伊豆大島で Brompton G Line を乗ってみた
ロンドンメイドの折りたたみ自転車の、堅牢で遊べる“アドベンチャー仕様”
英国・ロンドン発祥の折りたたみ自転車ブランド〈Brompton(ブロンプトン)〉から、最新モデル“G Line”がついに登場した。日本上陸に合わせて、伊豆大島でメディア向けの試乗会が行われ、『Hypebeast』も参加。今回はその“G Line”で楽しんだ「ちょっとした自転車旅」をレポートする。
Bromptonとは?
その走り心地に触れる前に、まず〈Brompton〉というブランドについておさらいしておきたい。〈Brompton〉は1975年にロンドンで誕生した折りたたみ自転車ブランドだ。独自のフォールディング機構により、数十秒あればコンパクトに折り畳め、地下鉄、クルマ、フェリー、ホテルの室内まで、どこへでも持ち込める設計になっている。現在もロンドン工場で職人が1台ずつ手作りしており、“最も信頼される折りたたみ自転車”として世界中の都市生活者に愛されている。
そしてやはり、ロンドンメイドである点こそ、このブランドの最大の魅力だろう。英国モノ好き、英国ファッション好きなら、自然と惹かれるはずだ。筆者も今回、英国繋がりということで〈Barbour〉のジャケットを着て参加したが、そうした“装いとの相性”も楽しめる点が〈Brompton〉の面白さだ。
折りたたみ機構の利便性も見逃せない。ある有名バイヤーは、パリへバイイングに出張する際、〈Brompton〉を機内預けで持ち込み、現地の移動はすべてこの1台で回っているという。折りたたみだからこその自由度、そして“街で絵になる相棒”としての存在感に、ファッション感度の高いユーザーが魅了されるのも納得だ。
で、これまで〈Brompton〉は、スチールフレームのスタンダードモデル “C Line”、そこから約1.85kg軽量化された “P Line”、そしてチタンフレームを採用した最上位モデル “T Line” の3モデルを展開してきた。そして今回、20インチの大径ホイールを採用し、砂利道などの悪路にも対応する“G Line”がラインアップに加わったのだ。
いざ、伊豆大島へ
竹芝から高速ジェット船に乗って伊豆大島へ向かう。ここでさっそく折りたたみの強みが発揮された。約10台の“G Line”が、数人のスタッフによってスムーズに船へ積み込まれていく。聞けば、ハイエースなら15台は載るとのこと。まだ乗ってもいない段階で「Brompton、旅には相当向いているな」と直感した。
島に到着後、まずは車で山頂へ。そこから広場に出て、折り畳まれた“G Line”を「自転車の姿」へ戻すレクチャーが始まった。前輪を伸ばし、サドルを上げ、後輪を引き出す──と、複雑な工程はなく、すぐに走れる状態に変わる。慣れれば10数秒で折りたたみできるというのも大げさではない、と実感した。
ライド開始──20インチがもたらす安定性
実際に走り出すと、まず感じたのは20インチホイールならではの、わりとしっかりとした走行フィールだ。従来モデル(“C Line”など)の16インチと比べ、ハンドルまわりや前輪の挙動がより落ち着いている。また、ワイド化されたハンドルバーや、手のひらをしっかり支えてくれるエルゴノミックグリップが採用されており、操作性と安心感が一段上がっている。さらに変速には「Shimano(シマノ)」製の内装8段ハブ Alfineを搭載。ペダルを漕いでいても、止めていてもギアを変えられる仕様は、アップダウンの多い島内では非常に助かる。
そして、“G Line”が真価を発揮したのは悪路の場面だ。特注の耐パンクタイヤ(幅約54mm)を備えたこのモデルは、砂利道や石畳、未舗装路においても安心感が高かった。折りたたみ自転車でこうした道を攻められる、というのは相当に貴重だ。慣れてくると「むしろ水たまりを突っ切りたくなる」ような気分にもなった。何というか、“冒険心” をスイッチオンにさせる走りである。
ライドは約90分。ゴール地点のカフェに到着する頃には、程よく疲れていた。電動ではない“純粋なペダル駆動”であるため、運動量も十分で、心地よい“伊豆大島サイクリング旅” となった。
総括&私見
今回の伊豆大島ライドで体感したのは、「街/通勤用折りたたみ」と「グラベル/週末アドベンチャー」のあいだを巧みに埋める1台、ということ。つまり、どちらかではなく両方を欲する “欲張りライダー” に響く存在だと思う。
ただし、気をつけたい点もある。16インチモデルと比較すれば、折りたたみ時サイズ・重さともに犠牲(=やや大きく・重く)になっていること。そのため「電車の混雑時」や「旅先での持ち運びやすさ」を重視するなら、従来の16インチモデルである “C Line” のほうが取り回しは良い。一方で、飛行機に関してはどちらのモデルも基本的には受託手荷物扱い。(※海外の航空会社によっては、機内持ち込みが可能な場合もある。)
それでも、「どこでも行ける折りたたみ」がテーマなら、この“G Line”は相当魅力的。伊豆大島のような起伏ある島の道でも、「折りたたみだから……我慢します」ではなく「折りたたみだけど堅牢だから遊びます」と言える1台だった。キャンプ+その周辺をライドなどの旅が好きであれば、家族の人数分、クルマのトランクに積んでいくことも可能だ。とはいえ、価格は決して安くはないので、購入には検討に検討が必要だ。そんな中でも、折りたためて、車にも積めて、砂利道まで走れるという自由度と楽しさには、“遊びの相棒”としての確かな価値がある。
Brompton “G Line”
フレーム:手溶接スチールメインフレーム/アルミフォーク
ホイール:20インチ
タイヤ:Schwalbe G-One Allround(20×2.1/パンク耐性仕様)
ブレーキ:ディスクブレーキ(ローター径140mm)
変速:Shimano Alfine 内装8段ハブドライブ。チェーンリング54T
ハンドルバー:従来よりワイド化、エルゴノミックグリップ
典型重量:14.5kg前後〜(仕様により変動)
折りたたみサイズ:約72 x 67 x 41cm
価格:54万5,600円〜




















