SUMMER SONIC と Spotify によるコラボステージ “Spotify RADAR: Early Noise Stage” に潜入
次世代を担う新進アーティストをサポートするスペシャルステージ DAY 1に出演した、ヒップホップシーンを牽引するアーティストたちにフォーカス

去る8月17日(土)と18日(日)の2日間、千葉の『ZOZOマリンスタジアム』&『幕張メッセ』と大阪の『万博記念公園』にて開催された「SUMMER SONIC 2024(サマーソニック 2024)」。初日となる17日(土)は、台風7号の関東地方への接近により、千葉を会場とした同フェスの開催が危ぶまれていたものの、台風一過の晴天、そして40度に迫る猛暑のなか予定通り実施された。『Hypebeast』は今回、「SUMMER SONIC 2024」にフレッシュな風を吹かせる『Spotify(スポティファイ)』とのコラボステージ “Spotify RADAR: Early Noise Stage”に潜入。本稿では、今のヒップホップシーンを牽引するアーティストたちを中心とした独自レポートをお届けする。
“Early Noise”は、日本の『Spotify』がプレイリストやさまざまな機能を通じて次の時代を担う国内の新進アーティストを音楽ファンにいち早く紹介し、彼らのリスナー基盤を広げるべく、2017年から展開してきたプログラム。同プログラムは、2020年春に各国の注目アーティストを世界の音楽ファンに紹介するグローバルプログラム “RADAR”と連携し、“RADAR: Early Noise”へと進化。過去には、あいみょん、King Gnu、カネコアヤノ、藤井風ら今の国内音楽シーンを牽引するアーティストを数々選出してきた。
2024年版に選出されたのは、MFS、音田雅則、サバシスター、JUMADIBA、jo0ji、CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN、tuki.、十明、First Love ins Never Returned、離婚伝説(*50音順)といった、個性豊かな計10組。今最も注目すべき彼らに加え、「SUMMER SONIC 2024」とのコラボステージ “Spotify RADAR: Early Noise Stage”では、過去の選出や、派生イベントの“Early Noise Night”への出演を経て目覚ましい飛躍を遂げたアーティストとして、Omoinotake、Tele、TOMOO、なとり、Yo-Seaがステージを彩ることに。さらに、初日のステージ終了後には、J-ヒップホップカルチャーの最前線を紹介する人気プレイリスト “+81 Connect”から、次世代のJ-ヒップホップを牽引するkZm、LEX、JJJの3組を招いた特別ステージ “+81 Connect Live: after hours”が初めての試みとして行われた。
8月17日(土)、太陽がちょうど真上を通り、気温のピークを迎えた頃に会場入りした我々は、まず、大阪を拠点とするヒップホップコレクティブ Tha Jointz (ザ ジョインツ)所属のラッパー MFSのステージへ。〈adidas Originals(アディダス オリジナルス)〉のタイトなワンピースに身を包んだMFSは、1stアルバム『COMBO』収録曲の“BINBO”や7月にリリースしたばかりの“Don’t”、“Combo”などを披露。MCでは会場を盛り上げつつも、パフォーマンスで時折ダンスを交えるなど、キュートな表情を魅せてくれた。
次を飾ったのは、アジアの若者を中心に支持を集めるJUMADIBA(ジュマディバ)。楽曲に込めた想いを1曲1曲に丁寧に説明しながら、パフォーマンスでは独自のフロウを披露。Ralph(ラルフ)がゲストとして登場した“Kick Up”でより勢い付け、ラストの“Spike!”ではフロアへダイブ。観客に埋もれたことにより、やり直すというお茶目な姿も見せてくれた。また、ニットキャップ、フットボールシャツに〈SOL soonerorlater(スーナーオアレイター)〉のハーフパンツを合わせた彼らしいスタイリングは、ステージを囲むファンたちにも大きな影響を与えている模様。彼こそまさに、次の世代のヒップホップカルチャーを引っ張っていく存在に違いない。
『Hypebeast』でも“2020年に注目すべきアンダー25のアーティスト”として紹介したシンガーソングライターのYo-Seaは、2019年版の“RADAR: Early Noise”選出アーティストとして登場。1曲目を飾ったのは2023年にリリースした“Without You”。柔らかなYo-Seaの歌声にフロアが魅了された頃、ゲストとしてGottzが登場し、“Body & Soul”と“SUNSET”をパフォーマンス。その後、2017年に“Early Noise”に選出されたSTUTSを迎え、“Tokyo”、“Night Ship”、“Flower”を披露。猛暑のなか音楽に乗る観客を気遣う彼の呼びかけにより、終始優しくゆったりとした雰囲気のステージとなった。
同ステージ終了後に行われた“+81 Connect Live: after hours”では、先述した通り、kZm、LEX、JJJが約90分にわたってパフォーマンスを披露。オープニングを飾ったkZmは、登場するや否や“Aquarius Heaven”を披露し、会場の雰囲気をガラッと変え、フロアをアツく盛り上げた。その後、最新作となるアルバム『DISTORTION』から、Campanella(カンパネラ)を招いた“初号機”、2分前に会場入りしたというAwichを迎えた“ROKUDENASHI”を披露。さらに、YENTOWNメンバーを集結させ、“不幸中の幸い”、JUMADIBAとの“DOSHABURI”、ralphとの“TRAUMA”と、多くのゲストを呼び、J-ヒップホップファンを大いに沸かせた。
続々とフロアが埋まっていき、LEXが登場した頃にはほぼ埋まる状態に。1曲目には、最新アルバムの『Logic 2』より“力をくれ”をパフォーマンス。隣のステージの音が聞こえないほど、スパンなしで次々と曲を披露した。さらに、観客からの「LEX最高!」の呼びかけにより、本人の優しい笑顔が垣間見え、ラストにはバイラルヒット曲の“なんでも言っちゃって”を歌い上げた。ステージを去る際には、自身が飲んでいたペットボトルをフロアに投げたことにより、会場のボルテージはピークに。
複数のステージでゲストとして出演したralphが見守るなか、最終アクトを行なったJJJ。“YW”、“Eye Splice”、”Cyberpunk”を歌い上げ、先ほどのステージの空気を塗り替えながら、衣装替えをしたMFSとともに“Mirror”を披露。その後、CampanellaとKMを迎えて“Filter”をパフォーマンスした後、「今夜はスペシャルな日だから」との言葉とともにSTUTSを呼び込み、J-ヒップホップ好きには外せない“Changes”を披露し、大盛り上がりのなかステージを締め括った。