海が持つ予測不能で暴力的な力そのものに置かれている。
感情面の核となるのは、オデュッセウスと家族との隔たりだ。息子テレマコス役のトム・ホランド(Tom Holland)、妻ペネロペ役のアン・ハサウェイ(Anne Hathaway)が登場し、「必ず帰ってきて」というペネロペの切実な言葉が、長き航海にかかる緊張感を強く印象づける。
映像表現は、ノーラン作品らしく圧倒的な実写主義を貫いている。大規模な船の残骸や荒れ狂う海景はCGに頼らず構築され、10年にも及ぶ旅路がもたらす心理的消耗に焦点を当てることで、西洋文学最古級の物語を現代的で息を呑むIMAX体験へと昇華させようとしている。
ノーランが描く『オデュッセイア』は、神話でありながら極めて人間的な物語として、スクリーンに新たな航海を刻むことになりそうだ。アメリカでは2026年7月17日(金)公開予定。日本の公開日は続報を待とう。
















