Specialized のE-バイク VADO SL4.0 を東京の街で乗ってみた
ジーンズに良い色落ちを生みそうで、個人的に街中の移動手段としては最良の選択と思う

その便利さからか、東京の街ではE-バイク移動者が増殖中。かくゆう筆者も、街に溢れたシェアバイク(E-バイク)をよく利用するようになったが、借りたい時に借りれず、返却したい場所が満車で返却できない事態も多々あった。そこで、ひとつステージを進めて、「スペシャライズド(Specialized)」のクロスバイクタイプのモデル VADO(ヴァド)SL 4.0を、所有するように数週間テスト試乗してみた。日常の移動にどう役立つのか、どんな楽しさがあるのかを具体的にレビューする。
ドアtoドアの到着スピード最強説
普段から使い慣れているGoogle Map。この経路案内に「自転車」モードがあることをご存知だろうか? 「車」とも「徒歩」とも違う、「自転車」で行くべき経路案内が非常に便利。この機能を味方に、VADOであちこち都内の展示会やイベントに向かった。そこでわかったのが予想される到着時刻より早く目的地に到着することが多かったこと。これは、24km/hまで電動アシストが効くVADOの力のおかげと実感。また、東京では自転車レーンが増え、道路環境も整備されつつある。そのこともあり、混雑した道路を横目にするする進むE-バイクは、まさに快適そのもの。とくに12月の繁忙期、クルマが渋滞する中での移動では、タクシーよりも断然早く目的地に着いていたと思われる。ゆえに、駅から少し離れた目的地の場合、ドアtoドアでの移動手段はE-バイクがいちばん早く到着するケースが多いはず。
そしてそして、その移動の走行体験も面白いのがE-バイク。電気のサポートでゼェゼェ吐くことなく、街ゆく景色を楽しめるから、帰り道に表参道でウィンドウショッピングを楽しんでみたりもした。そう、E-バイクは単なる移動手段に留まらず、新しい寄り道ライフスタイルを提案してくれる存在でもある。
充電や駐輪の利便性
「スペシャライズド」のVADOは、マンションの駐輪場で充電ができない環境でもとくに問題はなかった。その理由は取り外し可能なレンジエクステンダーがオプションであること。これを部屋で充電して使用すれば、いつでもチャージ可能。行かなかったけど、東京から横浜とか、長距離移動の際でも安心なはずだ。
また、「スペシャライズド」らしい設計の良さも際立った。というのもタイヤが細身なので、街中の一般的な駐輪場にも問題なく停められるのはポイントが高い。オラオラ系のE-バイクにありがちな太いタイヤではないので、あれこれ移動して駐輪する分には、こっちが断然便利。品も良いし。
運動と移動の融合
そして、今回乗ったVADO SL 4.0を含むE-バイクの魅力は、運動と移動が一体化する点にもある。バッテリーが切れた場合でも、スポーツバイクとして楽しめる。もちろん、少し運動したいときはあえて電動モードをオフにして走ることも可能。移動時間がそのまま運動タイムになるため、ジム通いの代わりにもなりそう。
往復1時間ほどのライドは全然へっちゃら。「これなら遠くに引っ越しても無理なく通えるかも」という気持ちになるぐらいだった。運動を日常に自然に取り入れたい人には、E-バイクは最適な選択肢と言える。
思わぬメリットも
筆者は、無類のヴィンテージデニムが好きなのだが、今回の試乗で気づいたのは、デニムにいいアタリが出そうだということ。ペダリングでできるヒゲやハチノス(デニムの色落ちパターン)を考えると、E-バイク通勤はダイナミックな色落ちを実現させる最高の手段……。
と、まぁ、ジーンズの色落ちは万人には当てはまらない話ではあるものの、「スペシャライズド」のVADOがある生活は、都市での移動をより快適かつ楽しいものに変えてくれたのは事実。それは、単なる移動手段を超えて、運動、リフレッシュ、そして新しい発見の時間を提供してくれる1台。普段の移動をアップデートしたい人、運動を無理なく日常に取り入れたい人にはおすすめしたいE-バイク。タクシーにちゃかちゃか乗るのも快適だけれど、VADOで東京を風を切って走るのは、心の快適があった。
VADO SL 4.0:330,000円(税込)
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