成都・青城山で行われた Canada Goose の没入型イベントをレポート
「ヘリテージ」「文化」「自然との共生」──山歩きから野外シネマまでを通してブランド哲学を体感
ユネスコ世界遺産にも登録される中国・成都の青城山で、〈Canada Goose(カナダグース)〉が、11月7日(金)〜9日(日)、「クラフトマンシップ」「文化」「自然との共生」を軸にした没入型イベントを開催した。霧がかかる山並みと深い森に囲まれたこの地で、ブランドは3日間にわたり、自然と向き合うための体験プログラムを通じて、ヘリテージと未来への視点を立体的に提示。『Hypebeast Japan』もこのイベントに参加したので、その様子をレポートしたい。
まず青城山は、道教発祥の地として知られる静謐な場所だ。今回のエクスペリエンスは、この土地が持つ精神性を背景に、自然の力強さと文化の奥行きを編み合わせるように設計されていた。参加者は初日、早朝の山霧が流れる山道を歩くガイド付き青城山ハイキングに参加。古代の道観をめぐりながら、自然と人間が共に生きてきた時間の深さを肌で感じることができた。山水が語りかけるような静寂と、森の呼吸を思わせる湿度のある空気が、ブランドの“自然と共生する”という理念と響き合うようにも感じられた。
そして、メイン会場となったのは『シックスセンシズ青城山』。ここでは会期中、三江源地域の自然保護をテーマにした「サステナビリティ・フォーラム」を実施。現地で研究を続ける専門家が登壇し、生態系の維持や地域コミュニティとの協働について語るなど、〈Canada Goose〉が長年取り組んできた環境保全活動の現在地を紹介。フィールドワークと文化的背景の双方から“共生”を見つめ直すプログラムとして、イベントの核を成すセッションとなった。
2025年秋冬コレクションの展示も行われ、ヘリテージモデルの再解釈や定番プロダクトのアップデートが披露された。ブランドを象徴するジャケット“Chilliwack Bomber(チリワックボンバー)”をはじめ、〈Canada Goose〉が掲げる高い機能性とクラフトマンシップが、青城山のミニマルな展示空間の中で際立つ演出に。自然の中に佇むアイテムは、都市での着用とは異なる存在感を見せ、その背景にある思想と機能の両面を静かに語っていた。
夜には、『シックスセンシズ青城山』内に設けられた屋外シネマで、新華社通信と〈Canada Goose〉が共同制作したドキュメンタリー『The Source: Coexistence(源:共生)』を上映。三江源自然保護区の生態系と、そこに暮らす牧民たちの生活を追った映像が、夜気の中でスクリーンに浮かび上がる。自然の力強さと脆さ、そしてそこに寄り添う人々の営みが、静かに胸に響く時間となった。
また、今回のイベントは、〈Canada Goose〉が中国進出7周年を迎える節目に開催されたものだ。四川の山々とカナダ北境の雪原──遠く離れた2つの自然が重なり合うように、ブランドは“探求心”と“クラフトマンシップ”を核に文化と自然をつなぎ続けてきた。その歩みを象徴するように、青城山で過ごした3日間は、自然の秩序と人の営みが調和してきた歴史を写し込みつつ、未来への問いを静かに投げかける体験でもあった。
〈Canada Goose〉のブランドフィロソフィーである「探索する心を後押しし、私たちが暮らす環境を守る」という姿勢。青城山の霧と森に包まれながら、その信念が改めて強く共有されたイベントとなった。


















